サンカク。

煙草と本が好きな社会不適合者。 かわいい猫と暮らしてます。

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今の自分は過去の自分の連なり

今の私は過去の私の連なりで。 過去があるからこそ今の私がある。 私は彼を憎んではいないと簡単に嘯ける。 私は私の過去の愚かな恋を憎んではいない。 私は私の過去に抱いた傷を悔やんではいない。 私は私の過去があるからこそ強くなれた。 私は私の過去を誇りにすら思う。 言うのはとても簡単。 でも、そんなのは全部詭弁だ。 あの頃、ああではなかったら私はもっと普通の所謂「幸せな女の子」になれたのではと思うことがいくつもある。人とは違うと感じて劣等感で消えてしまいたくなることもなか

    • 私という人間ができるまでのお話②

      続き。 小学三年生にあがる頃、私は父親のもとに引き取られた。その後すぐに母親は例の博士と結婚をした。 父親の家は少し前に住んでた頃とは随分変わっていた。同じ家なのに全然違う家に見えた。 母親と違い父親は私を着飾ることはしなかった。髪の毛は多少の女の子らしさを残してるといえばそう言えるような、ショートボブに切られ、与えられた服はすべてスポーツウェアだった。 最初、父親はある意味母親とは違い私達に熱心だった。父親は自分の好きなゴルフを私達に始めさせた。最初は楽しくて仕方が

      • iCloudという悪魔

        携帯回線を乗り換えた。 U30割というのがあったのでそれにした。 何だかよくわからないが1円でiPhoneSEの第二世代が買えると言われたので買った。 18か19そこらまでずっとiPhoneだったので、なんとなしに当時のアカウントでログインした。 これが良くなかった。 7年ぶりのiCloudは本当に良くない。 何度も何度も消そうとした動画を見つけてしまった。そして何故か未だに過去の何かが私の意思を妨げる。そして消せない。 なぜ消せないのだろう。 何故なんだろう。

        • 私という人間が出来るまでのお話

          私は中小企業の社長の父親と美人な母親のもとに生まれた。 田舎町の裕福な家庭。 その内実は、父親と母親は籍を入れていない事実婚状態だった。二人はもともと不倫関係だった。父親は母親と過ごした7年間のうちのほとんどを前妻と離婚をしきれずにいたそうだ。その前妻と離婚した後もなぜか籍は入れなかった。少し前に聞いた時、母親は「私は意地を張っていたの。離婚した後、彼は何も言わなかったから。私からは言いたくなかった。」と言った。 だからだろうか、私は父親を当時パパとは呼んでいなかった。

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        • 掬う過去
          2本

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          嫌な記憶は現実に侵食する

          人は皆そうだと思うが、嫌な記憶とは簡単には忘れない。ふとしたときに、その時の感情が胸に広がって、過ぎたことへの怒りや悲しみに支配される。 それがまたぶつける場所もないものだから困る。 私は傷を伴う情景を忘れられない。 想い人と行ったイラストレーターの展示会。 そこでたまたま出会った彼の友人に、彼は私を友人だと紹介した。私は愚かにもその時初めて自分の立場を理解した。彼が私とは手を繋がない理由も、あまり外へは遊びに行かない理由も、その時初めて理解したのだ。 前夜、彼はベッ

          嫌な記憶は現実に侵食する