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一時帰国:節約もバランスが大事

今年の8月は日本に一時帰国をしており、久しぶりの日本を堪能した。

8月の始めに日本に到着し、成田(妹の家)→弘前(実家)→札幌(友人の所)→成田(妹の家)と移動して、8月最終週の数日は、日本のオフィスに顔を出す予定であったので、東京にいる元夫と娘の部屋に泊まる事にしていた。

娘もあと数日でアメリカに出発予定であったので、少しだけでも一緒に過ごしたいと思った。(私が知らないうちに、アメリカの学校に転校することが決まっていた。。。)

今回でかわいい甥っ子姪っ子ともしばらくお別れになるが、次に会う時までにどのくらい大きく成長しているだろうか。楽しみである。妹にも幸せになってもらいたいと思う。



元夫と娘は江東区に住んでおり、都営新宿線の西大島が最寄り駅だ。京成成田から出発し、京成本八幡で都営新宿線に乗り換える。住んでいたのは8年も前だが、ルートは記憶にあるので問題無く移動はできた。

問題だったのは、乗り換えだけだった。電気屋さんのお店の中を突っ切っていくとは思わなかった。(迷った。。)



2年前に息子も日本に行った後、しばらくこの部屋に住んでいた。

息子は「狭いし、電話している内容を聞かれていて嫌だ」と言い、夜に近くの公園でよく電話していた。元夫は「電話ぐらい部屋ですればいい」と機嫌が悪くなり、いつもケンカになった。

また、「狭すぎて勉強できる状態じゃない」「プライバシーが無さ過ぎる」と、ケンカになり、結果、浅草のアパートに移ることになった。(もちろん自立できていない以上、息子には文句言う権利はないことは伝えた。)

そんな経緯があったので、一体どのような部屋なのだろうと思っていた。



西大島の駅に着くと、元夫と娘が迎えに来てくれていた。雨が降ったので傘を持って来てくれたそうだが、幸い、私が駅に着いた時には小雨になっていた。

そこから、歩くこと約20分。(遠かった。。。)

北砂のアリオの交差点を曲がり、小さな路地に入って5分程行ったところにある、一軒家の前で止まった。

「ここがうちだよ」と、元夫は言った。

正面の玄関から入るのかと思いきや、家の左脇の方に入って行く。脇に入ってすぐにドアがあるが、そこを通りすぎ、一番奥のゴミ置き場の手前にあるドアの前で止まった。どうやらここが部屋らしい。

ドアを開けて中を見たが、暗くて見えなかった。

先に中に入った娘が電気をつけてくれたので、やっと中の様子が見えた。



畳を縦に2x4で並べたような細長い部屋だった。一軒家の一部を壁で仕切り、外の壁にドアをつけて、賃貸として貸し出しているのだそうだ。(ちなみにこの様な部屋がもう一つある)

かなり段差のある狭い玄関。玄関のすぐ左脇にある冷蔵庫とその奥には一口のガスコンロ。冷蔵庫の前には小さなダイニングテーブルと2脚の椅子。小さなダイニングテーブルには、半分近くのスペースを、電子レンジがでんと占拠していた。

ダイニングテーブルに背中合わせになるように、折り畳みのデスクと椅子が2脚づつ玄関の正面にある。そのうちの一つは背もたれが無い。

デスクのすぐ奥がトイレとお風呂らしい。

その奥にマットレスが2つあり、一つは普段は折りたたんでソファ状にしている様だった。部屋の奥の方にはスーツケースや私が書類が入っている段ボールなどが積んであった。

狭い。。。。



元夫が住んでいるところにしばらくいさせてもらうのだから、文句を行くべきではないのだが、さすがにがっかりしてしまった。

問題は狭さだけではなく、汚さである。

元夫はキレイ好きを自称しているのだが、特定の箇所以外は見えないのか、きれいにしようとしない。トイレの床は髪の毛や髭が落ちていたし、日本は湿気が多いので、シャワーカーテンや窓枠部分にはカビが生えていた。(換気扇も壊れているのかと思う程、動かないので、カビがますます繁殖しているっぽい。)

トイレとお風呂の電球は切れているらしく、充電式の電気を使っているのだが、烏の行水の私でも、シャワーが終わる前にバッテリーが切れて、何度も真っ暗な中でシャワーすることになった。

汚い。。。



部屋のサイズとしては一人で期間限定(100万円貯金するまで、とか)ならばまあいいが、3人、しかも一人は大人同然の息子もいるのなら、ちょっと無理があった。

最低限のプライバシーや一人になれるスペースは欲しい。

8畳一間で、仕切りも何もない状態なので、公園で電話したい気持ちも分かるし(しかも元夫は聞き耳立てて聞いているし・・・)、デスクは低くて小さく、椅子は固くて背もたれが無いので、2時間も座っているとおしりや腰が痛くなってしまった。

その上、唯一一人になれるスペースのトイレとお風呂はカビが生えており、とてもじゃないが、落ち着いて過ごせる場所ではない。お風呂は、身長150センチの私でも体をよじらないとシャワーできないぐらい小さく、なぜか斜めの湯舟であった。

部屋の評価については息子に同意せざるを得なかった。息子に「部屋を見たよ。これはすごいね。」とメッセージすると、「ひどいよ」と返ってきた。

否定はできなかった。



さて、ここまで散々文句は言ったが、元夫が借りている部屋に無料で泊めてもらうのだから、感謝はしているし、最低限の礼儀はわきまえている。

トイレのカビや髪の毛に内心(ひいい~。。。)と青ざめながらも、部屋の批評や元夫への文句は言わなかった。(自分で可能な限りは掃除もした)

ただ、次の日からホテルに移ろうかと思って、検索してしまったことはここで白状する。(結局やめたのだが)



「息子は贅沢ばかり言うけど、お金は節約しないといけないんだ。ここのいいところが分からないんだ。」と、元夫は贅沢にお金を使わない事が良い事だと主張するのだが、こればかりはバランスが大事な気もする。

江東区で月5万円の家賃は確かに安い。しかし、探せば、自分が心地よく健康に過ごせて、納得いく家賃の部屋があったのじゃないだろうかと思う。

節約も大事だが、健康を壊してしまっては元も子も無い。この古さ(安全性も心配)と清潔さでは、健康にも害がありそうだ。

何より、家に戻った時に、「心地よい」と思えないのならば、その節約は成功しているとは言えない。

これからの数日間、せめて、娘がアメリカに出発する週末までは、文句は言わず、もめごとは起こさない様にして、心地よく送り出してやろうと心に決めて、マットレスに横になったのだった。

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