見出し画像

いい病院・医者はどこに?(その4):入院時の付き添い決定、やさしさの循環

気が付いたら12月も後半になり、あっという間にまたしても一年が過ぎ去ろうとしている。

毎日一生懸命に生きているつもりであるが、こうやって「気が付くとまた年末」みたいになっていると、自分は何もしてこなかった気持ちにかられてしまう。

そうならない様に今年は振り返りをしたいな、と思っている。



夏頃に発覚した卵巣脳腫だが(確認したら発覚したのが8月だった。。。)2つの病院で手術の方針を比較していた。

病院Aの提案は、卵巣嚢腫になっている方の卵巣と卵管を切除する
病院Bの提案は、再発を考慮し、両方の卵巣と卵管を切除する

「卵巣を両方切除する」事のインパクトについて、情報も心構えもなかったため、一度、自分の中でよく考えてから結論を出す事にした。

もう子供を産もうと思ってはいないが、両方の卵巣を切除するとホルモンの分泌がゼロになる=女性じゃなくなる様な気がした。

その後、友人の意見を聞いて、残しておく方のリスクが高いと判断し、卵巣と卵管だけではなく、子宮も含めて全てを切除してしまおうと決めた。ホルモンを分泌してくれないので、むしろ子宮の方が執着してまで残しておく理由がなかった。

よし、この方針で進めよう!

・・・と、思ったのだが、この後、引っ越しとか、出張が重なり、また候補になっている病院が保険でカバーされるのかが明確にならず、なんとなく伸び伸びになって、今、12月に至る。

この先延ばしの性格を何とかしたい笑



12月になった今でも、

別に痛いとか症状が出ている訳じゃないしさ・・・
息子の学費支払ってお金全然ないし・・・

と、またしても先延ばしにしてしまいたい気持ちは正直なところあったのだが、

いや、年内に手術して、すっきりして新年を迎えよう!

と、なぜか急に手術に向き合う気持ちが湧いてきたので、善は急げとばかり、まずは保険でカバーできる病院の再確認をし始めた。ここで手を止めるとまた先延ばしにしてしまう。

自分を追い込む方法を知っておくのも、先延ばしを防ぐためには大事な事かもしれない。



保険でカバーできるのであれば、以前診察に行った2つの病院のいづれかで手術をしたかった。保険会社のリストを調べるとどちらの病院もキャッシュレスで対応できるはずであったので、それぞれ問い合わせをした。

病院Aは、キャッシュレスの対応はできない。手術費の半額を支払い、退院後に返金手続きをする事になる、と言われた。
病院Bは、私の保険ではカバーできない、と言われた。

どっちもキャッシュレス対応のリストに載っているのにどういう事よ??

私はキレ気味に保険会社に問い合わせた。すると、病院Bはキャッシュレスで対応できるはずだと言い出して、再度確認したら、保険でカバーされる事が分かった。

私が持っている保険証が古かったのかもしれないが、全くインドはよく分からない国である。



次に病院Bに、再度予約を取って行く事にした。

子宮も含めて全てを切除しようと考えている事はメッセージでやり取りしていたが、手術の前にもう一度リスクも含めて話をしてから決めようと思ったからだ。

改めて「子宮も含めて全てを切除しようと考えているが、リスクはあるか?」と聞いたところ、「更年期障害の症状が(強く)出るかもしれないが、今は色々な方法でホルモン投与できるから、抑える事ができると思う。リスクと言うならそれぐらいしかない。」との答えであった。

子供が欲しいのに、もう希望が持てない

生殖器系の臓器を切除する時に考えうる項目はこれに尽きると思うが、幸運な私は血がつながった子供が二人いるので、もう充分だと思う。母親になる幸運を与えてくれた神か宇宙には感謝である。

全てを切除してしまう事を躊躇させる理由がないので、その方針で進める事にした。

年末年始は仕事も落ち着いてくるので休みも取りやすいため(営業先の企業の多くも休みに入ったり、担当者が一時帰国してしまう)、年末に手術をスケジュールした。

日本と違い、インドで全国的にお休みになるのは12月31日と1月1日だけなので、お医者さんも12月29日まで通常勤務だと言う。

入院は二泊三日になり、
前日:絶食開始
初日:手術
二日目:経過観察
三日目:検査して問題無ければ退院、というスケジュールだ。

病院を比較検討していた時、病院の保険担当とうまく連絡が取れなかった事も手術を決めるのを先延ばしにしてしまった原因なので、今回は病院を出る前に事前承認の申し込みも終わらせた。



病院を選び、
手術の方針も決めたし、
スケジュールも決定した。
保険の事前承認も申し込み済み。

手術の事前準備、最大の難関は、「付き添い人をお願いする事」だった。

他は問い合わせして、自分で決めればよい事だが、こちらは相手があって決まる事なので、ある意味最も難しい。

インドでは入院の時は付き添いが(経験上)必須だ。

手術中(意識なし)にAかBかを選択しなければならない場合に患者の意志を伝えたり、
動けない患者の代わりに受付に行って確認したり、
看護師、食事や掃除のスタッフとのやり取り等、
待ち時間に加え、やる事も幅広い。

しかも今回の場合は二泊三日と結構長い期間拘束される。

仕事していない友人はほとんどいないし(みんな三日もお休み取れない)、
病院スタッフとのやり取りを考えるとヒンディー語もできると尚良いし、
婦人科系の病気だから女性がいいと思うし(私はよくても相手が気にする)、
家族がいると三日も時間捻出できないよなあ・・・。

・・・と悶々と考えていたが、とにかく聞いてみない事には次に進めない。

散々一人で悩んだが、意を決して、私の勝手な第一候補に挙がっていた友人に「実は・・・」とお願いしてみると、

「いいよ~。いつ?」と、あっさりOKが出たので、こちらが逆に拍子抜けしてしまった。

「えええ??三日間ですよ??本気?」と失礼にも聞いてしまったくらいだった笑

友人は「困った時はお互い様ですから。」と言って引き受けてくれた。

この友人はインドに20年もいる女性で、ヒンディー語もペラペラなので、「引き受けてくれたら最高なんだけどなあ・・・」と思ってたら、なんとOKしてもらえた。

何かお礼をしたかったが、なんとなく友人はそんなものを望んでいない様な気がしたので、私ができる時は他の人の助けになる事を友人にも誓った。

周りの人に助けられて、生かされている事に心から感謝したくなった。

私が受けたやさしさは、また他の誰かに渡してあげたいし、
そのやさしさが、またさらに他の誰かに届けばいい。

やさしさの循環



これで今年中に手術も終えて、すっきりして新しい年を迎えようと思っていたが、数日後、「ごめ~ん。。。ちょっと家族旅行に行く事になって。。。」と手術日は1月の初旬に変更になったのは、後日の笑い話である。

付き添いはしてもらえるし、入院中に猫の様子も見に行ってくれると言う。日程はちょっとずれたけど最高じゃないか。

来月こそ手術を終えて、2024年の素晴らしいスタートを切ろうと思う。



「あれ?」と思ったきっかけ。

一つ目の病院。ほったらかしにされてムカついた。

二つ目のクリニック。友人から紹介してもらったお医者さん。

手術する事が決定。手術する病院を決めるために、セカンドオピニオンを取る。


サポートいただけた場合は、「子供が売られない世界をつくる」を掲げてインドでも活動をしている、かものはしプロジェクトに寄付します。