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信用が第一ということを学んだ話し

日曜フリースタイル 昔に経験したクレーム対応の話

目下、連載中の整理回収機構シリーズで頻繁に今後出てくる
母親が指示したクレーム対応のお話しです。

商売人としての誠実さは母親には大いに習った気がします。

とある日曜のお昼過ぎだったと思います。

通販のフリーダイヤルに一つのクレーム電話が入ります。

内容はその日の午前中指定で到着予定の荷物がまだ届かないとのこと。

オペレーターのスタッフが荷物を調べたところ痛恨のミスが発覚します。

伝票の発行ミスでそのお荷物が当店を出ていないことを確認しました。

その旨をお客様にお伝えすると大激怒!

その日の夕方に客人にお渡ししようと万全を期しての
午前指定だったのにどうしてくれるんだ!とのこと。

その時、私は所用で事務所に詰めておらず、

母親がオペレーターに代わり対応。

必ず夕方までにお届けにあがりますと約束。

そんなやり取りがあったとは知らない私の携帯が鳴ります。

「いまどこ?」

声の主は母親。

「○○やけど。」

と、私。

「至急帰ってきて。それと家でスーツに着替えて。」

と必要最小限のコマンドを入力。

これは只事ではないなとの思いを胸に
ドヨーンした気持ちで事務所に入ると、

いまから東京に行け!とのこと。

「お母さん、展開が早すぎますって。。。」

お客様から聞いた住所、電話番号の書いたメモと
ご注文されていた豚まん20個に加えて、
お詫びの品で追加の豚まん10個。

東京に着いたら四の五の言わないでタクシーに乗れ
との指示で、そのタクシーの運ちゃんへの謝礼の
豚まん5個も渡されました。

もうマリオネットのように操られ、
荒田の工場から母のお抱えタクシーに
背中を押されれるように乗り込まされ新神戸駅へ。

一番早いのぞみに乗車して、いざ東京へ。

東京駅に着くと指示された通りにタクシーに乗り込み、
住所のメモを見せて事情を説明し、
最短で行ってくれるようお願い。

約15分ほどでお客様のマンション下に到着。

そこからお客様に電話を入れて、
お客様のお部屋に向かいました。

私としては、3時間かけて新幹線に乗ってまで届けた豚まん20個
(当時2600円)にいたく感動されるシーンを想像していました。

お客様宅のインターホンを鳴らし、ドアが開く、
と思いきやチェーンロックを装着のままの半開き(笑)

約25センチの隙間から豚まんを受け渡し、
今回の非礼を深くお詫びしました。
#めちゃシュール

「あぁ。はいはい。どうも。」

と簡素な対応でガチャとドアを閉められました。

むっちゃリアル。これが現実かぁ。

表現は難しいのですが、
大袈裟に迎えられるよりなんか感動してる自分がいました。

お客様からしたら当然の権利ですからね。

それをここまでしたったと思うのはこちら側のエゴでしかありません。

でも、ちゃんと荷物を届けたという実績が何より大切です。

これが信用というものです。

2600円の商品に対して新神戸-東京往復運賃。

そろばんを弾いたら決して出来ないことを
やらせていただいたことはその後の私の糧になったことは
間違いありません。

東京滞在40分。若き日の貴重な体験でした。

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