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大河ドラマ光る君へ感想(第22~24回) ~一条天皇最後の我儘~

どうも、古の平安中期オタク(中関白家推し)です。
清少納言も行成も定子様も一条天皇もみんな愛おしい、胸がいっぱいで泣きそうです。な感想。

(越前の話はまるごとすっ飛ばしますが、大学で二外が中国語だったのでちょっと懐かしいですね笑。我是くらいしか発音できませんが…)


↓前回

※以下、史実に言及します。若干ネタバレになっている気がするので、純粋にドラマとして楽しみたい方は読まないほうがいいかもしれません。
※ただのオタクの感想なので解釈違い等ご容赦ください。

定子様第一子ご出産

うつくしきもの

鶏の雛の、足高に白うをかしげに、衣短なるさまして、「ひよひよ」とかしがましう鳴きて、人の後先に立ちてありくもをかし。また、親のともに連れて立ちて走るも、みなうつくし。

枕草子 146段 (角川ソフィア文庫)

春はあけぼのに続いての枕草子引用はうつくしきもの。定子様寄り添い文学的解釈だとすると、この章段も美しい・・・。
にしても高畑充希さんの朗読が素晴らしすぎるので、何らかの形で枕草子朗読配信とかされませんかね??ぜひ課金したい~~~!

生き生きと残る情景

お母上の貴子様もお亡くなりになり、本当に後ろ盾が無くなってしまった定子様。
出産前日に清少納言に感謝を伝える定子様の、あの頃がそなたの心の中で生き生きと残っているのであれば私も嬉しい、という言葉は、本当に、人間の生きる意味だと感じました。
人生最期の走馬灯に、キラキラとした思い出が流れて、生まれてきて良かったと思いたい。今がどんなにつらくても、そのキラキラな思い出を集めて、大事にするために生きるのです。
しっかりと残っている清少納言が、またそれを枕草子に描くんでしょうね。ああああ~~~~(悶絶)

一条天皇、最初で最後の我儘

大赦&定子様との再会

さて、伊周の呪いにより詮子が苦しんだので、伊周&隆家の罪が許されました。(鬼の形相で寝所に立っている伊周を想像してわらってしまう)
出雲から速攻戻ってきて、しじみをお土産に持ってくる隆家が最高です。

やっぱり出雲と言えば宍道湖のしじみですよね!(私も出雲駅伝見に行ったときに食べました、懐かしい)

伊周&隆家が赦される流れで、一条天皇も定子様と感動の再会。「政務もなおざりで連日定子のもとに通い続けた」のナレーションには、仕事しろよ!って思わず突っ込んでしまいましたが、めちゃくちゃ好きな人に約1年ぶりに対面出来たらまあそうなるよね…。

定子様に対する世論の反発

これまでわたくし、枕草子界隈の本の、「一条天皇が定子様の出家を正式なものと認めず宮中に戻した」的な記載を、へ~~愛されているのね~~と気楽に読んでいたのですが、想像力が欠如しており大変申し訳ございませんでした。
ドラマ化されてよくわかりましたが、これは世論の反発必至!!!
実資は「前代未聞 空前絶後」の感じでゴリゴリに反発していた旨の記述が小右記にあるけれど、彼の立場ならそう思うよね~…。
波風など立っても構わぬ!と言い放つ一条天皇、源氏物語における桐壺帝やん…。

しごできヒューマニスト行成

直近話では蔵人頭になった行成の存在感もマシマシです。
第23回で一条天皇に同情的な様子を見せて道長に叱責され(あれ内心あんまり反省してないといいな)、第24回で職御曹司への移動を提案し、第25回の予告ではついに清少納言とお話ししている様子が…!!(期待値が爆発)

当作品の行成、道長推しである一方、一条天皇×定子様推しでもあるニュアンスが感じられて、権記を多少読んだ私も全く同じ解釈なのです(御堂関白記や小右記と比較すると、定子様サイドへの同情的配慮が滲み出ている気がしてしまうんですよね…)

行成は道長派だから、枕草子に描かれている清少納言との絡みは全部政治的意図、という説もあるけど、双方に愛を持って接する+仕事は仕事できちんとやり遂げる=しごできヒューマニスト行成であってほしいと、私は思います(史実解釈っていうより妄想ではありますが)
後々二后並立の理由付けで定子様を追い込んだのは事実ですが、政治的なバランスを取るために仕方なかったと思いますし、出家して二度と会えなくなる可能性があった推しカプを復活させただけでも十分同情的配慮があるのでは、という気もする。
清少納言とは推しカプが同じ親友であってほしいな〜と思います。作中であの二人が話すシーンが初めてなので、次週何を対話するのかとても楽しみ・・!

円融系vs冷泉系の次世代バトルフラグ

さて、23回であっさりめに居貞親王が登場し、男子も生まれてます。これはなにかと言うと、天皇の世継ぎバトルフラグなんですよね。

冷泉天皇⇒円融天皇⇒花山天皇(冷泉系)⇒一条天皇(円融系)⇒居貞親王(冷泉系)※予定、ときています。
今のところ交互になっていますが、一条天皇に男子が生まれなかった場合、居貞親王の次は敦明親王の可能性が高く、承継の流れが完全に冷泉系にいってしまうと予想できます。その文脈で言うと、自分の血筋を残したい一条天皇は、道長と協力せざるを得ません。定子様は好きだけど、この時点ではまだ定子様との間に男子が生まれる確証もないし、他の后を受け入れても男子を産んでほしい気持ちはあるでしょう…。

しかしながら「中宮様の皇子」と晴明が居貞親王にネタバレしていました(笑)。
二后並立を考えると、晴明の予言は二重の意味なんだよなたぶん。すごい脚本だ…。


というわけで996~1000年まではじっくり描かれそうでまだまだ楽しみ。
定子様のお美しさを私も長く心に留めておきたいです…。

↓続き


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