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大河ドラマ光る君へ感想(第16~18回) ~定子様の受難は源氏物語のモデルなのか?~

どうも、古の平安中期オタク(中関白家推し)です。
中関白家の唯一の良心、定子様の孤軍奮闘がもう始まっております。父道隆にも兄伊周にも呪詛を吐かれる定子様、おいたわしやすぎて涙目なんですが(私が)、それでも時代は不可逆なのでがんばろうね、な感想です。


↓前回

※以下、史実に言及します。若干ネタバレになっている気がするので、純粋にドラマとして楽しみたい方は読まないほうがいいかもしれません。
※ただのオタクの感想なので解釈違い等ご容赦ください。

道隆と道兼の最期

995年、盛沢山すぎる…。もちろん史実通りではあるのですが。
道隆の死(と伊周を出世させておく算段諸々)と道兼七日関白と道長内覧宣旨、さらに次回「放たれた矢」ということで長徳の変待ったなし!
ということで道隆&道兼の最期を振り返っていきましょうかね…。

道隆の最期

権力握ってからの道隆マジで最低でしたね!という率直な感想。
道隆の人生についてはもっと視野を広く持って健康に気を付けて生きてほしかったと従前から思っていたのですが、その悪いところを煮詰めた感じになっていて井浦新さんの演技も圧巻でした。
最期、貴子様と思い出を語り合って畳の上で穏やかに旅立てましたので、歴史ドラマの死に際としては大層幸せな方で良かったです。

忘れじの ゆく末までは かたければ 今日をかぎりの いのちともがな

百人一首54番 儀同三司母

道兼の最期

第1回目からこのドラマのヘイトを一身に集め、誰にも愛されない悲しみを背負った存在として描かれていた道兼ですが、最期には道長が寄り添ってくれました。
個人的にはストーリーの構成上、道長を上げるために使われた感じがしてしまって純粋に感情移入はできなくなったのですが(特に15回以降)、大鏡で書かれているような従来の七日関白像からするとだいぶ幸せだっただろうからまあいいかな…。
でも私は寛和の変前(8回あたり)の、父上との葛藤MAXな道兼が好きだったよ…。

定子様孤軍奮闘

道隆&伊周の呪い

さて、「皇子を産め~~」という呪いの言葉を2週連続で吐かれている定子様、おいたわしやすぎます。そんなところで親子似なくていいよ!!
このあたりの定子様と清少納言の表情を見るのがきつすぎる。
しかもこれマジの呪いになるから言霊ダメゼッタイ(もう遅い)

一条天皇との愛

定子様と一条天皇はお互い愛し合ってるけれども、慣れ合っているわけではないし、双方聡明で自立した人間同士なんですよね。ろくでなししかいない中関白家をなんとか支えたい定子様と、志に基づいて政をしたい一条天皇との愛&すれ違い、精神版ロミジュリですかね。泣ける。
どちらかが感情を優先して信念を妥協できればあそこまでの悲劇にはならなかったという気もするけれど、そうであったら1000年後まで二人の姿が残らない気もする。
もうすでに涙目ですが、行く末がどう描かれるか見守りたいです。
しかしながら、伊周に人望と能力と謙虚さがあればここまで苦しんでないと思うとやっぱりムカついてきたな(笑)伊周なにしてくれとんねん(笑)

清少納言の本領発揮

雪のいと高う降りたるを、例ならず御格子まゐりて、炭櫃に火おこして物語などしてあつまりさぶらふに、「少納言よ、香炉峰の雪いかならむ」と仰せらるれば、御格子上げさせて御簾を高く上げたれば、笑はせたまふ。
人々も、「さることは知り、歌などにさへうたへど、思ひこそよらざりつれ。なほこの宮の人にはさべきなめり」と言ふ。

枕草子 282段 (角川ソフィア文庫)

いや~~香炉峰の雪の映像化が大河ドラマで見られるなんて嬉しいよ~~。しかも公達の集いみたいなシーンになってて画面が美しい(行成直筆の古今和歌集、私も欲しい)
この後さらに中関白家には厳しい環境になりますが、道隆&伊周に振り回される定子様に寄り添う清少納言を描いてくれてるということは、きっと最後まで、しっかりと、忠臣であるところも描いてくれるのでしょう。
あと斉信との匂わせ描写もイイネ!ということは蔵人頭になった行成との絡みもありますか???期待!!!!!

紫式部の人生観考察とか

源氏物語執筆のきっかけが定子様という説

私コテンラジオが好きで結構聞いているんですが、直近が紫式部(源氏物語)回だったんですよね。

その中で、定子様の悲劇が源氏物語執筆のひとつのきっかけになったという説に言及があって、おったまげたわけなんです。
たしかにこの時代、はこの人のことが好きなのに、身体(立場)としては一緒になれない、という心身の分離を強要されるような事案と、それによる苦しみ、その苦しみから逃れるための出家を、多くの人が経験してたり身近に感じていたと思うのです。紫式部が描きたかった人間のままならなさのモデルのひとつに定子様があったとしても全然不自然じゃないなあと。
源氏物語は受験勉強で多少+漫画(あさきゆめみしとかはやげん!とか)でしか知らず、もうちょっとちゃんと読んでみたくなりました。

第18回で一番好きなシーン

まひろが道長の近況を聞いて、「あの人、人気がないんだ」って言うところ、愛が感じられて良かったです。
18回ラストのすれ違いで、まひろの中ではもう恋愛感情は昇華されていて、信頼をベースにしたこの後の関係性の変化に繋がっていくのかなと思いました。先述のコテンラジオで語られてた、冷泉帝の後見を通して関係性が変わっていった光源氏と藤壺と似ている気がする、なんとなく。
紫式部と道長は元々全然興味なかったのですが、今回の大河ドラマのストーリーには引き込まれますし、中関白家退場後も興味を持って見れそう。まひろはいつ源氏物語を書き始めるのでしょうね~。そのあたりがぜひ見たい!


今回は以上です。
というわけで次回「放たれた矢」!震えて待つよ!!

↓続き


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