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『ちびゴリラのちびちび』

大きくなるってとても嬉しく誇らしいこと。
でも、成長するに従って、無条件で可愛がられ守られていた頃とはまた変わってきます。

少しずつ言葉を覚え、自我が芽生えてくると、これまでとは違った大変さが子育ての中にも生じてきます。
つい怒ってしまうこと、うまくいかないこと、わたしも幾度となく経験してきました。

自我が芽生えることも、自己主張が激しくなってくることも、全て子の成長の証。
本当なら手放しで喜んで受け止めてあげたいけれど、実際の生活の中ではなかなか難しいことも多いですよね。

そんな時は、絵本の力に頼って欲しい。
この絵本には、ただただそのままのあなたが大好きだという愛情が、目一杯詰まっています。

はじまりは、こんな言葉から。

ちいさな かわいいゴリラが いました。
みんな ちびちびが だいすきでした。
『ちびゴリラのちびちび』ほるぷ出版

ちびちびがちょこんと描かれているページは、このちいさなゴリラに愛しさを覚えます。

そして最後のページは、こんな一言で終わります。

みんなは いまでも ちびちびが だいすきです。
『ちびゴリラのちびちび』ほるぷ出版

ページいっぱいを使って描かれている大きな立派なちびちび。
最初の守ってあげたくなる小さな愛らしさとはまた違うちびちびですが、変わらない大きな愛に包まれていることがその表情で見て取れます。

小さなあなたも、大きくなったあなたも、ずっと変わらず大好きだよ。
シンプルだけれどとても大切なメッセージが、この絵本には込められています。

少しずつ言葉を用いてコミュニケーションが取れる様になったら、こんな風に言葉で伝える愛情も意識してみて欲しいと思います。

普段の暮らしの中ではなかなか伝えられなくても、絵本を通して沢山の「大好き」を伝えられる。
そこが、絵本の魅力のひとつだと思います。

子ども達は、日々成長しています。
身体も心も少しずつ育っている。

小さくて丸っこい手のひらが、気付けばわたしと変わらない大きさになっている。
あのふわふわの手をぎゅっと握っていた時も、つなぐ事すらなくなった今も、大好きの気持ちは変わらない。

愛されている証のような一冊。何歳になってもこの絵本に描かれる愛情は、伝わり続けると思います。

『ちびゴリラのちびちび』
ルース・ボーンスタイン 作
岩田みみ 訳
ほるぷ出版 1978/08


ちびちびのお誕生日をお祝いするストーリーなので、お誕生日のプレゼントにもオススメ。
ちびちびは何歳になったのかな?
答えは、絵本の中にちゃんと描かれています。
子ども達は絵をよく見ているので、ちびちびの年齢に気付くのも子ども達の方が早かったりします。

大人の方も是非、絵を読んでみてくださいね。

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