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『いちにのさんぽ』

歌絵本ではないけれど、まるで歌う様に楽しめる絵本がこちら。

いちに いちに
いちにの さんぽ
さんぽ ぽくぽく
いい きもち
『いちにのさんぼ』アリス館

思わず体が揺れてしまうリズム感は、子ども達も大好きです。

散歩をしながら出会うのは、ありさん、いぬさん、くまさん、きょうりゅうさん。
小さなものから大きなものへ、少しずつ対象が大きくなっていきます。
最初から大きなものにチャレンジするのではなく、スモールステップで一歩ずつ。
新しい世界を探索する子ども達にとって、このスモールステップはとても心地いいものになります。

絵本をめくるとわかりますが、場面が常に一定なのも小さな子ども達にとって優しい構成。

まずは足元から、徐々に世界が広がっていく様は、小さな人達の目線そのものです。
大人もゆっくり絵を見ながら絵本をめくることで、子ども達の視線そのものを楽しめます。

大人の楽しい!面白い!と感じるものと、子どものそれとはまた少し違う。
大人は経験があるから様々な楽しさを感じることができますが、まだ経験の浅い子ども達にとっては、目の前の小さなありさんですら、ワクワクの対象になります。

大人はもう忘れてしまっているその視点を、絵本を楽しむことで、少しだけ思い出せる。

子ども達と歌う様に楽しみながら、大人のわたしも童心に帰らせてくれる一冊です。

『いちにのさんぽ』
ひろかわさえこ 作
アリス館 1999/03

同じシリーズに、『あめぽったん』『おふろにおいで』もあります。
同じくリズム感のいい、楽しい絵本達です。

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