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思考する腸


日本語に隠されたメッセージ

言葉の中には時として重要なキーワードが隠されています。それは「意識」や「気」といった東洋的なエッセンスです。

例えば「頭に血がのぼる」というのは「怒り心頭」といった状態です。意識が高くなって「頭に血がのぼる」のです。「怒髪天をつく」も同じような意味ですね。

「腹の虫がおさまらない」というのもあります。これは一度は腹まで下ろしてきた意識だったけど、悔しさや恨みなど何らかの理由によってもう一度「あがろう」とする様子をよく表しています。そして、その「あがる」は緊張した時なども使います。

緊張といえば「固唾を呑む」なんて言葉もあります。これは意識が喉にある状態なのかもしれません。ります。「手に汗を握る」意識が手に向かうと、落ち着こうとする様子も伺えます。

さらに意識が下がり「腑に落ちる」これはしっかり「腑」内臓に意識が向いています。安心感を覚える表現です。さらに「五臓六腑に染み渡る」まで行くと、満足感さえ湧き上がります。

これらの言葉が「意識」「気」をテーマとして作られたというのは私の想像です。しかしこういった言葉を使う時、やはり先人達の大切にしていたものが垣間見えるような気がします。というのは意識は下に下がれば下がるほど、落ち着いていることができるという、私の実体験も想像に含まれているからです。

臍下丹田の意識は全ての運動にとって重要です。しかしそれは運動だけでなく日常生活にも重要であることが分かってきました。今回はそんな日常生活における臍下丹田の意識とは?腸で考える?などなど、色々と掘り下げていきましょう。

最も大切な部分から作られる人の体

雪山など極度の寒冷地というのは常に凍傷のリスクに晒されます。凍傷の危険性があるような環境にいくと、人間の体は本能的に重要でない部分から切り捨てていくようにできています。それは手足の指先などといった末梢部分です。登山用のブーツや手袋は環境の悪い場所で活動する分、商品の開発には高いテクノロジーが集約しています。そんな装備であっても体力が落ちてきたりすれば凍傷にかかります。最悪は手足の先が黒くなり放っておけば腐って脱落するでしょう。しかしそんなことがあっても人間は生きていけます。大切なのは内臓です。内臓がダメージを受けてしまったら人体の末梢部分が傷つくよりも、よほど高い確率で死んでしまいます。

私たちは物事を頭で考えます。脳ですね。しかし、本当に全ての思考を脳が司っているのでしょうか?先ほど、大切でない部分から切り捨てると言いましたが、これはつまり大切な部分は最初に作られる、に共通します。もし私たち人間が考える「大切な部分」から人体が作られるとしたらそれは、心臓や、脳から作られると思っていても間違いはなさそうです。でも、実際にはそうではない。DNAが決めた人体で最初に作られる部分は腸です。受精卵から人間になる過程で最初にできる臓器が腸です。それから心臓や主要な血管へと続き、人間のような形が認められるようになってから脳や脊椎など神経管の形成に移行します。

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