本気の恋はしたくない夜

こんばんは。今日もお疲れさまでした。

マッチングアプリを始めた時、私はどこかで本気の恋がしたいと考えていたのかもしれません。好きだった彼とは終わって、もう本気の恋は辛いから、イージーラブを期待して始めたはずだったのです。

でも、そんなにうまくは行きません。気持ちとは裏腹に、誰かと何回かあって、唇や手や肌を重ねると、気持ちを奪われることが続きました。結局、本気で数ヶ月付き合って、辛い気持ちや楽しい気持ちを何度も何度も繰り返すのです。

こうなるとマッチングアプリは、ただの恋愛工場です。

深夜にネットの海へ何度も何度も潜り込み、楽しいイージーラブができる方法を探しました。見つかった答えは同時に何人とも付き合うことでした。

人生でそんなことをしたことはありません。そんな器用な人間だとも思っていません。ただ、誰か一人をひたすら想うから辛いので、それが物理的に分散すれば、気持ちも分散するとそのネット記事には書いてありました。

私は実行しました。そして成功したのです。

「あなたにパートナーがいるなら、私もパートナーを作っていいでしょう？」

そんなことが言える程度には。それが嫌だという人は去っていくだけです。

私は彼らを愛しています。きっと彼らが去れば、私の壊れた心でも、どこかが少し揺さぶられる程度には。会えない夜にも彼らの跡を追って、心を燃やす程度には。

本気の恋を抱えるには、まだまだ覚悟が足りません。今はのらりくらりとイージーラブを楽しんでいるのです。そしてどんどん堕ちていくのも知っています。本気の恋で狂ってしまうなら、堕ちる恋にハマってもいいでしょう。

堕ちる恋はいつでも甘いです。たまには、心をチクリとかすめることはありますが、それでもこの甘い毒を飲まずにはいられないのです。

いつかは本気の恋に辿り着くこともあるでしょう。でも今はこの楽しい恋と走ります。誰の許可もいりません。法律の正しい恋など今はいりません。今は泣かずに夜を走り抜ければいいのです。おやすみなさい。