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「みんながやっているから問題ない」の先にある未来とは?

「自然との共存」と言いながら、コンクリートで土を覆い、その下で全滅する虫の叫び声が聞こえない。

青春出版社「エコロジー幻想」

この本の中で著者武田教授は「表面的なエコという言葉に騙されるな」と、警鐘を鳴らします。また一見エコに見える田舎暮らしも、生活必需品を手に入れるための移動距離が長く車も必要になるので、田舎は都市部に比べ12倍のエネルギーを消費していると言います。一方で、都市部の方が田舎よりも2倍のゴミ排出量なのでどちらがエコか単純な比較はできないものの、人口は少ないほど1人当たりのエネルギー消費量は増えていきます。

これらの話は、今まさに田舎暮らしを満喫している私には耳の痛い話ですが、重要なことは、部分的な正しさを求めて本来の目的が見えなくなってしまう人間の愚かさを自覚することだと感じます。

ネバダ砂漠にあるような大規模ソーラーパネルを住宅街の脇に作ってしまう日本は「ソーラーパネル=エコ」が罷り通ってしまっている。資本主義ですから理由はそれだけではありませんが、本質を見抜く力があればこの手の開発は防げたはずです。

日本人は受け入れる事は得意でも、考えることはあまり得意ではありません。特に「みんながやっている」という状況が作られると「みんながやってることだから問題ない」という着地をしてしまう。同じようなことは発展途上国でもよく見ます。

人間は人間主体の考えで罪悪感なく環境を破壊し、他の種を殺害することがあります。場合によってはそういった行為を称賛して国から補助金まで出たりする。

どんな経済活動も自然環境なくして成立しません。そのことを理解して自然に感謝をして生きていかないと、人間はそう遠くない未来に絶滅に近い危機を迎えてしまうでしょう。

毎年この時期になると家の敷地に蛍が舞います。今年はその数が例年よりも多い。生活に使う界面活性剤の使用を大幅に減らしたことで、周辺の自然環境に良い影響を及ぼしたのだと思います。

「みんながやっていること」を、環境破壊ではなく、環境に感謝して大切にする、に変えていければ、人間の未来もきっと明るいものになっていきます。

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