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甘えられない夜

こんばんは。今日もお疲れさまでした。

この感情の名前は「寂しい」だと私は知っています。なんとなく誰かの声を聞きたいとか、何も話さなくても通話にして繋がっていたいとか、どうしようもない夜がやって来ます。

その欲望を優先して誰かに連絡してしまえばいいのかもしれません。でも、そのことを考えると手足が冷たくなるような気がして来ます。それをすれば全てが壊れる気がします。

甘えられたいと言っていた人ばかりを選んでいたつもりなのに、本当に私が甘えたい時には頼ることができません。私は、彼らの求める時間だけに甘える女を演じるのです。いつもはそれで全ては丸く収まります。彼らの欲しいものを差し出して、仮初のひと時を手に入れるのです。

彼らの前でそんな演技をしている私は、心の内を晒すことはできないのでしょう。彼らに全く興味のないフリをして、連絡を全くよこさず、何かを欲しがることもしないのです。

「あなたに会えるだけでいいの」

それだけ伝えて、彼らをずっと待っています。連絡が来なくなればそれまでで、来れば何度でも会うこともあるのです。私は彼らの時間を私に割いてくれるだけで満足するのです。

普段は笑っていられるのに、寂しい夜はただ胸が痛いです。時折、連絡をくれる誰かの名前を言えるのが余計に寂しさを加速させます。きっと明日は大丈夫なのに、マッチングアプリをぼんやり眺めたまま寝てしまうことでしょう。誰かを探している、知らない男性たちに安心するのかもしれません。おやすみなさい。


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