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イース・オリジンの話


 今や軌跡シリーズの方で有名な日本ファルコムの作品に「イース」(Ys)シリーズがある。ストーリーの展開や世界観などに目を向けた場合はイースIVが好きだけど、操作性や快適性とかゲームとして見た場合はイース・オリジンが1番好き。


1.大まかなあらすじなど

かつて、歴史の流れに消えていった大いなる伝説の国があった。
イース。
双子の女神と六神官に導かれ、地上に栄華を誇った理想郷。
そこでは、女神の至宝たる《黒真珠》によって人々に大いなる恩恵がもたらされていた。
──しかしある時、その災厄は訪れた。
前触れもなく数多の魔物が現れ、イースに侵攻してきたのである。
魔物は瞬く間に地上を蹂躙し、ついに人々は、女神たちの住まう
サルモン神殿にまで追い詰められた。
全てが終わったかと思われたが女神と六神官は、《黒真珠》の力で
神殿を浮上させる事に成功する。
しかし地上に巨大な《塔》が築かれると
翼を持った魔物が天空に飛来し、
再び破滅の危機が訪れようとしていた。
──そんな中、地上から離れたサルモン神殿を揺るがす事件が起きる。
あろうことか、イースの象徴である双子の女神が姿を消したのだ。
人々が絶望する中、六神官は一つの決断を下した。
消えた女神たちを探すため、騎士や魔道師から精鋭を選りすぐり、
闇に閉ざされた地上に遣わしたのである。

イース・オリジン公式サイト プロローグより引用
https://www.falcom.co.jp/yso/prologue.html


2.どんなゲーム?

 VIやフェルガナと同じ3Dアクション。通常攻撃と3種のスキル(魔法)を駆使しながら敵を倒しマップを探索し、時には強大なボスと死闘を繰り広げる。今作はイースI•IIより700年前の物語のため、アドルではない3人のキャラクターを操作してゲームが進む。

・過去作アドルに準拠した性能のユニカ
・遠距離攻撃主体のユーゴ
・逆に近接に特化させた鉤爪の男

と三者三様の性能でVIやフェルガナともまた一味違ったアクションを楽しめる。


 また話の都合上、本作は終始ダームの塔の探索のみでゲームが進行する。しかしだからと言って延々と同じような光景が続くといった事は無い。初めこそ無機質な建造物だが、進むにつれ水没した庭園のような美しい光景が広がる”水獄の領域”、マグマがひしめく今作の灼熱ステージ枠の”咎火の領域”、トラップと不死の怪物が跋扈する文字通り死の砂漠である”黙砂の領域”など、バリエーションに富んだ階層が待ち受ける。 


3.好きな点

3.1. ボス戦開始時の演出

これに尽きる。いや確かにゲームやBGMやその他沢山好きな点はあるのだが、どれか一つ選べと言われたらこれを即答する。それぐらい最高に好き。

人様の動画を貼り付けるだけで大変申し訳ないが、とりあえずこの動画を見てくれ。


巨大なボスの出現、開始と同時に画面上にねっとりと表示されるボス名、そして最初の音から激しくうるさい(褒め言葉)ボス戦BGM…

BGM以外はVIやフェルガナも同様だが、それらを遊んでいた時はこの演出の良さに気付くことが無かった。その後オリジンに触れた際に改めて、なんてカッコいい演出なんだと感動したのを今でも覚えている。


3.2. シンプルなアクション、軽快な操作

 基本は移動、ジャンプ、攻撃、魔法の4つのみ。そして全て発生が非常に早い上にモーションも短く、硬直や操作不能時間といった物とはほぼ無縁である。またモーションに余計な溜めのようなものも無い。右に入れれば即座に最高速度で右に移動し、攻撃やジャンプのボタンを押せば即座に出る。

 一部の敵やボスが使用する吹き飛ばし効果のある攻撃で行動を阻害してくるが、それ以外は被弾モーションも一瞬で終わる。そのため相手にこちらのアクションを潰されるといった事が少ない。被弾した次の瞬間にはこちらも殴り返せる。非常にストレスフリー。

3.4. BGM

 BGMに関してはやはり信頼と実績のファルコム。本作も例に漏れず名曲揃い。
 好きな曲を挙げるとキリが無いが、1曲だけ挙げるとするならば咎火の領域で流れる”SCARLET TEMPEST”が最高に素晴らしい。疾走感と激しさを兼ねた特徴的なイントロから始まり、その後流れてくる煮え滾るマグマと炎飛び交う灼熱ステージの楽曲とは思えない物悲しげなメロディ。自分の持っていた灼熱ステージの楽曲に対する印象を大きく変えた1曲と言っても過言ではない。

他のBGMも本当に素晴らしいので是非とも本作をプレイして…それが難しければサントラだけでも良いので聴いてみて欲しい。

また、本作には”イースオリジンスーパーアレンジバージョン”なるアレンジCDも存在するが、そちらもまた素晴らしい。アレンジと言っても曲調や雰囲気自体をガラリと変えるタイプではなく雰囲気はそのままに原曲の要素をより強調したようなアレンジが主。そのためいわゆる原曲厨でも安心して聴いていられる。


4.強いて難点を挙げるならば

 3人の主人公がいる本作だが、操作感と出てくるボスの順序が多少変わるだけでゲームの大筋は殆ど変わらない。操作感についても、イースI•IIで例えるなら体当たりで倒すボスか魔法で倒すボスか程度の変化に近く、全く違う操作のゲームを期待すると若干期待外れとなる事は否めない。逆に言えば1つ慣れてしまえば残りも大体同じ感覚で味変を楽しめるとも言える…か?

 また、最近の便利なゲームに慣れてしまった今にして思えば気になるレベルの話だが、本作は何かと周回する必要があるがその際に引き継ぎ要素などはほとんど無い。周回数に応じてSP(キャラの強化などに使うお金のようなモノ)がゲーム開始時に貰えたりするがキャラの強化状態などはリセットされる。
 これは今作だけでなくVIやフェルガナも同じだし、そもそも当時のゲームならそんなもんだと言われたらそれまでだが、当時は気にもしなかったが今考えると若干不便。

5.今から遊ぶには

5.1. PC版

特にこだわりが無いのであればPC版をお勧めする。
この記事を書いている際に調べたところファルコム通販だとまだパッケージ版が買えるらしい。
DL版であればDLsiteで購入することができる。

ちなみにDLsiteではオリジンの他にVIやフェルガナ、Zwei、ぐるみん、ガガーブトリロジー三部作、空FC~3rdも販売している。


5.2. PS4版

PS4にも移植されているが…

正直PS4版はお勧めしない。というのも、移植したのがあまり評判の芳しくない(らしい)海外の企業 DOTEMU であること、それが影響したのか不明だがキーアサインが割と洒落にならない大変なことになってしまっている。そのくせキーコンフィグは無い。調べたら無限ロードバグもあるらしい。それもよりによって難易度ナイトメアのタイムアタックモードで起こるらしい。

 ついでにトロフィーの一部にこのゲーム知らない人が適当に作ったんじゃないかと思ってしまうトンデモないものがあったりする。

 それ以外では特に酷い処理落ちが起こったり数値がおかしいといったことは(おそらく)無いため、操作に順応すれば、あるいはPS4側からボタン割り当て変更すれば単にどんなゲームか触ってみる程度の軽いプレイには問題ない………はず?
 結局のところこの操作問題は◯ボタンと×ボタンが入れ替わってる事が主な原因なので、もしかして◯ボタンと×ボタンの操作周りが入れ替わったPS5で動かしたら問題なかったりするんだろうか?

5.3. Switch版

今ではなんとSwitchでも遊ぶことができる。

こちらも同じくDOTEMU製だがキーアサインは変なことになっていない。処理落ちやフリーズなども出くわしたことが無い。イース・オリジンというゲームに触れてみたいという人には十分お勧めできる良移植と言ってもいい……かもしれない。下記の1点を除いて。

…ゲームを遊ぶ分には全く問題ないが、しかし一つだけ人によっては看過出来ない致命的な問題がある。

Switch版には再現度100%のBGMバグがある。

 曲の切り替わりが上手く機能していないのか曲はじめの1小節目と2小節目が同時に再生される。それ以外には全く問題ない。それ以外の不備やバグには今のところ出くわした事がない。本当にそれだけ。
 たったそれだけなので普通のゲームなら気にも留めないかもしれないが、このゲームは楽曲に定評のあるファルコムの作品。そのためBGM周りの不備は正直残念でしかない。前述したボス戦のようにイントロが演出の一環として素晴らしい楽曲があるだけに尚更。……逆に言えばそれを気にしない人なら十分遊べる出来の移植となっている。


ちなみに、PS4版およびSwitch版のスペシャルエディションにはゲームの他にブックレットと復刻版のオリジナルサウンドトラックが同梱している。復刻版とはいえ、一時期プレミア化していたあのサントラが付いている。それでいてお値段は合わせて5000円前後。現物単品で5000円以上したサントラにゲームとブックレットが付いて5000円。非常に安い。先述したPS4版に関してもサントラ目当てで買うのであれば十分元が取れる。


…まぁ今はアマプラとかその辺りでサントラ単品がストリーミング配信&販売しているのだが…2000円程度で。

6.終わりに

 幸か不幸かこの記事を開きここまで読んでしまい「イース・オリジン」に興味が湧いた方、あるいは手軽に遊べるシンプルかつスピーディなアクションゲームを求めている方は是非とも触ってみてほしい。可能ならPC版が望ましいが、単にどんなゲームか触ってみたいというだけならSwitchでも問題ない。PS4版も操作に慣れれば問題無い…はず。

毎度の事ながら上手い締めが思い浮かばない。

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