見出し画像

人は矛盾する生き物

休日、朝だと思って「おはようございます」と言うと、だいたい「こんにちは」と返されます。3びきのひつじです。

さて、この3びきのひつじという名前の由来を、お話していなかったと思うので書きたいと思います。

■「一貫性」はほんとに大事?

HSPの私も20代半ばまでは、ビジネス書を読んだり、講演会に行ったり、向上心の強い人と会うなどして、自分を高めようと奮闘しておりました。

自己肯定感があまりに低いので、何かを一生懸命頑張っていないと、自己承認できないからです。

ですがその結果心身を壊したので、「あぁ私には向いてない!」とスパっと諦めていっさい辞めましたが、まったく後悔しておりません。


そんな中で、本や人に言われて苦しんだ言葉があります。(…たくさんあります。きっとHSP気質ゆえに、必要以上にストイックに自分に求めたり、自分を責めたりしていたりしていたのだと思います。)

そのうちの一つが「一貫性」です。

嘘をつかない、というのはもちろん、「どんな相手にもいつも同じ自分でいるから信用が生まれる」というもの。

これにはすごく苦しみ、結局できませんでした。


相手がしてほしいと思う言い回しや態度を敏感に感じ取る上、人には気分というものがあります。その時々相手に合わせたり、振り回されたりしながら人に接していました。

逆に、常に「明るくポジティブなキャラ」でいようなんて思っていた時は、落ち着いた人と会うときにどうしても空気が合わない。なんだか合わない、と思われていることも感じますから、それはそれは苦痛でした。

■同時に共存する、矛盾する感情

そこで気づいたことがあります。

私には「明るくて社交的な性格」と「引っ込み思案で内にこもりたがる性格」と「そのどちらもを監視して、責め立てる性格」の3つの全く異なる性格が同時に共存しているのではないか、ということです。


HSPさんの中には社交的な方もいれば、内向的な方もいる、と本で読みましたが、私は最初、そのどちらなのかわかりませんでした。

初対面の方と出会って話すことは楽しいのですが、2回目、3回目に会うときの微妙な距離感はすごく苦手。かつ、初対面の場はアドレナリンが大量放出されているのか楽しんでいたはずなのに、帰って一人になった瞬間にドッと疲れが・・・

しかも、「あの時のあの言葉は良くなかったんじゃないか」「あの時の私は調子に乗り過ぎていたんじゃないか」と頭の中で一人反省会が夜通しどころか数日間つづき、「もう人に会いたくない」と思ってしまうのです。


1つの予定に対してだけでも、

予定が決まって嬉しい私と、予定が近づくになるにつれてどんどん不安になって行きたくなくなる私と、予定が始まって楽しんでいる私と、帰った後自分の発言や行いを責め立てる私と、落ち込んでもう人に会いたくないと思う私・・・

こんなにたくさんの感情が存在しているのです。


しかも、いずれかの感情が100%という状態が交代であるわけではなく、どの感情も常にあって、その割合がその時々で変わっている、という感覚です。

人に会って楽しんでるときも、ふと「帰りたい・一人になりたい」と思ってしまう瞬間がありますし、「今の言葉、相手はいい気がしてないんじゃないの?」と自分を責めていたりもするからです。


■どの性格もあっていい

そこで、私には「社交的な性格」と「引っ込み思案な性格」と「責め立てる性格」の3人が同時に存在するから、同時にぜんぶの感情があっていいんだ、と3人ともを認めることにしました。

ちなみに「ひつじ」と名付けたのは、3人全員が臆病で怖がりだからです。


社交的なひつじさんは、みんなが離れて1人になってしまうことが怖くて明るく振舞います。

引っ込み思案なひつじさんは、誰かを傷つけることも傷つけられることも怖くて内にこもります。

責め立てるひつじさんは、過去に言われたキツイ言葉や、人が怒られていたときに言われていた言葉を、誰かに言われて傷つくのが怖くて、先に自分で自分を責めて回避しようとします。


3びきとも違う性格なのに、行動原理はみんな臆病さから来ている、と気づき、3びきのひつじという名をつけました。

そう思うと、なんだかどれも少し愛おしく思えました。


■まとめ

私のような、社交的な部分もあり、敏感なのに刺激を求めてしまうタイプをHSS型HSPというそうです。

私はこもりがちな性格が強く、最初は「刺激を求めるタイプ」という言葉に違和感がありましたが、3つの全くちがう性格があると気づいてから、すんなり受け入れられるようになりました。


矛盾があって当たり前。

人ってそういうもんだ、とこれからも自分に言っていきたい、3びきのひつじでした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?