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食べ塾:社長が後継者候補の家族に言えない7つの秘密!知ってますか?

今や日本の社会は「事業承継だらけ」の状態です。現在の経営者から次期経営者への安全確実なバトンタッチが大きく揺らいでいます。

まだまだ今の経営者が元気なうちに、後継者になる人が進んで、
今のお店の実情を知る活動が必要ではないでしょうか?
経営を引き継いでから、実態がわかって後悔してもどうしようも
ありません。


■無言1:「経営がこれくらい赤字の経営です」と
     正直に言えない!

  毎月50万円赤字です、100万円赤字です・・・というのは、
「社長何やってんの?」と疑念を持たれますので、言えないことです。

家族は、ちゃんとがんばって経営しているから、お店は会社は大丈夫という
先入観で見ていますから、猶更のこと言えない状態になります。

  でも本当は、
「この状態だよ!」って教えてあげてから、
「それでも後継者になってくれるかい?」と問うべきと思います。

例え親子であってもそれが大事です。騙して済む問題ではありません。


■無言2:今の会社の借金の総額が言えない!

  黒字企業で、苦労せずに借金を返せる状態ならいいのですが、
毎月赤字を引きずりながら、やりくりして銀行に元利や金利だけを
支払っている会社も多くあります。

健全な借金の総額は、年商の50%迄と言われます。
本当は、借入金だけでなく、リース総額も借入金換算になると
見ていいですから、まとまると結構な金額です。

経営者として、「胸を張って後継者に譲りたい」と思う気持ちがあり、
なかなか、本当の借金の額を最後の最後まで言わせないと思います。

引退後に、家族に対してみじめになりたくない気持ちもあると思います。


■無言3:事業の見通しを悲観的にしか見ていない
     ために、思う通りに言えない!

  ゴタゴタもめずに後継者に納得してもらいたいから、
経営者が自ら感じる「事業の悲観的な見通し」を
なかなか、口に出していえないものです

でも、現経営者の感覚とこれから受け継ぐ後継者の想いやビジョン
とは、大概かけ離れています。
でも、現経営者の方はそれに気づいていません。

後継者に経営を委ねれば、新しい考えでチャレンジするだろうから、と
差し出がましい悲観的な意見は言わないと思います。

もし、引き継ぐのが黒字企業であれば、
「死守して必ず守ること」だけしっかり伝えて、
あとは後継者の自由裁量で経営することを
伝えればよいと思います。

後継者に継ぐ意思があれば、すべてを任せる段階になったら
任せればいいのです。
それが赤字の事業体であっても、です!


■無言4:引退時期が前もってなかなか言えない!

  比較的にすっといえる場合は、後継者候補の方が社内経験年数が
5年以上あり、経営幹部としての基礎力もついてきている時や、
持病の治療で引退が主治医から決められているような場合です。

引退時期は、早すぎても遅すぎてもお互いにやりにくいと思います。

「双方の機が熟したら、24か月以内に実行する」
がいいように思います。
後継者のモチベーションを大切にすべきと思います。


■無言5:経営者自身の体の衰え・経営力の衰え
     は自覚があっても最後まで言えない!

  組織のトップたる経営者は、言わば「自尊心の塊」です。
自らのプライドは高く、従業員にも、家族にも、取引先にも誇示する意思を持っているのが普通です。

但し、特に気ごころを知る者同士の時は、その考えは出しません。
経営者にとって、
本音で相談できる相手がいることは、自らの安心安全保障!
になるからです。

経営者能力が衰えてくると、
●決断力が鈍ります
●物忘れがひどくなります
●重要なことを何度も繰り返して考えること自体が大きな苦痛になります
●即行動力(アクションをすぐに起こす)がなくなります
●経営者として「すべき事項の優先順位」がごちゃごちゃになります。

まあ、40代以降から誰しも現れてくる現象なのですが。


■無言6:今までの経営で「失敗したこと」は
   心に秘めてなかなか口にしない!

  周りの従業員さんも、家族も、幹部社員も、取引先も、そして税理士
さんも、なかなかそんな「火薬庫でタバコを吸う」真似はいたしません。

でも、本当は、成功したことも、失敗したことも
「ちゃんと包み隠さず後継者に伝えて教訓にする」
ことが大事だと思います。

私は、ある年商10数億円の経営者の方に、あなたの思い込み事業で
失った資金は合計2億円を超えますよと話したことがあります。

案外、80%は経営者の方の想いが主軸であっても、
20%は自分の想いとは相反しても、ブレーンの方の意見を取り入れた方が
事業としてうまくいっている例が多くあると思います。

経営者であっても、権力は持っていても、

能力は決して「全能」(オールマイティー)ではないのです。
多くの経営者は、自分は全能と思いがちな点を抱えています。


■無言7:何もかも古い事業を引き継ぐと
   「苦労をするよ」と言いたくても言えない!

  最終的に経営者の方とお話ししていると、「やれるところまでやった会社(お店)」ですが、
見方を変えると、目いっぱい使い込んだ中古組織・中古資産・中古人材
(失礼しました!)を新たに引き継ぐ苦労を想像すると、

手放しで、「後継者になってくれ!」とは、言えないものです。

店舗や機材も補修や建て替え・買い替えが必要です

●仕組みも古いので、基本から見直しが必要です

●先代のブレーンはいても、後継者のブレーンはほとんどいない
 ので、自分の片腕づくりから始まります

●中高齢者をまとめてゆき、強い戦力に再構築するには、
 大きな努力と時間が必要です

 反対はすぐにしても、新しい考えにはなかなか賛成してもらえません。


後継者候補の方や、ここ数年で後継者になった方は、
先代の方のお気持ちを少しだけわかってあげてください。

時代のスピードはますます速くなり、若い感性でないと
この先どうすればいいか?がますます見えずらくなってきています。

がんばれ後継者の方!


(了)

飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします