食べ塾:「事業承継の課題」実例でしっかり説明します!
「経営者編」「後継者編」と私見を述べてきましたが、
もう一つ大事なことは、事業承継に関する世の中の対策と真摯さが、
その必要性を下回っているとしか想えない現実があると思っています。
では、どんな状況か複数の事例やセミナーに参加して感じたことを、
以下に述べることにします。
■課題1:「どこまで経営者の想いに寄り添った
支援を行なえているか?
組織や支援者により大きなバラツキがあります!
多くの組織は行政の関与した組織(外郭団体)で行っていたり、
金融関係さんも最大の課題として取り組んでおられます。
多くの経験を有した人がサポート担当に向いているために、
高齢者の責任者がいる場合が多いように感じます。
それも公務員系・税理士系・銀行系などの出身の方が多いように
感じています。
1,どこまで親身になれるのか?疑問です
客観性に関しては、数値や分析や方向づけについては
プロの方の力が発揮されます。
しかし、
経営者が望む「本当の想いをわかってくれ」という熱い思い!
を汲み取る熱い心が「事業承継支援者の側にどこまであるか?」
が、課題なのです。
自分たちの描いた事業承継路線のベルトコンベアーに乗せて
スケジュール通りに進めるだけ!
という感じがすごくいたしました。
2,経営者の方も自分の考えをまとめて「意見」にして伝える
努力が求められます。
どちらかというと、限界まで自分の会社を好きなように経営してきて、
もう限界が来たから、早く跡継ぎに渡して楽したい!」
と焦り気味の経営者の方を、
「理解してもらい」
「協力してもらい」
「決断を出すように仕向けて」
「実行してもらう」サポート を
事業承継のサポート役はしなければいけません。
いきなり登場する事業承継サポート担当者の存在とその言い分は、
経営者も後継者もなかなかすぐには馴染めないことと思います。
3,事業承継支援機関について
公的な事業承継支援機関と民間の支援法人と2分類できると思います。
●公的な支援機関
事業承継完了実績にノルマ(実績件数目標)がなさそうです。
申込件数に比べて、動ける人が少ない感じがします。
費用的には、民間ほど高くありません。
着手から終了まで数年間かかります。
●民間支援法人
実績を上げないと経営が成り立ちませんから、
事業承継スキルを積み上げて積極的に行うと思います。
また当然ながら、公的機関よりは契約報酬も高くなります。
総合すると、
組織により、支援担当者により、大きな「差」がある
また、相続税などの関係で、税理士さんの関与も必要となります。
「どんな人がわが社を担当するか?」が結果や期間に影響すると思います。
■課題2:「事業承継失敗例」は話さずに、
方向づけと道すじをつけることを主体にした進め方で
一般の民間経営者・後継者がどこまでなじめるか?
経営者自身も後継者候補も、
事業承継の体験も予備知識もなく、
いきなり超難問の承継の課題を目の前に見せられた戸惑いの思いから、
徐々に気を取り直して協議に入る形になると思います。
私は、個人的には、公的な機関が全国の失敗例を集めて、分類して、
「事業承継失敗例ファイル」をアップして、閲覧してしてもらったり、
担当業種の該当例ごとにプリントして持参することで、
「失敗例の共有」をして事業承継支援を進めることが有効と思います。
自動車免許の更新時に、事故の写真を見せられることは
”事故に気をつけよう!”につながります。
それと同じことが言えます。
事業承継は、それだけ難しいことなのです。
*成功件数よりも、親子の言い分の対立などで、
破談になる例のほうが多くあると思います。
◎一番手間ひま喰ってちっとも前に進まないケースは、
●経営者が事故や病気で突然亡くなり、会社のことは半分も家族が知らない
ケースの場合
~後継者にとっては迷惑な話です。
経営者は存命のうちに、弁護士等にきちんとリスクマネジメント対策を
されると良いかと思います。
●経営者の父親と長男の息子の意見が合わないケースの場合
~双方にとってストレスだらけの話ですが、
「譲る方が譲られる方に配慮する気持ち」がないとまとまりません。
私の考えでは、
意見が違ってこそ、失敗もあるけど、「進化する!」と確信しています!
*過去も現在も事業承継支援は、仕事としては一切行っていません。
ここ10年間、特に最近の5年間くらいの飲食に関係した業界の
知りうる範囲の事柄をまとめて投稿させていただいています。
もう少しだけこの稿の投稿しておきます。
■課題3:「相手の理解度に合わせた親身な支援が
難解な時事用承継を成功させる!
私たちコンサル業は、キャリアを10年以上を積めば、
「相手の力量を詳細に感じ取る」ことができます
決して奢ることなく、
相手の経営環境、生活環境、経営者の自信の強弱、長所短所などを
数多くの事例に照らし合わせて脳裏に組み立てます。
<初対面の方に会う時の事前チェックポイント>
1,服装
初対面はピンクのネクタイをする。
原色やグレー、ブラックの暗い色は相手から見て楽しくありません。
2,笑顔
初対面の人同士は笑顔と笑顔でしか、心の窓は開かれません。
3,話し言葉の「スピード」を同じにする
ゆっくり話す人にはゆっくり話し、早口で話す人には早口で話す。
相手から見ると、一番しっくりゆきます。
4,理解して聞いているか、わからずに相槌だけしているか、
見極めながら話を進める。
わかっていないなら少し間をおいて
ゆっくりていねいに、
もっとかみ砕いた説明をしてダメ押ししておく配慮をする
5,「そうですね!」と認める同意を数多く発信する
ガードの硬い女性でも、3回続けてYESと言ってあげれば、
心を開くという逸話が残っています。(別の話でした)
一番難しい事業承継という問題をスムーズに解決・完了させるには、
支援担当者のスキルアップが望まれます。
そう、最高のトップセールスマンのようにです!
■課題4:「スピード感がない、ゴールの時期が
見えない」と、みんなの集中力が失われる!
人間のやる気ってそんなに長くは続かないと思っています。
せいぜい1年以内に決定事項の大半が終わっていないと、
経営者のモチベーションも、後継者のモチベーションも限度のある話と
思っています。
●共有している事柄は何か?
●争点となる事柄は何か?
を仕分けして、
経営者と後継者の食い違う点を、後継者に重きを置いた解決の仕方
(*後継者が社長になれば、結局思うように変えてしまうのです)
に沿って、6ヶ月~1年でまとめるべきと思います。
オードリー7
audrey7.juku@gmail.com ご意見のある方はどうぞこちらから
(了)
飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします