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Interview: 野口恵

2020年アルバム『在りし季節の遭逢』リリース記念インタビュー

 sassya-のベーシストである野口恵はシンガーソングライターとしてこれまでもアルバム3枚、ミニアルバム、シングルなどの作品を自主リリース、東京都内を中心に2013年から活動を続けている。そして2020年にリリースされる4thアルバム『在りし季節の遭逢』はsassya-『脊髄』をリリースしているKerosene Recordsよりリリースとなり、初の全国流通盤となる。現代の日本語ロックを突き進むsassya-とは音楽性の異なるフォーク/アコースティックなサウンドで、sassya-でしか彼女を知らないリスナーにとっては驚くような音ではある。けれどどちらのサウンドも彼女の音です。今回はアルバムリリース記念としてのインタビューとなります。

(インタビューは全文無料で公開しておりますが、記事の最後にアルバム全曲の一発撮り弾き語り映像があります。映像は有料となりますが、バンドサウンドのアルバムとのコントラストが聴いて面白い内容だと思っておりますので、課金していただける方は是非お楽しみください)

「人が受け取って何かを考える余白や余韻のある表現が私も好きですし、そうありたい」

Q: 多分世間的には今回が初めての流通盤となると思うのですが認識あってますかね?

野口: 今までは自主制作だったので、基本は自分で営業していました。ユニオンのディストロとかで多分、多少流通していたかも知れないです。自分でやっていたのに、すごく曖昧ですみません。

Q: これまでの作品は自主制作盤で、今回のアルバムのリリースが全国流通ってイメージです。おそらく今までの野口さんの活動をご存知ない方も多いと思います。3LA的にはsassya-のベーシストである、という紹介をせざるを得ないのですが、バンドと並行してソロの、SSWとしての活動も長く続けています。作品数も結構多いですよね。で、このソロ活動はサイドプロジェクトではなく、sassya-もソロも同じように積み重ねられてきたものだと思います。
 ソロの活動はいつから始めたのでしょうか?来歴について簡単にで構わないので教えてください。

野口: ソロの活動はsassya-を始めたのと同じ頃でした。2012年末くらいです。中学3年の冬にアコギを買ってからずっと曲を作っていましたが、その時は本当はバンドがやりたくて。

 でも、いくつかやったバンドも長続きしなくて、曲ばかり作っていて...
一人で歌ったらフットワーク軽いかなと思って、それで2013年の初めに最初のライブをしました。大学4年の冬でした。

 始めた当初から、曲をつくることが好きで、曲ができたら形に残したいという衝動があって2014年4月に最初のEPを作りました。もう売ってないし、本音は誰にも聴いて欲しくないけど。それからは、ある程度曲が出来たら録って出す、といった感じで2018年まで、ほぼ毎年音源を作ってました。

 でも最初から、弾き語りをしたいわけではなく、曲を作りたいのが先行していて弾き語りの制約の中で曲を作ることが少し窮屈に思えていたのが2018年頃でした。やっと覚悟をきめてバンドでやろうと思ったのが今回の作品です。

Q: とすると当初の弾き語りのスタイルはあくまで成り行きというか、もともとバンドをやりたかったとしたらようやく10代のとき思い描いていた形になったということですか?念願の。そして作品のリリースはソロ名義ですが、演奏としては明確に「バンド」になったわけですか?

野口: そうですね。弾き語りはただ活動してるという形が欲しかっただけで、最初は弾き語りの為に曲を作っていたわけではなかったです。10代〜22くらいまで作っていた曲は、頭の中では色んな楽器が鳴ってました。10代の時はもっと、バンド寄りのことやりたいと思っていて、高校〜大学あたりで組んだオリジナルバンドでは普通にオーソドックスな3〜4人のバンドやってました。

Q: メンバーはどのような音楽的背景の方々で構成されているんでしょう?バンドマスターというか、全体のアレンジ等を指揮している人は野口さんの他にもいますか?

野口: メンバーは、最初のイメージとして、シーンに偏りが無い面子にしたかったんです。メンバーが集まっただけで大体出来る曲が想像出来るようなのはあんまりワクワクしないなと思って。

 それで、初めに誘ったのは、「芽」というシングルでギターを弾いてくれた車田さんでした。インプロとか好きで、面白かったんです。で、車田さんの紹介でベースの井上さん(Burgundy)を誘っていただいて。鍵盤は、ソロの活動で仲良しの田口さん、その繋がりでパーカッションの深野さんをお誘いしました。

 ドラムの湯田さん(lang)は、sassya-の活動でlangとしょっちゅう会っていたので飲んでいる時に「ドラム必要だったらいつでも言って!」と言ってくださったので、「じゃあちょうど今アルバム作ろうとしてるので是非!」という感じでお誘いしました。

 こういった感じなので、もちろんバンドマスター的には私なんですけど最初に弾き語りのデモと、リファレンスになる曲と、方向性だけ提示してあとは話し合いながら、スタジオで合わせながら、探っていきました。とくにベースの井上さんは、かなり色んなアイデアを出してくださったので、引っ張ってくれてとても助かりました!

 途中からギターを渡辺くん(pale)にお願いしてるんですけど、これもやっぱり違うシーンから連れてきたかったのがありました。メタルが好きなのは知っていましたから、「それきり」と「ひと」はガツンとしたギターが良いなと思っていたので、そこのイメージに合うかなという期待もありつつそれ以外の曲は、どんな風に弾いてくれるか分からないけど、きっと面白いだろう!みたいな。

Q: 僕の感想としてはリズム隊にはこれまでにない可能性を見た。全体的に70's-80'sなニューミュージック感(初期荒井由美的な)を感じていたんだけど、演奏隊の解釈もそこに合っていると思った。

野口: はい、モロにそうだと思います。わたしがもともとニューミュージックと、あとフュージョンやAORが好きなので、そのあたりのアプローチを求めた感じはあります。

Q: あとは#5「青時雨」、#6「リバー」は曲がかわいい。ここでぐっとPOPに寄ってきたのが意外でした。

野口: さすが、鋭いですね!

 先ほど「最初にリファレンスを持って行って〜」という話をしましたが、最初のイメージから大きく違う形になったのがこの2曲です。こんなに跳ね感出ると思わなかったなあ。もともとは「青時雨」は、ギルバートオサリバンの「alone again」、「リバー」は、空気公団の「旅をしませんか」のつもりでした。

 面白いですよね、自分の頭の中だけじゃ絶対こうならなかったです。でも私の中には確実にポップな音楽が好きな側面もあるから、自分だけじゃ開けられなかった隠し扉が開いた感じでしたね。

Q: 楽曲は、それぞれが方向性をもっていると思うんですがアルバム全体としての引用元(リファレンス)もあったりしますか?

野口: アルバムとしてのリファレンスは、無いです。毎回盤を作る度そうなのですが、その時点で集まった曲をまとめるだけなので、アルバムとしてどうしたい、みたいなのは正直あんまり考えてないです。

Q: なんか聞いていると、リファレンスはあるけどゴールとする着地点については野口さんはそんなにこだわっていないのかなと感じた。バンドの流れで別の場所に辿り着いたならそれはそれでいい、みたいな。だから楽曲もそうだし、メンバーの音楽的背景もそうなんだけど、バラバラのものが1つにまとまっている感じなんでしょうか。
 個人的に、楽曲やアーティストの解釈を歌詞に頼りすぎるのはロキノン系みたいで好きじゃないのですが、歌詞の端々にもそういう要素は感じていて、特にラストトラックの#11「ひと」なんかはモロにそうだなぁと思ったりもする。目的地へ向かうような、つまり正解を求めてる音楽じゃないし、故に「どこへでもいける」っていう。

野口: 言われてみて気付いたんですけど、曲としてのゴールは、歌詞とメロディが出来た時点なのかもしれないです。そこから先は、どういう解釈もできるし、どうにでも変わっていけるし、変わっていくのが自然なような気もします。

 私自身、曲をつくった時にはきっと色々なことを考えて作ったんだと思うんですけど、後になると具体的な出来事はほとんど憶えていなくて、気持ちだけ憶えている感じなんです。気持ちだけ残せたら、あとのことはどうでもいい。あとは、楽しんで、その時面白いと思うことだけやればいい、というスタンスかも知れないです。表現方法も、ひとの価値観も、私も、いくらでも変わっていってしまいますので。

Q: 話はずれるけど、いま世の中で売れてるものって、正解がある音楽(正解がないのは知っててもあると仮定してる音楽)だと思っていて、だからこそ批評もされるし、ロジカルにその良さを語ることもできる。でも野口さんの音楽はそういうものではないかなと思った。故に批評が難しいところもあるんだけど。

野口:  売れている人が売れるためにする努力、要するに人に必要とされるための努力をしてこなかった結果なんだろうなと思います。私がやりたいのは、今のことをただ残すということだけだったんだと、本当に最近気付きました。残した結果、良いなって思うものが出来たから、ねぇだれか聴いてよって、ただそれだけだったのかなって。だから、本当はべつに音楽じゃなくてもよかったのかも。たまたま好きで、やりやすかったのが音楽だっただけで。

Q:  ロジックのある音楽とない音楽でどっちが良い悪いの話ではないと思っているんだけどこのテーマには自分はずっともやもやしている課題がある。なんかいろいろな売れてる音楽を聞いているとだんだん全てが馬鹿らしくなってくるんですよ。TAYLOR SWIFTと米津玄師とか、そりゃ音もロジックもがっちり固めて狙っていて挑戦的でしかも売れていて、それを批評家が「これはこういうもんです」って解説することでそのロジックがさらにブーストされてリスナーがそれをそのままに受け入れて評価も上がってっていう流れが。で、2000年代以降って音楽の売り方が確立していって、音楽の評価軸も確立していったと思うんですよ。でもそこに窮屈さを感じるところもあって。

野口: そうですね。私もそこは、いつもついて回るような感じがしています。
音源作るのにお金かかるから回収したい、でも売れるために作品自体を変えるのは本末転倒、でももっと評価されてほしい気もする、でもそうなってないのは自分の努力が足りないんじゃないか...そういうループに入ることもあります。

 私のやっていることって結構王道だから、売れ線なものと並べて見てしまいがちになるんですよね、公私ともに。それに、沢山の人に受け入れられている人を見れば普通に羨ましく思うし、売れている音楽の中で好きなものはいっぱいあります。

 だけど明らかに、売れる人は売れるための努力をしていて、私は自分の好きなものを表現する努力をしているという点で根本的に違うんですよね。
仕事としてやるなら、明確な顧客の依頼に対して意向にあったものを提供しないと成り立たないですけど今のところ私は明確な顧客に対してやっているわけじゃない、強いて言えばそれは自分自身なんですよね。

 だから、自分で良いと思えるものを作ったり、それを表現するための方法を常に探したり、といった努力は惜しまないでいようとだけ、今は思います。もちろん誰かに必要とされるのはとても嬉しいことなので、心を開きつつ、自由にやれたらいいなと思います。

Q: だからこの質問と回答ってやっぱり僕にとって野口さんの音楽を理解する上で大事だし、重要な回答だなと思ってる。「気持ち」っていうのは重要なキーワードな気がする。そしてその残したい欲求とは何なのか。野口さんにとって音楽とは何なのか、音楽は、というよりは「音楽を作ることとは」ってことですかね。

野口: これは、人生の話みたいになっちゃうんですが、見聞きしたもの、出会ったものとか、要するに私が生きている時間を形にしたいんだと思います。

 今日天気が良くて空が綺麗だったことも、雨が沢山降った季節も、大事な人と出会ったり別れたりした時の気持ちも、何でも、時間が経ったり、私が忘れたり、いなくなったりしたら、消えてしまうような気がして。だから全部残しておきたいんですよね。生きてたことを残しておきたい。

 私の曲は、明確な出来事のことがもとになっている曲もあれば、もっとふんわりした気持ちみたいな所から連想していくものもあります。どちらかというと後者が多くて、そういった小さな心の揺らぎも、残しておきたいなって思います。

 そうやって残しておくと、私が生きていたことと同時に、私の周りのものも、そこに存在していたことになるのかなと。あと、もしかしたらそれを聴いた誰かの気持ちなんかも、残ったりするのかなと。そうやって、知らない所で脈々と続いていくのかなと。そうだったらいいなと思います。

Q: 人の気持ちってどういうシステムなんですかね。めちゃくちゃ曖昧だし一瞬だけ感じるような瞬間もあって、覚えていようとがんばっても消えていきますよね。それをどんな音楽を残しても、音楽に限らず文字とか絵とか彫刻とかでも、CDとかもその物自体は残るけどエモーショナルな部分って結局受け手に委ねるしかないし、その人のバックグラウンドに解釈が委ねられる。それがアートでもあるんですけど、コミュニケーションのシステムとしては不完全です。でもその不完全さこそがアートだと思うし、人間が何千年も前から手放さずに持ち続けているものだから大事なものでもあると思う。誰かの作品を誤解とか拡大解釈とかし得るし、しかしそういうのがあるから世界が面白く変わっていくというのもあります。

野口: たしかに。そういう、人が受け取って何かを考える余白や余韻のある表現が私も好きですし、そうありたいと思ってやってますね。

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「詞と曲を固めるところまでは、正味3日以上かけたこと無い」

Q: ちょっと話がやばい流れになってきているので、音楽の話に戻していきます。野口さんは作曲はどのように行っていますか?DAW的なソフトとか使いますか?

野口: 去年までは完全にアナログな作り方をしていました。ギターの弾き語りが基本だったから、そのスタイルで作って、ボイスレコーダーで記録して。レコーディングも、ライブと同じようにギター弾きながら歌う形で録ってました。

 だから、バンドとかサポートを入れる時はスタジオでセッションして、言葉で伝えながら一から作っていく方法しか知りませんでした。今年に入って、新しくユニット的なものを組んだんですけど、音源をつくるぞってなって。感染症云々の騒ぎになるちょっと前でした。その時に初めてGarageBandを使い始めて、宅録一式揃えました。

 それがめちゃくちゃ楽しくて。私ギター弾き語りをしたかったんじゃなくて、曲作るのが好きなんだって気付いて。そこから、他の楽器も触るようになりました。もっと色々やってみたくなって、最近PCも買って。で、多少ミックスも勉強しておいた方がいいなと思って、今軽く遊びで試したりしているところです。

Q: いい話じゃないですか。テクノロジーが確実に作曲に影響を及ぼしてますね。自分持ってるデッキの構成が変われば戦略も変わってきますよね。

野口: はい。思いっきり武器が増えたし、なんなら城が出来たみたいな感じですね。

Q: こうしてメッセージのやりとりの合間にも曲が出来て、聞かせてもらってみたいなこともありましたけど(インタビューはメールの往復で行っていますがその合間に出来上がってくる曲を聴かせてもらっていました)、曲のアイデアとかメロディとかどんどん湧き上がってくる感じですか?

野口: なんか、曲を作ろうと思ったら詞とメロディが無限に出来る、みたいな時期があって。で、突然ペースが落ちてきて、音楽を聴きまくったり本を読み漁ったりしたあと、また無限に出来る、というのが数ヶ月単位のサイクルでありますね。

 なので、出来るぞっていう時期には暇さえあれば詞とメロディを出しまくります。そこで作り溜めたのを、以前はライブでやりながら固めていたのが、今はDAWでアレンジして遊んでます。それがまた次の音源になっていくわけですね。

Q: スランプになることはありますか?

野口: 完全にスランプだったのは、去年ですね。アイディアが出てこないし、出て来ても自分で面白いものだと思えない。今聴くと、その時期に作った曲でも良いって思えるものはあるんですけど、その時はもう完全に枯渇したと思ってました。

 で、そんな中で今年入って、前述のユニットの件があって曲を作ろうと思ったら、突然できるようになったんです、無限に。あの時一人だったら、今こうしてやってないかも知れないですね。

Q: 曲を作る時は作詞と作曲はどちらが先ですか?機材がいろいろあるとビートから作ったりリフから作ったりとかいろいろありますが。

野口: 詞が先のことも、曲が先のこともあります。完全にどちらかが出来てからもう一方をつけることもありますが特に多いのは、ギター弾きながら雰囲気考えて、歌詞のもとになる言葉を埋めていって、言葉に鼻歌を乗せて、言葉をなおして、メロディをなおして...という感じで、一緒に作っていく方法ですかね。

Q: 作詞するときは何かツールを使ったりしますか?

野口: ツールっていうほどのものはあんまり無いですかねー。基本は思い浮かんだ言葉をそのままケータイのメモに打ち込んで、語感とか文字数とかもっと良いのを探したい時は、辞書とか類語辞典とか参照して。

Q: 曲を作るときに気をつけていることなどを教えてください。歌詞を書くときってケータイですか?人によってはペンとノートじゃなきゃうまくいかないみたいな人もいるみたいですが。

野口: あんまりこだわりは無いんですけど、私めちゃくちゃ忘れっぽくて。
だから、思い浮かんだことはすぐスマホのメモなりボイスレコーダーなりに残しています。

 あと、詞と曲を固めるところまでは、正味3日以上かけたこと無いと思います。これは、その時感じたことを残すという私のスタンスが影響していると思うんですけど。3日以上かけないようにしようとしているというより、それ以上かかると飽きちゃってどうでもよくなっちゃうんですよね...。そういう曲はボツになるか、全く別の曲として部品(詞の一部とか)だけ使うような場合もあります。

Q: 面白い。あまり曲作りの話をたくさんの人に聴いたわけではないですけど、早いと思います。特に歌詞って大変な作業だとみんな言いますけど、すごいです。

野口: 飽きっぽいだけかも知れないですけど。

Q: 曲作りの話、頼もしい話がいっぱい出てきていいですね。他人との協業がポジティブに影響するのって一人では味わえない音楽の醍醐味でもあります。これが自分のこだわりが強すぎて、自分の理想を他人の力を使って実現しようとするといろいろおかしくなっていくんですが、先の回答でもいただいていたように、ゴール設定を自由にしているからこそお互いの持ち味を発揮するみたいなところもあるのかもしれないですね。

野口: はい、誰かとやる時は基本、持ち味を出して欲しいからその人にお願いしているので、そこでの化学反応だったり、自分が勉強させてもらうことがあったりするのが、面白いなと思います。

Q: 歌詞に関して、曲に関して、自分が影響を受けたという作品を5個あげてくださいといったら答えられますか?音楽に限らなくてもいいです。

野口: 詞と曲を作るところで言うと、ダイレクトに作風に影響していそうなのは恐らくこの辺りかな、というのを挙げてみることにします。

・美しきボサノヴァのミューズ/Nara Leao
 高校の時ブラジル音楽をよく聴いていました。中でもこのアルバムはとても好きで。
 初期の曲は特にリズムやコードをボサノヴァに寄せたものが多いです。

・大貫妙子/One Fine Day
 大貫妙子さんは詞も曲も完全に大好きですね...。独特の美意識に憧れがあります。

・ランプ幻想/Lamp
 大学の頃知ったのですが、メロディやコードが美しいのが好きです。たまに参考にしています。

・Gilbert O'Sullivan/BACK TO FRONT
 子供のころ、物心つく前からなのでかなり朧げですが、たぶん母親の車で流れていたソフトロック的な音楽が、今も好きですね。
 その辺りで好きなものは挙げればキリがないですが、一番最初の記憶として残っているこのアルバムを挙げてみました。

・中島みゆき/あ・り・が・と・う
 一人でやるという時に、おそらく最初に意識しました。父親が中島みゆきさん好きなので、その影響です。初期の作品が特に好きで、とくにホームにてとか最高ですね。

ちなみに、ソロ以外のユニットでの活動は全く別のインプットでやってます。なので、上記はあくまでソロの活動に限って、と捉えていただければと思います。

Q: ありがとうございました。結構長いやりとりになってしまいましたので、締めに向かわないと終われないので締めに向かいます。最後になりましたが言い残していることはありますか?今後の予定やソロではないユニットの宣伝とかあれば是非。

野口: 予定はあんまりないですけど、すぐにまた何か作って出すと思うので、楽しみにしていてください。

 あ、あとsassya-もよろしくおねがいします、カッコイイので!

Q: 最後にすごく抽象的な質問を投げて終わりにしたいと思います。野口さんは自分の居場所はどこにあると思いますか?

野口: ひとの心の中だと思います。

アーティスト写真

Text by Akihito Mizutani (3LA -LongLegsLongArms Records-)

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在りし季節の遭逢 / 野口恵 (CD)
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3LA -LongLegsLongArms Records-
web: http://longlegslongarms.jp/
bandcamp: https://longlegslongarms.bandcamp.com/
instagram: instagram.com/3la_disc/
radio: mixcloud.com/LongLegsLongArms/

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野口恵 - 『在りし季節の遭逢』全曲弾き語り映像

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