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フジファブリック活動休止に思うこと

※最近のフジファブリックの活動を追っていなかった者が書いた記事です。
この前置きで不快に思われた方は、Uターンして頂けますと幸いです。

暗黒の思春期を彩ってくれた、
私の血肉となった音楽を生み出してくれたバンド、
フジファブリックが活動を休止するという知らせを聞きました。

志村さんのことを中心に、フジファブリックに関しては以前記事を書いていますが、
そちらにも書いた通り、私がフジに出会ったのは高校生の時でした。
私にとって高校時代は、人生の中で一番の暗黒時代でもありました。
不登校になって、入ったばかりの高校を中退して、通信制高校に入り直したものの「青春」という言葉からは程遠い毎日。
そんな時、一番の心の支えになってくれたのが、フジファブリックの存在と彼らが生み出す音楽でした。

フロントマンの志村さんが亡くなった後、3人体制で再始動したフジのライブには何度か参加しました。
志村さんの代わりにボーカルを務めることになった総くんの歌声にも、抵抗感はそこまで感じなかった。
志村さんの、決して上手くはないけど独特な歌声が大好きだったので、寂しい気持ちはありましたが、それよりも何よりも「フジファブリックというバンドが今も活動している」ことが本当に嬉しかった。
志村さんの一番近くにいたメンバーが、今もライブで志村さんの作った曲を演奏してくれている。
3人体制になってから発表された曲たちも「フジファブリックだ!」って感じられました。

でも良くも悪くも、人は変わるもので。
フジファブリックの他に夢中になる対象ができたこともあり、徐々にライブに行かなくなり、ここ数年は情報を追いかけることもなくなってしまっていた。

本当は志村さんがいた頃と今のフジファブリックを比べたくない。
でもどうしても比べてしまう自分がいる。
「この曲を志村さんが歌ったら、どんな感じになるんだろう」
「志村さんがいたら、今はどんな曲を作っていたんだろう」と、つい考えてしまう。
ライブで一番気持ちが高まるのは、志村さん時代の曲が演奏された時。
3人になってから発表された曲と、志村さんが作った曲を、同じ熱量で受け止めていない。
そんな自分が嫌になって、総くん・ダイちゃん・加藤さん、そして志村さんが亡くなった後にファンになった人たちに対して、とても失礼なことをしている気がして、離れてしまったのもある。

私の中では、人生で一番苦しかった時に、文字通り「擦り切れるまで聴いた」志村さん時代の曲たちが、あまりにも強すぎた。

そんな感じで距離を置いてしまったのですが、心の片隅でずっとエールを送っていました。
連絡をとらなくなったけど嫌いになったわけではない友人が、今もどこかで元気に生きている。
それと同じような感覚で、今もこの世界にフジファブリックというバンドがいて、活動を続けているという事実をふと思い出して、温かな気持ちになっていました。
聞いていたラジオでたまたまフジの曲が流れて「わ~~!!」とテンションが上がったり。

つい先日は夢の中にフジが出てきて懐かしくなって、
「そういえば、最近どんな活動してるのかな」と、久しぶりに公式サイトを覗きにいってました。
その数日後、友人からの連絡で、2025年2月で活動を休止するというニュースを知り、とても驚きました。
よりによって、同じく以前追いかけていた「でんぱ組.inc」が解散する年と同じ…。
過去の私を支えてくれていた二組が、2025年にいなくなってしまう…(フジは「解散」とは言っていませんが)。

確か総くんが以前、インタビューで「志村君が作ったバンドだから、勝手に解散はできない」と言ってくれていて、その温かく力強い言葉に安心しきって、何の疑問もなく「フジファブリックはなくならない」と思っていました。
絶対に変わらないものなんて、この世のどこにもないのに。
「フジファブリックには当てはまらない」と、無意識に信じきっていました。

何度も何度も推敲して書いたのであろう公式のお知らせを読んで、
3人が今も志村さんと過ごした時間を大切に思っていること、
「フジファブリックを守らなければ」と、これまで活動してきたこと、
ファンへの申し訳ない気持ちが、ひしひしと伝わってきました。
「解散」ではなく「活動休止」と書いてある点に少しほっとしつつ、
「志村君が作ったバンドだから、勝手に解散はできない」という総くんの言葉を思い出して、それ故の(もしかすると実際は解散に近い状態にまでなってしまっているのかもしれないけれど、それでも)「活動休止」なんだろうなと、泣きそうになりました。

「バンドを辞めたい」と切り出したダイちゃんの気持ちを想像すると、本当に辛いです。
フジファブリックを守りたいという思いがある一方で、変わってしまった自分の心もあって。
今回の活動休止の発端はダイちゃんのようですが「だからといって自分を責める必要はないよ、ダイちゃん」って思います。
人は変わるものだから、仕方がないよ。

ネット上でも同じような声があがっていましたが、残念な気持ちがある反面「ありがとう」という気持ちの方が大きいです。
繰り返しになりますが、フジファブリックというバンドが今も活動しているという事実に、どれほど救われたことか。
志村さんが亡くなった2009年に、フジファブリックがなくなっても全くおかしくなかったのに。
ここまで活動を続けてきてくれたこと、フジファブリックの音楽が生き続けるようにしてくれたことに、感謝しかないです。
とても嬉しいことに、フジがきっかけで、今もお付き合いが続いている友人もできました。友達がいなかった高校生の頃の自分を思い返せば奇跡です。

薄情な私と違って、変わらずにずっと活動を見守ってきたファンの方や、最近ファンになった方は、なかなか受け入れられないだろうし、受け入れられない気持ちも、否定されるものではないと思ってます。

ありがとう。お疲れ様。
きっと志村さんも、空の上でそう思ってる。と考えるのは、都合が良すぎますかね。

まとまりのない文章になってしまいましたが…
2025年2月まで、彼らをそっと見守ろうと思います。
遅ればせながら、今まで聴いていなかった曲たちを聴いています。

あ、志村さん。お誕生日おめでとうございました。

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