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帰国はしたが、未だに入社できずニート生活

前回のnoteでも書いた通り、2月21日に無事にインドに帰国した。

この一時帰国は、次の会社に入社するためのビザを取得するためだったので、ビザが発行されてインドに戻ったらすぐにでも入社できるのだとホクホクしていた。

ところが、ビザが発行された事を人事担当者に報告し、インドに帰国次第入社したいと告げると、

「ビザは発行されたから、じゃあ後はFRRO Registrationだけね。後で書類を送るから。」と言われ、びっくりするほど早く書類を送ってきた。

この人事担当者は規定の仕事の処理(だけ)は非常に早い。

それを聞きながら、FRRO Registrationって何のことだっけ??、と頭の中で考えていた。


FRRO Registration

FRROとは「Foreigner Regional Registration Office」の略で、外国人登録と呼ばれるらしい。(今まで「入国管理局」と訳してました。スイマセン。)

FRRO Registrationなので、つまり「外国人登録」の手続きの事を指す。

インド人の配偶者や血のつながった子供などはOCI(Overseas Citizen of India=インドの永住権みたいなもの)となる事ができ、その場合はFRROでいちいち登録するは必要ない。

私も離婚が決定するまではこれだった。

離婚の結果として「外国人」となった今、このFRRO Registrationが必要な事は知っていたが、これが「入社前の必須条件」である事は知らなかった。

この手続きは、「インド入国後14日以内に」対応する必要があり、オンラインで手続きできる様になった今も、「手続き中は申請者はインド国内にいる」必要がある。

つまり、インドに入国後、慌ててこの手続きを開始しなければならないのだ。

手続きの具体的な内容はこれから確認するが、「入国後14日以内」が長いのか短いのかがまだ分からない。



そんなワケで、2月末日の今日、未だに会社に入社できずにニートの様な生活を続けている。

FRRO Registrationの手続きは、FRROのサイトで申請をして、必要書類をアップロードした後、問題無ければそれで完了する様だ。基本的にはオンラインで手続きが完結する。

コロナによる強制的な働き方改革のためか、悪評高いFRROも一部の手続きは完全オンラインにしたらしい。

「せっかくFRROに行ったのに、一日中待ってて終わった」
「何度も書類の訂正を求められる」
「行くたびに違う事を言われる」

など、色々と恐ろしい噂を聞いたことはあるが、幸いな事に、私は一度もそのような経験はない。

今回もその自分の運の良さに賭けたい。



インド入国後2日目(水曜日):FRRO Registrationに必要な書類

さて、FRRO Registrationに必要な書類は以下の通りだ。

  1. パスポートサイズの写真

  2. パスポート&ビザ(インド入国のスタンプページも一緒に)

  3. Undertaking(雇用先の会社が発行する。この外国人がインドにいる間、責任持ちます、と言う宣誓書)

  4. Resident proof(インド入国直後はホテル住まいの人もいるので、居住地の確認)

  5. Tenant Verification(申請者のバックグラウンドチェックの様な者。管轄地の警察が承認しなければならない)

昨年の12月から、OCIのキャンセル、日本大使館での離婚届け、出国許可などの数々の手続きをこなしてきた私には、既に写真やID関係のデータは一通り用意してあった。なので、上記、1、2は問題なし。

Undertakingは会社に発行してもらわなければならず、他者依存性があるが、既にもらっていた。上記、3も準備済み。

Resident proofは、色々書いてあるが、私の場合は賃貸借契約書でいいはず。前回の更新時に、危なく追い出されそうになっているので、できれば大家とあれこれやり取りはしたくない。
多少の不安はあるが、上記、4も準備済み。

なので、最後に必要なのはTenant Verification(上記5)だけだった。


インド入国後2日目(水曜日):Tenant Verificationとは?

このTenant Verificationは、部屋/家を貸している大家が、入居者に対して警察を介して行う、バックグラウンドチェックの様なもので、大家側の安全面を考慮して行われることが多そうだ。

この書類は「警察が承認する」と書いてあるので、帰国後すぐに友人に付き添ってもらい最寄りの警察署を訪問した。

一人で行けない事もないが、インドの警察署の多くは英語ではなく地元言語の方が意思疎通に齟齬が無いし、男の人がいる方がスムーズに進む事が多いからだ。悔しいけど笑

訪問して聞いてみると、その書類を発行する警察署はここではなく、離れたところにあると言う。パスポート(とビザ)と写真、賃貸契約書を持って行けばいい、との事だった。

友人が事前に調べてくれていたのか、オンラインフォームがあったので、それについて聞いてみたが、その警察官は分からないらしく、管轄の警察署に行った方がいい、との事だった。

そこで一度家に戻って、二人でオンラインフォームの入力をしてみたが、細かい点がよく分からないし、「提出」ボタンをクリックしても何も起こらない。

オンラインで申請が完了するのか?
これを印刷して持って行けばいいのか?
そもそも申請書が作成できている?

段々分からなくなってきて、二人で頭を抱えた。

すると友人は、「そうだ、ここの不動産屋に聞いてみよう」と言い出した。


インド入国後2日目(水曜日):Tenant Verificationの発行を不動産屋に依頼する

私が住んでいる団地は、21階建てのタワーが15棟ある大きめサイズなので、敷地内に専用の不動産がある。1年半前に入居した時にお世話になった人に電話をかけてみると、

「できるよ。1000ルピーかな」と、あっさり返ってきた。

FRRO Registrationに使うのだと言うと、「う~ん。それに使えるかどうかは聞いてみないと分からない。また連絡する。」と言って電話を切った。

普通とFRRO用の違いがイマイチ分からないが、できないって事はないだろう。警察などのお役所が絡んでくる場合は、お金を払ってもできるヤツにお願いするのがいい。

インドはコネの国だ。権限のある人物にコネがある、ルートを知っているかどうかで、結果の速さが全然違う。不動産屋さんの返事を待って、インド入国後2日目(水曜日)は終わった。



インド入国後3日目(木曜日):Tenant Verification発行に必要な書類を共有する

結局折り返しの返事が無かったので、こちらから何度か連絡を取ったが、忙しいのか連絡がつかない。

FRRO Registrationには期限がある。

今日進捗があればこのまま不動産屋にお願いし、もしもできないor返事が無くor何も進まない場合は、明日、担当の警察署に行こうと決めた。

なんでもすぐに心配になる私には、「こうなった時は、A。ダメだったら、B。」の様に、どのタイミングでどうするかを決めておくと、ヤキモキする事が減るので、困った時はそのように整理する様にしている。

その日の夜になってやっと「対応できるから書類を送って。」と連絡があり、待ち構えていた私は速攻で書類を送り、返事を待った。



インド入国後4日目(金曜日):Tenant Verification発行手数料を払う

前の日に書類を送ったのに返信が全くないので、気になっていた。

送った書類で十分なのか?
費用はいつ払えばいいのか?
いつぐらいに書類はもらえるのか?

この辺を知りたいのだが、状況が分からない。

午前中に用事があったので、下の不動産屋のオフィスに寄ってみたが、外出中だった。オフィスにいた若い男の子に「対応を進めて欲しいし、支払いが必要ならすぐに払うから。」と伝言をお願いしておいた。

夕方近くになってやっと「申請するから払って」と連絡があった。
FRRO用は普通のより少し高くて1500ルピー。何が違うのか、やはり気になるところだ。(恐らく警察のスタンプと署名では、と思う。)

書類はいつもらえるのかを聞いたところ、「明日の朝には」と言う。

え、そんな早くにもらえるの?

ちょっと意外だったが、実際に明日に書類が発行されると助かる。
不安と期待半々で待つことにした。



インド入国後5日目(土曜日):書類はもらったが、間違いが・・・。

朝起きた時には、既に不動産屋から書類が(PDFで)届いていた。

ん・・・?これが書類なの?それとも控え??

書類には確かにスタンプとサインがあるが、書類の上の方には「G Mail」と入っていて、ただのメールにしか見えない。

しばらく寝ぼけた頭で考えつつ、各項目を調べていると、なんと父親の名前のところに元夫の名前が書いてある。

おい~。。。これは父親の名前じゃないって分かるよね???

そう思ったが、インド人に「分かって当然」は通じない。これがその書類なのかどうか、そして、父親の名前が間違っている事を告げると、既読にはなるが、返事が返ってこない。

1、2度リマインドのメッセージをしたが、その日は返事は来ないままになった。



インド入国後6日目(日曜日):リマインドするも音沙汰なし

昨日は返事が来なかったので、再度リマインド。

「何か進捗はある?父の名前は修正してくれた?」と聞くと、
「明日の朝にはできる」とだけ返事が返ってきたが、土曜日と同じでその後はまた返事は来なくなってしまった。

父親の名前がちゃんと修正されているのかがイマイチ心配だ。

まあいい、どうしても間に合わなければ、土曜日にもらった書類で一度申請しよう。指摘があったら、正しい書類を用意して対応すればよい。

インドにいるうちに、ずいぶん柔軟になったものだと、我ながら感心するのだった。



インド入国後7日目(月曜日):Tenant Verificationを無事に入手

不動産屋が、「明日の朝にはできる」と言うので、午前中は彼から連絡があるまで待ったが、お昼過ぎても音沙汰がないので、メッセージしてみた。

すると、何も言わず書類が送られて来た。多分、既に手元にあったのに送るのを忘れていたんじゃないだろうか。

書類を見ると、土曜日にもらったものと同じ書式だった。どうやらこれが書類で、控えではないらしい。

父親の名前のところを見ると、なんとちゃんと修正されている。

期待しないで過ごしていると、小さな事にいちいち喜べるので、幸せになれると思う。その点ではインドは非常にお勧めな国だと言える(笑)

これで書類はそろった。

不動産屋にお礼を言い、すぐにFRROのサイトを開く。インド入国後2日目(水曜日)に既に申請の準備はしてあったので、必要情報は入力が済んでおり、後は書類をアップロードするだけになっていた。

改めて書類を再確認して、「Submit」ボタンをクリックする。

ふう~。。とりあえず、私が対応するべき事は終わった。



インド入国後、申請完了(登録完了ではない)まで7日かかった。
これは、元々自分名義で借りている部屋があって、友人や不動産屋などが協力してくれたから7日で済んだと思う。

会社が全て対応する場合はこれよりもっと早く終わると思うし、
運が悪ければ、14日で終われないかもしれない。

インドは一言で言い表せない国なのだ。



この後は、申請結果が問題無ければ、FRRO Registrationは完了。入社日を決定して入社。

もし、修正や追加の書類を求められれば、その対応が終わってからの入社となる。

さあ、申請結果が出るまで何日かかるか?
そして、問題なく登録は完了するだろうか?

ドキドキしながら結果を待つ事になった。

サポートいただけた場合は、「子供が売られない世界をつくる」を掲げてインドでも活動をしている、かものはしプロジェクトに寄付します。