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フィギュアスケート音楽の話をしよう。ーこの頃はやりのフィギュア音楽について

今日から世界選手権(以下、ワールド)ですね!!涙の中止から一年・・・。開催できて純粋にうれしい。選手の皆さんは例年とは違った環境の中でもベストを尽くせますように、また、帰国するまで安全に過ごせますように。

さて、ワールドには128人(組)出場しているということなので単純に256通りのプログラムを見ることができるわけです(フリーに進めない人がいるというのは理解したうえであえて無視するスタイル)。そんな数多あるプログラムと音楽の中で、私は今季とある作曲家の音楽に注目しています。その名も、

フィリップ・グラス(Philip Glass, 1937-)

↑ヘッダーのおじさん

グラス大先生といえば、音楽史でおなじみ、「ミニマルミュージック」の代表的な作曲家といわれています。ミニマルミュージックというのは、所謂「現代音楽」を特徴づける一つの作曲手法で、

「反復音楽」とも呼ばれるように,短い旋律やリズム・パターンを繰返すプロセスのなかで,位相をずらしたり音をとばすなどして徐々に変化させていくのが特徴。

と、簡単に言えばミニマル【最小限】な音楽なわけです(説明になっていない)。説明が下手くそすぎるのでとりあえず例を出してみます。

1:45くらいまでジョン・アダムスの「Hallelujah Junction」を使用しています。最初はピアノの和音のリズムがあってそこに別の音が加わっていって・・・と同じパターンがひたすら繰り返されている中にも少しずつ変化があるのがわかります。こんな感じの音楽を使用する選手が最近多くないですか?エイナウディの「エクスペリエンス」や「プリマヴェーラ」なんかもそんな括り。

白鳥の湖、シェヘラザード、ラフマニノフのピアノ協奏曲2番・・・フィギュアのプログラムでも数々の名演を作り上げてきた「クラシック音楽」のわかりやすさ(物語がわかる!最後めっちゃ盛り上がる!手拍子しちゃう!)とは対極にいるものかもしれません。

本題に戻りますが、ワールド出場選手で男子のネイサン・チェン、女子のアンナ・シェルバコワ、宮原知子、アイスダンスのハワイエク/ベイカー組がグラスの音楽を使用しています。すごい見事に上位陣。

(知子姉さんは動画の1:35過ぎから)

いろいろな使われ方をされているけれど、特にハワベイは秀逸だなあと思います。曲中のわずかな変化を捉えて技の要素や振付に反映されているので。

以上この頃流行りのミニマルミュージックのお話でした。ワールドではたくさんのプログラムと音楽に出会えるのを楽しみにしています。久しぶりの時差ぼけすら楽しむぞ!!!

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