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移住者による、移住者に選ばれるまちへの挑戦

2022年12月1日から、広島県三原市の地域おこし協力隊として活動しています。坂江です。

協力隊でのミッションは2つ。瀬戸内海に面し、離島や中山間地域を含む三原市において、人口減少や高齢化による地域の担い手不足の課題解決のため、①移住定住の促進と、②関係人口の創出を行うこと。
そしてこれらを行いつつ、課題解決以外のテーマとして、協力隊の任期満了後の独立に向けた活動を行います。

これから三原市の移住定住施策などに関わる活動をしますが、そもそも、僕自身が移住者となることを決めた経緯についてまずはお話しさせてください。


東京の会社に就職が決まった学生時代の終わり頃から、30くらいには東京を出て地方で暮らすことを考えていました。

当時、友人たちと同じくサラリーマンになることを選び、それならば将来のキャリア選択の幅を広げつつ、なにか面白い仕事がないかと、まずは東京の会社で働きたいと単純に考えて上京しました。その一方、東京での生活が気に入ることもあるかもしれないし、昔から好きだった自然の中での遊びも続けられるのであれば、東京で働き続ける選択肢もできるかもしれないな、と漠然と期待していたところもあったと思います。

ですが、通勤の満員電車に揺られ、週末の渋滞にはまるうちに、社会人となり数年を過ぎたころには、そんな漠然とした期待はすっかりなくなっていました。

そして今年になりあらためて、地方暮らしを実現するため移住しようと思い至ります。

三原市に移住したわけ

広島県に初めて訪れたのは10年ほど前、学生ボランティアの活動で広島県内の団体を訪ねたときでした。その交流を通じて、こちらには温和な人達の多いことを感じ、せとうちの温暖な気候や、高台から見下ろした瀬戸内海に浮かぶ島並みの景色が好きになり、いつか広島に住んでみたいな、と憧れるようになりました。

東京の会社を辞めて次の住処を探していたとき、10年前の記憶をたどり、広島を中心とした瀬戸内海に面する地域を見て回りました。あらためて訪れた広島には、どの地域にも違った良さがありましたが、最終的に三原市に移住することを決めます。
良かった点(や気になる点)をずらっと挙げることもできますが、決定的な要素は大きく2つあり、1つ目は里海と里山の自然で遊びやすい環境があり、地方暮らしでイメージしていた車や船を使った生活が実現できるイメージがわいたこと。2つ目は市内にある広島空港や新幹線が使えるため、東京やその他都市へのアクセスが良かったことでした。

地域おこし協力隊という立場を選んだわけ

東京を出ることを決めた当初、移住をするからにはその地域で外貨を稼ぎ、地域が活性化するような仕事をしたいという思いから、まちづくりなど地域活性化に関わる仕事に就くか、あるいは地域で独立して何かしら商売をする方向で身の振り方を考えていました。
一方で、独立を考える場合には、住んだことのない地で新しく何かを起こすことのハードルの高さも気にかかっていました。

そうした中、三原市の情報を調べている中で、移住定住の促進と関係人口の創出をテーマとした、地域おこし協力隊を募集していることを知ります。

三原市では持続可能なまちづくりを目指し、2020年3月に第2期三原市まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定しました。(https://www.city.mihara.hiroshima.jp/soshiki/6/sougousenryaku.html
「選ばれるまちへの挑戦」を基本目標のひとつとして(僕自身も、この中で掲げられた施策により協力隊となったわけですが)、情報発信や企画の実施、窓口体制を整備するといった施策によって、三原市は2024年度に135 人の関係人口を新たに創出することなどを本目標のKPIとしています。

こうしたテーマがある中、地方創生・マーケティングの観点で移住定住の促進と関係人口の創出を行う事業内容にも興味が湧きましたが、それ以上に、協力隊としての立場で活動することで、移住の初期から地域の行政や企業・団体と幅広く協力して動くことができる=地域の関係者の中にスムーズに入っていけることが移住者となる身として最大のメリットに映り、そうした理由で三原市の地域おこし協力隊として地域に入ることを決めました。

以上が移住者となるまでの経緯です。


今月になり本格的に活動を開始してから、地域の行政や企業の方とも一緒に動き、現在市が取り組んでいる移住関連の事業やワーケーション事業の立ち上げなどにさっそく関わらせていただいています。
また、協力隊の着任のときにはローカルのテレビや新聞で取り上げてもらい、おかげさまで、「新聞見たよ、頑張ってね」と近所の方にも声をかけてもらったりし、身近な暮らしの周りでも地域の方に期待をもって受け入れてもらえていることが伝わってきます。地域の皆さまに感謝。

結果としてずいぶんと遠回りをしましたが、今となっては、漠然と東京で面白い仕事ができないかと外に期待していた学生時代の僕に、自分次第で地方でも面白い仕事ができるよ、と今の僕が伝えてあげられれば良いのになと考える時もあります。
しかし、これからは新しい仕事を通じて地域をしっかりと盛り上げていきたい。これから地元の学校を出た若い人たちが、地域で働きたいと思える面白い仕事があるような未来をつくっていきたいと思っています。

ようやく移住できたところですが、これからは僕自身が地域おこし協力隊として、移住を考えている人たちや、まだ三原を知らない人たちに向けて発信をし、地域の良いところをつくっていくことを通じて、「選ばれるまちへの挑戦」をしていく番となりました。
地域の皆さまに頼るところ多々あるだろうとは思いますが、これから精一杯取り組んでいきますのでよろしくお願いします。

筆影山から望む三原市の離島、佐木島と小佐木島(中央)

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