見出し画像

スカイリムプレイ日記~狩人ちゃん~ #49

こちらの続きです

『オラフ王の焚刑祭』


ソリチュード

  ウィンターホールドからソリチュードへと帰り、ドルテにお土産としてドワーフのダガーを渡すと、「とってもきれい!ありがとう、ママ!」と、とても喜んでくれました。普段寂しい思いをさせているので、次の旅へ出るまではしばらくソリチュードでゆっくり過ごすつもりであることを伝えると、嬉しそうにたくさんお話してくれました。

「私、吟遊詩人になれると思う?歌うのは大好きよ」
「もちろん、ドルテは何にでもなれるよ」
「やったぁ。吟遊詩人の学校に入ったら、フルートも吹けるようになるかしら!」

吟遊詩人かぁ

 ソリチュードには吟遊詩人の大学があります。将来的にドルテがそこに入学を希望した場合…果たしてどういった学校なのか、事前に知っておかねばなりますまい。

 というわけで、自分で体験してみることにしました。

ここが吟遊詩人の大学!

 校内へ足を踏み入れると、ハイエルフの男性が歓迎してくれました。
「未来の吟遊詩人に出会うのは嬉しいことだ」
 男性は自身を校長のヴィアルモであると名乗り、入学志望者は大勢いることと、それらがほとんど受け入れられないことをさらりと伝えてきました。
「入学の条件はなんですか?」
「大学は志願者に対し、達成すべき任務を与える。今回は吟遊詩人に適した任務があるのだが…やるかね?」
「何をすればいいのですか?」
「よろしい。吟遊詩人の大学が催す『オラフ王の焚刑』という祭を、エリシフは禁じた。彼女の考えを変えさせねばならない」

オラフ王の焚刑?

 町の商人に聞いたことがあります。エリシフ首長が、毎年行われていた『オラフ王の焚刑』という祭りを廃止したことで、売り上げも落ちてしまっているとか。しかし吟遊詩人の大学が主催していたとは知りませんでした。ヴィアルモ校長はそれを復活させたいわけですね。

「知っての通り、エリシフの夫であるトリグ王がつい先日殺された。エリシフは深く悲しみ、王の彫像を火あぶりにする祭りを…不快に思っているのだ。何千年も続くソリチュードを称える祭りだと彼女を説得するためには、証拠がいる。そこで『オラフ王の詩歌』が必要なのだ。スカイリムの生きた歴史であり、エッダ詩集歌の一部だ。残念ながら、長らく行方が分からない」

誤解からの軋轢だったわけですね

「ここの歴史学者ジラウドによると、オラフ王に関するエッダの一部が、今も『死者の安息所』に残されている可能性があるという。そこに行って詩を取り戻してほしいのだ」

 『オラフ王の焚刑祭』は出典がなくなってしまうくらい古い祭なのですね。それが一代の首長の感情で奪われるのは、確かに納得がいきません。オラフ王の詩歌で我がソリチュードの歴史が守られるのであれば、喜んで力を貸しましょう。
 しかし、吟遊詩人の大学は、ただ歌ったり踊ったりするだけではないのですね。こんな過酷な入学試験があるとは…ドルテがいきなり壁にぶつかる前に知ることができてよかったです。

この教室はやたら日当たりがいいですね

 それにしても『オラフ王』という名はどこかで見聞きしたことがあるのですが、思い出せません。大学で講師を務めている歴史学者に詳しい話を聞こうと声をかけると、その姿を一目見て記憶がよみがえりました。

あなたでしたか

 ジラウド・ゲマネ先生は高価な服と帽子を愛用する歴史学者です。この人には以前、ウインドヘルムで出会った作家・アドナトさんの新作を作者本人の代わりに届けたことがありました。その作品のタイトルがまさに『オラフとドラゴン』だったのです。

あれかぁ

 『オラフとドラゴン』を預かった後、ジラウド先生に届けるまでの旅の途中で、眠れぬ夜に読んでみたことがありました。
 その内容は主にノルドの間で伝承されている物語の一つである、ホワイトランの首長『隻眼のオラフ』とドラゴン『ヌーミネックス』の戦いやその後にまつわる解説と考察でした。

 主題となる伝承を簡単に説明すると、かつて第一世紀のスカイリムではヌーミネックスという名の恐ろしいドラゴンが猛威を振るっていました。そこに名乗りを上げたのが、腕の立つノルドの戦士、オラフだったのです。彼は仲間を数人だけ連れてドラゴン探しの旅に出て、アンソール山の頂上の巣穴でヌーミネックスを発見しました。
 オラフとヌーミネックスは何日間も戦い、その激闘の詳細については諸説あるのものの、オラフは私と同じく『シャウト』の力を持っていたようです。オラフはアンソール山の頂上でシャウトの戦いを繰り広げ、最後には疲労によって倒れたヌーミネックスを、何らかの方法でホワイトランまで運んだといいます。
 ホワイトランの人々はオラフの偉業に驚き、新たに宮殿の裏に建てた石造りの独房を『ドラゴンズリーチ』と名を改め、その巨大な独房はヌーミネックスが死ぬまで彼の監獄となりました。
 オラフはその後、スカイリムの上級王となり、国と国の間で次々起こる戦争の時代に終止符を打ちました。それは彼が猛竜ヌーミネックスを見事倒し、ドラゴンズリーチに投獄したという偉業によって、唯一の統治者として相応しいと認められたためであろうと著者は推測します。いずれにしても再び国に平和は取り戻され、オラフ王は英雄として称えられました。
 しかしあまりに偉大なこの物語りを疑う者もいました。事実、オラフ統治時代に吟遊詩人の『スヴァクニール』はオラフの行いを批判する詩を発表しています。当然上級王は激怒し、吟遊詩人を投獄してその詩の複写をすべて処分してしまいました。その結果、現在その詩の原型を読むことは不可能となってしまい、スヴァニクールが『オラフとドラゴンの真実』についてどのように言っていたのかを語る者はいません。
 しかし失われた詩に関する吟遊詩人の文書が何冊か存在しており、それらによればヌーミネックスはオラフと戦う前からすでに力を失っていた、という主張が読み取れます。オラフと彼の仲間は努力せずともドラゴンを捕まえられたにもかかわらず、英雄的な物語をでっち上げ、その功績を最大限に利用していたというのがスヴァニクールの詩の真意であり、それこそが上級王オラフを激怒させたのでしょう。失われた詩がスヴァクニールの個人的な恨みによる言われなき誹謗中傷であった可能性はありますが、今となってはもう知る術はありません。
 
 これらはかつて第一世紀に実在したこととされ、あまりに混沌とした時代背景と長い時間によって伝承ごとに形を変えており、歴史上の事実と相反する部分も多く、何より資料の乏しさから、興味深くともほとんどが憶測として語らざるを得ないことに対するもどかしさを感じる一冊でした。

 さて、一通り思い出したところでジラウド先生に話を聞きましょう。
「件の詩歌は、スカイリムの生きる歴史であるエッダ詩歌集に、スヴァクニールが寄稿したものだ。それぞれの時代において、エッダは吟遊詩人によって書き加えられてきた。そして相当古いものだ。その詩歌は当時統治していたオラフ王を非難する内容だった。腹を立てた王はその吟遊詩人を処刑し、すべての写しを焼き払ったのだ」
 『オラフとドラゴン』にも書いてあった話ですね。あの本に出てくる吟遊詩人、スヴァクニールが書いたオラフ王への批判の詩歌を回収することこそが、今回の依頼というわけですね。
 ジラウド先生の推論によれば、スヴァクニールとその失われた詩歌は現在『死者の安息所』と呼ばれる墓所にあり、オラフ王自身の埋葬室と共に眠っているだろう、とのこと。自分を批判した吟遊詩人とその作品を、自分の墓所に埋めてしまうなんて、よほど腹に据えかねたのでしょうね。

いってみます!

死者の安息所

 『オラフ王の詩歌』があると言われる死者の安息所へやってきました。

夕日がきれいですね

 中に入ると祭壇があり、その上に爪が置いてありました。

これはたぶん鍵になってるな

 顔を上げると、墓所の奥に進んでいく青白い亡霊の姿が見えました。亡霊はこちらを振り返らずに歩いて行きます。まるで散歩をするかのように、のんびりと。

あれは誰だろう?

 とりあえず、害もなさそうなので亡霊の後を追って進んでいくことにしました。

 果たしてこの先『オラフ王の詩歌』を発見し、吟遊詩人の大学へ入学することはできるのでしょうか?

次へ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?