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デザイナーの自分へ抱かれるイメージをコントロールしようという試み

デザイナーと名のつく職を始めて5年、hassyです。
今日はそのデザイナーへ抱かれがちなイメージについて、少なくとも自分というデザイナーに対してはもう少し違った印象を持って欲しいと思って活動しているお話です。

後述していますが、この活動をしているのは自分がいる環境を鑑みての結果で、このnoteも「自分はこんな活動をしています」というだけの話なので全てのデザイナーにこの活動をお勧めするつもりはありません。
ですが私と同じような方には参考になったらいいな、と思います!

それでは始めていきます。

デザイナーへ抱かれがちなイメージとは

当然ながらこれについては私の主観なので、正確には「私が"デザイナーってこう思われがち"と思っているイメージ」になります。

そのイメージとは簡単にいうと「デザインに対して口出しされたくない芸術肌の人々」です。
この場合の「口出し」とは「デザインへ抱いた違和感などのネガティブな感想」「こうあったらいいのではないかという他のアイデア」などを想定しています。

そういったイメージを和らげる、あるいはそれとは違う「親しみやすさ」「一緒にデザインをやる人」というイメージを持ってもらう、というのが私の活動の目指すところになります。

なぜそういったイメージを抱かれたくないか

これは私が活動している場・目指す姿に理由があります。
私は主にUXとUIの仕事をしているデザイナーで、大抵の場合「クライアント」「ステークホルダー」「エンジニア」など多数の視点からくる意見をユーザー像等の基準と照らし合わせ、最終的なデザインの判断を行うことが多いです。
また、それらの判断の精度を上げるために、「意見をより多く集める」「バイアスがなるべくかからない意見をうまく引き出せる」デザイナーになりたいと考えています。デザイナーでない人が抱く違和感は、最終的なユーザーが抱く違和感に近い可能性もあります。

これを目指す中で、前述のような「この人は自分が作ったものに対してネガティブなことを言われたくないだろうな…」というイメージ、あるいは「専門家の人の作ったものに意見できるほどデザインに詳しくないし…」といった遠慮は、意見を出してもらえなくなったり意見がお世辞を含んだものになる環境に繋がるため、少なくとも自分の仕事の上ではなるべく抱いて欲しくないなと思っています。

具体的にやっていること

スタンスを明確にする

まずは上記のようなことを自分は考えているのだ、ということを伝えないと始まりません。デザイナーによってスタンスは様々ですから、その中でも自分はこうなのだ、というコミュニケーションから始めていきます。

とはいえ、ダラダラ上記のような根源の考え方を伝えても…なので、基本的には接する相手に場面ごとで「期待することとその理由」という形で伝えるようにしています。
たとえばエンジニアに意見をもらうとき、「このUIについてどう思いますか?システム要件的な観点がないのでそちらの面からの意見を教えてもらえると嬉しいです」と『自分にない視点を求めている』『たとえばこんなふうに見てほしい』を伝えてみたり、あるいはシンプルに「1ユーザーとして率直にこの使い心地はどう思いますか?」と聞いてみたり……オープンクエスチョンをなるべく避けているのもありますね。
ユーザーインタビューでもそうですが、フィードバックをもらうときは弟子入りする感覚を心がけています。

実際に親しみやすい人物になってみる

スタンスを明確にしてもその人の態度が排他的だったり不機嫌そうだったりすると、実際に話しかけるハードルはめちゃくちゃ高くなってしまいます。

前項でも述べたように弟子入りするような、あるいはあくまでデザインに対して対等な立場で話し合いをしたいのだ、という姿勢を見せるようにしたり、普段からのコミュニケーションで「私は怖い人間じゃないよ活動」をすることで親しみやすさを持ってもらえるかな?と考えています。
(他者からどう見られているかって実際の結果検証をしづらいので主観です)
後者については具体的には普段から人の話を傾聴したり、相手をなるべく尊重したりを心がけているつもりではあるんですが、まだ色々抜け落ちている気がしてならないです。

フィードバックをもらうための接点を増やす

これは自発で気づいたことではないのですが、シンプルにフィードバックをもらう接点を増やす、能動的に働きかけるのは有効だと思いました。

具体的には「デザインデータを囲む会(エンジニアメンバーが設計を考えるためにデザインデータを見る会)」にデザイナーも参加してみるとか、作ったデザインに関して一歩引いた目線からフィードバックをもらうフローを挟んでみるとかです。
前者はフィードバックをもらった後にそれをデザインに昇華するまでその場でできることもあって、「一緒にデザインをやる」ことを体験してもらいやすいですし、後者はちょっと見てみてください、と挟み込みやすいです。
ただし人によってはデザインについては完全に専門家にお任せしてしまいたいという方もいるので、相手の意思は尊重したいところですね。

効果はあったのか

実際効果があったのかと言われると…特に計測を行なっているわけではないので断言はできませんが、どんな職種の方でも少しずつ「率直なご意見」っぽいな、と思えるものをもらう機会が増えていったように思います。
また、デザインに対するちょっとした気づきをFigmaコメントにていただく機会は確実に増えました。(ここは私のデザインの詰めの甘さでもあるとも言えますが…)

それはシンプルに会話を重ねたからなのか、相手の方が気を遣ってくれたのかわかりませんが、少なくともスタンスを明確にすることに意味はあるとは思うので、今後も細々とやっていく所存です。

とはいえ…

散々こんなことを書いておいてなんですが、仕事をする上では「口出し(さまざまに考慮されたデザインに対しそれらを無視した決定を下されること)は(成果物の精度が下がるので)困る」場面ももちろんあるんですよね。
そして自らを貫き通し、結果を出してきた先人たちのおかげで、「専門職にここはお任せしよう」となって職務を果たせていた恩恵も大いにあると思います。
また、この記事では「デザイナー」と一括りにしてしまっていますが、その業種によって適切なあり方も違うであろうことも想像に難くありません。

私もこのような活動をしつつ、イニシアチブを自分で取れるようにしながらフィードバックをもらうこと、また自分がデザイナーとして最終的にデザインの判断をくだした責任を持つこと(フィードバックを受けてのデザイン判断だからといってそれを成果物の言い訳にしないこと)は忘れてはいけないなと思います。

少なくとも、自分は自分のいる環境の中でこういった存在でありたい…と努力している話でした。

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