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飲食店異変:夜業態飲食店ほど売上が戻らない傾向です

 かってのコロナ期真っただ中では、居酒屋業態をはじめとする「飲食店夜業態」(焼肉店も含む)は、昼業態店(レストラン、うどん店など)が、
コロナ前より90%~99%の復活をしているにもかかわらず、
70%~80%台の回復にとどまっています。

原因はいくつかあります。

🍉1:外食回数の減少

 ●コロナ禍の名残りで「外食習慣」は元に戻っていない
  私の場合も半減以下のままです。たまにしか出かけないことの方が
  習慣になってきました。
  その分テイクアウトや自家調理が増えています。

 ●どこのお店も値上げが多い
  どこも値上げばかり。スーパーの買い物も今まで1回4000円~5000円
  だったものが、6000円~7000円に迫る勢いです。
  飲食店の値上げも頻繁です。余分にお金がかかる時代です。

 ●最初の1店舗利用で帰宅する
  夜に出かけることの多い友人も。近頃は1軒目で変えることが多く
  なったと言ってました。
  確かに、それでも支障がないよね、という感じです。


🍉2:団体飲食客の減少

 ●いわゆる宴会の激減
  
大きなイベントからの流れはありますが、法人系の宴会は影を潜め、
  個人客中心の消費傾向に変化しつつあります。
  観光客以外の団体利用は、事実上あてにできないと思います。

  これが常態化すると、宴会利用スペースを個室化するなどの
  対策が必要です。


🍉3:高客単価客の減少

 ●中高年層の高客単価客は貢献度が落ちた
  回数はさほどなくても、もともと客単価が若者の1.5倍~2倍の
  客層ですが、やはり外食に出てくる回数は減り、1店舗目の利用で
  帰宅する人が多いように見受けます。

 ●団塊の世代とそれに続く準団塊の世代が外食をしなくなると
  夜の世界は激変する

  私もそうですが、20代~70代まで、50年間ほどの期間は、
  「良く仕事をして」「よく気晴らしをして」「明日も頑張ろう」
  が、健全な自己サイクルです。

  5年~10年で団塊の世代が死に絶えると、夜の世界の散財者が
  いなくなります。
  60代の方達がでなくなってくると、夜の世界はもっとさびれます。

  食事系のお店は21:00で閉店。アルコール系は22:00で閉店。
  これくらいがちょうどいい世界に変わるとみています。


🍉4:節約志向と予算内外食の普及

  食材の高騰が収まっても、日々消費する購入する食材の価格は
高止まりのままです。
したがって、外食費に回る分は出てきません。

アフターコロナ期の飲食店は、コロナ期の赤字の清算やコロナ融資金の
返済、諸費税未払金の納付、社会保険料未払金の納付という過重負担
にあえいでいます。

御想像の通りに、
今年いっぱいは、事業承継しない閉店や赤字倒産がMAXで増える
状況です。金融機関も引当金を半額準備しても、ダメージは大きいと
思うのです。


🍉5:外食利用の多様性と内食利用で
   店内売上低下

 テイクアウトは鳥に行く手間がかかりますが、出かけたついでで
あれば負担にはなりません。
デリバリーも業界ぐるみで高額なデリバリーコストを全額購入者に被せる
しくみを変えつつあると思います。

一律200円とか300円とかになれば、ローカルエリアでもデリバリー需要は
復活するとみています。

店内売上はコロナ前の80%あれば、正常と判断して良い
ニーズの分散化が起こっています。

この欠如した20%は新たに売上づくりをしなければなりません。
●通販
●店頭冷凍自販機
●2毛作業態(14:00~18:00の間)
●テイクアウト商品開発


いろいろ知恵を絞る必要がある時代です。
一緒に頑張りましょう。

(了)





飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします