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2000年代EU激情

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collected / Daitro歌詞対訳シートを公開します。 / ディスクレビュー

collected / Daitro歌詞対訳シートを公開します。 / ディスクレビュー

世界各地それぞれのローカルでの試行錯誤。それが激情ハードコアの真実。(こちらのURLから購入可能です)

対訳シートはPDFで下記よりダウンロードできます。

Daitroの後期編集盤、『Collected』のオリジナルリリースは2010年、今回2022年のリイシューではフランスのEcho Canyon、ドイツのAdagio830でそれぞれ300枚の共同リリース。入荷しているAdagio830のバ

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ディスクレビュー: Quien encuentra a la madre conoce a los hijos / Corea (CD)

ディスクレビュー: Quien encuentra a la madre conoce a los hijos / Corea (CD)

サブスク時代の性急な楽曲とは対極をいく、じわじわと曲を浸透させていくタイプ、2000年代スペインのCoreaも2000年代のディストロではよくみかけたような...もう記憶も曖昧になっていますが確かに存在したバンド、Coreの2007年作。ジャケットも意味不明というか全然音とのつながりが見えないんだけど、美しいポストロックインストで幕をあける1曲目から、いきなりダークなカオティックに落ちていく2曲目

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ディスクレビュー: Y / Daitro (LP)

ディスクレビュー: Y / Daitro (LP)

2000年代激情の名盤、最後まで個人を信じる彼らの表現は美しく儚いFrench Screamoの中でも2000年代を代表する存在、Daitroの2009年アルバム『Y』が2020年に再発! どうやら2000年代再評価の流れは止まりそうにない。だが当時の激情バンド達の扱いを思うとようやくその評価軸が定まったようにも思う。むしろDaitroの表現、Funeral Dinerの表現、そしてkillieの

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ディスクレビュー: 2012-2016 / Republic Of Dreams (CASSETTE)

ディスクレビュー: 2012-2016 / Republic Of Dreams (CASSETTE)

エモバイオレンスの混沌、Louise Cyphreの系譜を受け継いできた数少ないバンドの歴史React With Protestというレーベルがドイツのアンダーグラウンドシーン、特にエモバイオレンスのシーンの中で特別な意味をレーベルであることはマニアックスなファンの間の中でしか認識されていない。そしてレーベルのオーナーもまたRepublic Of Dreams、Resurrectionists、S

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ディスクレビュー: Perpetuum / Raein (LP)

ディスクレビュー: Perpetuum / Raein (LP)

 イタリア激情の生ける伝説Raeinによる2015年音源。メンバーがDIYで組み立てているシルバージャケット故に、メンバーの指紋が結構ついてしまっていますが仕様ということでお願いします。
 前作が出たのは既に4年前の2011年、その当時と同じ様に今回もオフィシャルサイトでは無料DL可能な形で音源が公開され、リスナーは好きな額を寄付(無料も可)できるというシステムを採用している。彼らはbandcam

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ディスクレビュー: Ogni Nuovo Inizio / Raein (CD)

ディスクレビュー: Ogni Nuovo Inizio / Raein (CD)

 イタリアの激情ハードコアでも最高峰ともいえるソングライティング力、演奏力を持ち、独特の存在感を放っているのがこのRaein。2002年より活動しており、La Quieteのメンバーも在籍している。東京のLhasaらとジャパンツアーも行っており、知名度はかなり高い。一時的に解散していたが本作で戦線に復帰。LP盤はCD盤と違うジャケットになっていて、このape must not kill are r

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ディスクレビュー: Sulla Linea D'Orizzonte Tra Questa Mia Vita E Quella Di Tutti / Raein (LP)

ディスクレビュー: Sulla Linea D'Orizzonte Tra Questa Mia Vita E Quella Di Tutti / Raein (LP)

イタリア激情シーンの大御所Raeinによる2011年音源。いまでは当たり前になっているネットでの投げ銭システムだけど、彼らはそれを当時に善意で成り立たせていた長く活動してきた中でDo It Yourselfとは何かを問いつめた結果の、セルフプロデュースの自主制作プレス、そして全曲フリーダウンロード配布、価格は聴き手が決めて投げ銭方式・・・という徹底したフリーマーケティングっぷりはシーンに衝撃を与え

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ディスクレビュー: Il N'y A Pas De Orchestre / Raein (LP)

ディスクレビュー: Il N'y A Pas De Orchestre / Raein (LP)

2000年代のScreamo/Skramzに流れる隠キャの精神性、社会への潜伏、そして音楽を信じるピュアネス 「隠キャ」と言ってもそれはSNSに何もかもさらけ出すやつらのことじゃない。2003年当時、もちろんSNSはまだ存在せずインターネットの情報は整備されていなかった。だからここに込められているのは社会にはさらけ出さない感情の話だ。USなエモバイオレンスからブルースを削ぎ落とし、より個人に焦点を

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