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いま「アトリエシリーズってどれから始めればいいの?」と訊かれたら何と答えるだろうか?という話

 以前…といってもだいぶ前、このような記事を投稿した。

 今読むとだいぶ拙いというか読みにくいというか…まぁそれは置いといて。

 改めて、今同じ質問をされたらどの作品を挙げるだろうかを考えてみたい。なお、折角なので本シリーズについての解説なども書きたい。少しだけ前置きが長いので、本題のみ読みたいという人は目次から読みたい部分にでも飛んでほしい。


1.そもそもアトリエシリーズとは?

1.1. 概要

 アトリエシリーズとは株式会社ガスト(現コーエーテクモゲームズ)が1997年に発売したPS1用ゲーム「マリーのアトリエ 〜ザールブルグの錬金術士〜」から始まったシリーズ。少し前の2022年で25周年と無名の企業が立ち上げたシリーズとしてはなかなか息が長い。
 大まかな内容としては、主人公の女の子(たまにイケメン男子)が錬金術を学び、駆使し、時には失敗したり爆発したり、そして様々な人と出会い交流しながら目標や夢に向かって進んでいく物語が繰り広げられるRPG。


1.2. "アトリエシリーズ"の中にある"◯◯シリーズ"とは

 本シリーズは大まかに3作品ごとにシステムや舞台、世界観、雰囲気、イラストレーターその他諸々がガラリと変化する。

・マリー、エリー、リリー
ザールブルグ シリーズ

・ユーディー、ヴィオラート
グラムナート シリーズ

・イリス1、イリス2、イリスGF(グランファンダズム)
イリス シリーズ

・ロロナ、トトリ、メルル、ルルア
アーランド シリーズ

・アーシャ、エスカ&ロジー、シャリー
黄昏 シリーズ

・ソフィー、フィリス、リディー&スール、ソフィー2
不思議 シリーズ

・ライザ1、ライザ2、ライザ3
ライザ シリーズ

 作品間のストーリーやキャラクター、世界観の繋がりは基本的にこのシリーズ内の作品のみ(※)それ以外はほとんど繋がりがない。強いていえばアイテム名やスキル名、モンスター名が同じ…といったシリーズ物ではよくある程度のものや、時々ファンサービスとしてゲスト出演があったりする程度。

 そのため、本シリーズには外伝作品も含めると30作品近くあるが、小分けにされた各シリーズの一作目から始めれば「過去作やってないから話やキャラが分からない!」なんて事はまず起こらない。

※例外としてグラムナートのみザールブルグとの繋がりが多い。とはいえ話の本筋は過去作を知らなくとも十分に理解できるものとなっている。


1.3. 自分が本シリーズを説明する際によく使う表現

 自分はこのシリーズをよく"ファッキンジャッブハックアンドスラッシュ"と表現している。

 本シリーズの基本的な流れとして「探索→採取→調合→探索→…」のループが挙げられるのだが、これはハックアンドスラッシュの「新しいエリアを探索する→敵を倒して成長したり新しいアイテムを入手する→キャラが強くなり、更に探索できる範囲が広がる→新しいエリアを探索する→…」のループに非常に似ている。また、ストーリーなどを一通りクリアした後、最終的にやることは、

・ひたすらキャラを強化

・理論値に近いアイテムを目指すため周回や厳選

・よりスムーズにストーリー攻略やエンディング回収、高難易度DLC、裏ボスを撃破するための効率化や試行錯誤

といった遊び方にシフトする。これもJRPGというよりはハクスラを謳う作品の方に似ている。加えて、

・キャラクターは日本人好みの美少女(たまにイケメン)に

・フィールドは日本人好みの明るく清潔な、時には幻想的な空間に

・アイテムの入手に"調合"の一手間を加え日本人好みの加工貿易に

 以上の要素から、アトリエシリーズは広い意味でハックアンドスラッシュであり、それも日本人の好みに合わせローカライズされた"ファッキンジャッブハックアンドスラッシュ"である……と勝手に思っている。

(ハクスラの定義とはなんぞやという不毛な論争をここで繰り広げる気は無い。自分の思うハクスラ観が人とは異なる可能性も大いにあり得るが、ここはどうか寛容な心でスルーして欲しい)


2.人に薦めやすいタイトルとは?

 少し話は逸れるが、人に薦めやすいタイトルとは何だろうかを考える。旧知の仲で相手の好みやゲームに対する知識や習熟度が分かっている場合ならいざ知らず、そうじゃない場合の薦めやすいゲームは難易度が低めシステムが便利か、そういった作品だろう。またシリーズの一作目であればキャラなどが分からないといった事も滅多に起こらないし、続編がある作品であれば「この作品面白かったから続編もやってみよう!」といった導線になるのではないか?

 よって、"難易度が低い、またはシステムが便利かつ各シリーズ一作目"という条件に当てはまる作品であれば、人に薦めやすいタイトルではないかと考える。


3.それを踏まえてどの作品を挙げるか?

 前置きが長くなってしまったがそろそろ本題に移りたい。前述の条件に当てはまる作品は以下の2作品。

3.1. どの作品から始めればいいの?と訊かれたら…

・ソフィーのアトリエ 〜不思議な本の錬金術士〜 (ソフィー1)
対応ハード:PS3、PSV、PS4、Switch、Steam

 とにかく難易度が低く、システムも非常にシンプル。とっつき易さではトップクラス。だからと言ってゲーム部分が疎かになっているわけではなく、本シリーズの醍醐味である「探索→採取→調合→探索→…」のループや、より良いアイテムを作るための試行錯誤は十分に堪能する事ができる。
 シリーズ経験者からは時折ボリュームが少なめという話が出たりするが、新規にとってはいきなり大ボリュームの作品に触れるよりこれぐらいの軽めの作品から触れる方が良いのではなかろうか?
 ちなみに無印版とDX版があるが、今から遊ぶならDX版を選んでおけば間違いない。DX版はグラフィックのアップデートのほか無印版にて配信されたDLCが全て内包されており、また細かな不具合の修正も(多分)行われている。


・ライザのアトリエ 〜常闇の女王と秘密の隠れ家〜 (ライザ1)
対応ハード:PS4、Switch、Steam

 難易度は上述のソフィー1より若干高めだが、シリーズ経験者が長年感覚麻痺していた部分にメスが入り、システムがブラッシュアップが施されている。そのため、利便性や快適性の面から見たとっつき易さではこちらに軍配が上がる。
 強いて難点を挙げるならば、場外乱闘になってしまうがキャラデザの都合で非常に面倒臭いネガキャン魔やフの字に絡まれる危険性がある事か。あの手の輩は決まってシリーズのファンだ何だと名乗るが、もし本当にファンで幾つもの作品にに触れていたならば、本作の利便性や快適性、ひいてはゲーム全体の(ガストにしては)高い完成度の前にはキャラデザなんて瑣末な問題だと分かりそうなものだが…。にも関わらず延々と無関係な要素を槍玉に挙げているのは、やはりあの手のはファンでも何でもないにわかやエアプなのだろう。無視するに限る。
どうせ最終的にはステータスやダメージの数値しか見なくなる


3.2. 次点で挙げる作品

 上述の2作品の次に挙げるタイトルは下記の3作品。

・マリーのアトリエRemake 〜ザールブルグの錬金術士〜
対応ハード:PS4、Switch、Steam

 記念すべきシリーズ一作目のリメイク作品。条件だけなら当てはまっているので人に薦めやすいタイトルでは?と個人的には思うのだが、シリーズ経験者が感覚麻痺して何とも感じなかった部分にシリーズ未経験者はストレスを感じていた旨のレビューをちらほら見かけたため、次点に降格。
 とはいえシステム自体は非常にシンプルな上に難易度も低め、加えて昨今のゲームに合わせた便利なシステムも搭載されているので遊びやすさという点ではかなり上位の作品ではないかと考える。
 ちなみに本作は原作PS1版を忠実に再現し、可能な限りプレイフィールを損なわずにグラフィックの一新や昨今の作品に合わせた便利な機能を追加。その上でテキストを読み進めるだけで単調だった採取を現行作品同様のマップ探索型にリメイクし、原作にはなかった新しい面白さを提供するというリメイクの鑑のような作品だったりする。その辺はもっと評価されるべき要素ではなかろうか。

…いやその考えが既に感覚麻痺している証拠なのか?


・エリーのアトリエ 〜ザールブルグの錬金術士2〜
対応ハード:PS1、PS2、ゲームアーカイブス

 本シリーズの礎となったと言っても過言ではない作品。シリーズの醍醐味を余す事なく味わえるシリーズ屈指の名作。初代マリー同様にシステムが非常にシンプルな上に基本的な難易度も低めなのでライト勢はもちろん、一部やたらと難易度が高い要素やイベントがあったり理論値を目指すと終わりが見えなかったりするため、ゲームを深くまでやり込みたい人にもオススメ出来る間口の広さも魅力の一つ。

難点を挙げるとすれば、
・昨今のようなRPGではなくどちらかというとADVやシミュレーションに近い。また日数によるスケジュール管理など現行作品ではオミットされた要素が多く、毛色が異なる。
(※現行作品のようなハックアンドスラッシュを楽しみたいという人には向いていないかもしれない)

・現行機には移植されていないため、遊ぶには数世代前のハードが必要。

・人の好みの範疇とはいえ絵がだいぶ古い。

…といった点だろうか。人によっては致命的なマイナスポイントになりかねないため、次点に降格。


・トトリのアトリエ 〜アーランドの錬金術士2〜
対応ハード:PS3、PSV、PS4、Switch、Steam

 エリーがアトリエの礎となった作品ならばこちらは現在のRPG路線の礎となった作品。日数制限といった旧作の要素と現行作のRPG路線のちょうど中間ややRPG寄りといった感じ。
 次点への降格の理由としてはシステム周りが若干不便な点と難易度がやや高め?な点。難易度に関しては正直そこまで難しくないと思うのだが、シリーズ未経験の知人が何人もバッドエンド直行したのを見てきたのでどうやら自分の感覚が麻痺している模様。
 とはいえ作品自体の面白さもさることながら、巡礼の旅というテーマ、フォルクローレ調のBGMなど個人的に好きな要素が多いため人に薦めたい作品。なお、こちらも無印版、plus版、DX版と分かれているが今から遊ぶならDX版を選んでおけば間違いない。

…もう一つ難点を挙げるならば、この作品を好きと言うと何故か周りの人からの社会的信用が下がりやすい点、だろうか…?
トトリちゃんは13歳なので多分セーフです

4.その他

4.1. BGMから作品を選ぶ

 本シリーズを語る上で欠かせないのがBGM。アトリエシリーズはBGMにも力を入れており、ゲーム内で使用されるBGMはどれも珠玉の名曲。BGMを聴いてみて、この曲を実際にゲームの中で聴いてみたい!と感じた作品から入るのもアリ。

人の好みによる部分ではあるが、個人的に特にBGMが素晴らしいと思う作品は下記。

・ユーディー(グラムナート1)

・ヴィオラート(グラムナート2)


・トトリ(アーランド2)

・フィリス(不思議2)


 ちなみに本シリーズでは通例としてゲーム内で過去作のBGM一式が聞けるようになる楽曲パックが無料DLCとして配信されるのだが、その中でもアーシャのアトリエDXの収録曲が特に豪華。

 初代マリーから19作目リディースールまでのメインタイトルのサウンドトラックに加え、ヘルミーナとクルスやDS作品などの外伝作品のサウンドトラック。ここまでなら他作品も似たようなものなので特筆すべき点は無い…いや他のゲームと比較するとこの時点で既に常軌を逸しているのだが、加えて予約特典でのみ配布されたCD、アンノウンオリジンやフォルクストリートなどのアレンジCD、果てはファルカタや黒い瞳のノアなどアトリエ以外のガスト作品の楽曲まで収録されている。これが全てゲーム内で無料で聴ける。サウンドプレイヤーではないためプレイリスト作成や楽曲を順次再生するといった機能は無い。そのあたりは若干不便だが、それを差し引いても有り余るほど豪華な収録曲。
 詳しく調べた訳ではないが、収録されているサウンドトラックの中にはプレミア化しているものも含まれる。これらを現物で揃えようものなら恐らく5万円で済めば安い方なのではなかろうか?下手したら6桁の大台に乗ってしまうかもしれない。

「アーシャのアトリエはゲーム付きサントラ」というジョークがあるが、それはゲームの出来がお粗末なのではなく、収録曲があまりにも規格外な豪華さのために言われ始めたもの。


4.2. キャラやデザインで選ぶ

 個人的な私怨を漏らすならばこの手の方法で作品を選ぶ連中には碌な記憶がないのであまり薦めたくない方法ではあるが、他人に勧められた作品より自分で選んだ作品の方がモチベーションを保ちやすいというのも事実。キャラやデザインに一目惚れしてその作品を触ってみたくなったら他人の意見を気にせずやってみるのも良い…とは思う。


4.3. シリーズ最新作を名乗る例の作品について

 結論から言えば、スマホで遊べるゲームとしてはなんだかんだ続けられている程度には面白い。シリーズ云々関係なく単に面白いスマホゲーを探しているならまぁ薦められない事もない。

ただし、アトリエシリーズについて知りたい等そういった理由でやり始めるのはお勧めしない、とだけは書いておく。

気が向いたらこの記事でも読んでくれ。


5.終わりに

 あくまで個人的な意見のため、参考程度にどうぞ。DX版が発売して現行機種だけでなくPCでも遊べるようになったので以前に比べて人に薦めやすくなった。とはいえ数世代前のハードでしか遊べない過去作がまだ結構な数あるのでその辺は今後のガストやKTに是非とも期待したいところ。

ちなみにこの記事は22年の25周年のイベントに合わせて投稿するつもりがなんか途中で書くのに飽きて放ったらかした結果、2年越しの投稿となりました。

6.余談

FAQ

Q.処理落ち多くない?
A.ガストだしなぁ…

Q.フリーズしたんだけど?
A.ガストだしなぁ…

Q.バランス悪くない?
A.ガストだしなぁ…

Q.このシステム出来が悪くない?
A.ガストだしなぁ…

Q.この痒いところに手が届かない作りは何?
A.ガストだしなぁ…

Q.もしかして◯◯ってクソg…
A.ガストだしなぁ…

Q.御託はいい。お前のオススメを教えろ。
A.アルトネリコ