聖なる日は、賛美歌を聞いてホビットの話に笑う
今日はクリスマス🎄
インドでもクリスマスを祝うが、
日本と違う部分もあるし、似ている部分もある。
まず、クリスチャンの皆さんは、
基本は実家に戻り、家族・親戚で集まってみんなで過ごす。
25日には教会に行く人も多い。
そして、他宗教の皆さんも、
自分の宗教のお祝いではない事はあまり気にせず(笑)、
やっぱり家族、友人たちで集まり、食事をしたり、パーティーしたり。
もちろんカップルで過ごす人たちもいる。が、「恋人たちのクリスマス」だけが前面に出ていないのが日本とは違っているところ。
インドでは25日は国民の祝日であることもあり(今年は残念ながら日曜日)、この前後で旅行や帰省を考える人は多く、また、そこまでしなくても、みんなで過ごすのが一般的だ。
私はクリスマスは結構嫌いだった。
そしてゴールデンウイークやお正月も。
なぜかと言うと、昔はアルバイトしながら家族3人(娘が生まれる前だった)の生計を立てていたので、
年末年始はアルバイトに行ける日数が減る
↓
当然給料も減る
↓
生活が苦しくなる
↓
自分たちは生活苦しそうなのに、周りは、家族・恋人で楽しそう
自分にも息子にもプレゼントを買ってあげたいけど余裕が無い
↓
単発のアルバイトを入れて、元夫に息子の面倒を見てもらっていたが、へとへとになって帰ってくると、ご飯を作れと言われたり、一緒にいてあげられずに息子がかわいそうになった。
・・・と、ぐるぐると自分のなかでどす黒い感情が渦巻いていて苦しかった思い出があるからだ。
そうは言っても、アルバイトで稼いでいたのも昔の話になり、子供たちも大きくなって手がかからなくなったので、その感情も大分薄らいできた。
今年のクリスマスは特に予定を入れていなかったが、元同僚が声をかけてくれたので、「どうせヒマだし、行ってみるか」と重い腰をあげていくことにした。彼が転職し、別の都市に引っ越しすることになっていたので、その前に会っておきたかったのもある。
教会はデリー中心の、Rajiv Chowk駅から、歩いて20分程のところにある。
天気も良いし、運動にもなるので、駅から歩いて行って来た。
時間に余裕をもって出たはずなのに、ぎりぎりになるインドの謎(笑)
駅を出たところで元同僚から電話がかかって来て、「ごめん今駅降りた」と言ったら、「ええ~」と言われたので、平謝り。ミサの開始は10:15なのだ。
ごめん。遅れます(笑)
Google Mapを頼りに歩き、そろそろと言う所で、「Church」の看板発見!
良かった、遅れたのは1分だけだった、と思って、元同僚にメッセージすると、
「いや、そこじゃなくて隣」と返信が来た。
あらら・・・3分の遅刻
メッセージをしたためか、元同僚は外に出て待っててくれた。
お陰でスムーズに中に入って、席を確保する事が出来た。
幸い、ミサは始まったばかりで、私が中に入った時は、クリスマスにちなんだ曲が生演奏で流れていた。
教会と言っても、皆さんが想像する様な、三角屋根のかわいらしい建物ではなく、ビルの一棟を教会として使っているので、ごく普通の建物だ。
大きくかわいらしいクリスマスリースが飾られたドアをくぐると、四角い部屋が現れ、大学の教室の様な長いベンチが階段状に並んでいる。前の方には牧師様の演説が見れる様にテレビが2台壁にかかっている。
0階(地上階)の前の方は四角く吹き抜けになっており、地下1階とつながっている。バンドは地下1階におり、ステージ以外は同じ様にベンチが並んでいる。
数曲終わった後で牧師様が登壇し、祈りをささげてから今日のお話をする。
2年程前、コロナが始まる前にも一度来ていて、同じ牧師様かどうかは分からなくなってしまったが、非常に聞き取りやすい英語を話し、どうやらロード・オブ・ザ・リングの大ファンの様だ。(懐かしい)
今日のお話もホビットたちのエピソードを挟みつつ、時々はくすりと笑えるジョークも交え、クリスマスのお話も忘れずにして、将来の為には、『今』こそが大事なのだと言う事を学んだ。
海外の人のスピーチを聞いていて思うのは、つまらない話をくどくどとする人は少なく、時々ユーモアを交えたり、エピソードを挟んだり、または、聴衆に問いかけて一方通行のスピーチに終わらせない。聞いているこちらを飽きさせずに、話の構成が上手なのだ。
しかし、お話は興味深く聞かせてもらったが、朝早く家を出て、20分程歩いていい運動をしたからか、最後の方は若干こっくりしてしまったことはナイショだ(笑)
お話の最後にもう一度祈りをささげると、再びバンドがいくつかの曲を披露してくれる。賛美歌で静かに聞いている曲と言うよりは、手拍子をしたり、みんな知っている歌なのか、一緒に歌うと言う感じだ。
私はキリスト教徒ではないし、敬虔さのかけらもないが、それでも教会に行って、ありがたいお話を聞いて、生の演奏を聞いているとなんだかじんわりとしてくる。
部屋の前にあるテレビには歌詞を映し出してくれるので、私でも歌の意味が理解できる様になっている。
宗教が発端となった争いは過去も今も数多くあるが、それぞれの宗教そのものは『人間の幸せ』を目指してできたものなんだよなあ、と少し残念な気持ちにもなりつつ、それでも生演奏を楽しませてもらった。
ちなみに、今日聞いた曲で一番好きだったのは『Go Tell It On The Mountain』と言う曲だ。この曲だけ、お話の前にも後にも演奏されたのだが、アレンジが違うとガラリと印象が違う。
以下は、YouTubeからだが、これに近いアレンジで、思わず嬉しく踊り出したくなる様な曲だった。
教会と言えど、運営資金は必要なので、色々な手法でお金を集める。
ミサの最後には小さな虫取り網(ただし、網はえんじ色のベルベット)の様なものが回され、ここに寄付をする。もちろん、前のテレビに映し出されているQRコードをスキャンして支払うのもOKだ。こちらは全く強制ではなく、払いたい人が払いたい分だけ払う。
そして、教会のTシャツも作成したと、牧師様はお話の前にアナウンス。想像だけど、売り上げは運営資金に充てるのだろうな、と思う。
また、教会の外では、暖かいチャイやコーヒー、モモ(インド版蒸し餃子)も売りに出されている。こちらはレストランが希望で出しているのか、それともバザー的な意味合いで、売り上げが運営資金に回るのかは不明だ。だが、今日ぐらい涼しい日だと、暖かい飲み物はありがたい。
そうやって、クリスマスの午前中を教会で過ごし、次の場所に向かったのだった。
(写真は、教会の前にいたネコさん。)
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