食日記33：ある和食の飲食店主の悩み

　昨日のコロナ禍中で、定点観測的なお店に1か月ぶりに顔を出しました。
先日、近くの仕事の打合せをしたお店の方と同じ言葉が、店主の方から
奇しくも口から出ました。

「今年は特に（コロナ過3年目で）、21時以降の来店がなくなりました。」

というご意見でした。
やはり、
自力再生しかない7波の影響の、今夏の客数減少と売上減が堪えますとの
意見でした。

そのお店の経営者の方は、地元では有名な大箱のいけす料理専門店の料理長をされていた方で、もう独立して4年目くらい。30席くらいのお店です。
何とかコロナの1波～6波を乗り越えて赤字にならずに経営してきて、
今夏の7波で、まともに売上減少に見舞われていました。

私が見ても、お客様の利用傾向が以前とは確実に変わってきています。

🔷21時以降の来店客がいなくなった

　要するに、飲食店をハシゴして利用するお客がいなくなった、もしくは
激減したということです。最初の1軒目で帰る外食客が増えています。

私と連れの方は、2軒目のチョイ飲みのお店に顔を出しました。
そのお店に行く道すがら、
歓楽街の道路上には、客引きのお兄さん方ばかり多くて、一般利用客の方の
通行客はほとんどありませんでした。
両側の通りからガラス越しに見えるお店の客席も1組か2組いるかノーゲストでした。
＊時間的には21時頃の状況です。

今からの夜の外食客は、食事利用中心、21時までの来店利用、お店のＱＳＣが変わらない限り、客単価は漸減する傾向と思います
節約志向が今後高まるからです

👉お店の仕組みを見直す良い機会です！
　食材は向こう２～3年間は上がり続けます、
　来年は今年より値上がりすると予測しています！

＊21時オーダーストップ、22時閉店が大半のお店のスタンダードに
　なってゆくと予測しています。

🔷単品料理1品1000円以上のオーダーが激減

　多くのお客様は、特別の場合を除き、
食べなれたもの、好みのものを1品価格1000円以下を選んで注文します。
お酒と込みで1人4000円～5000円はかかります。
少し贅沢にコースにすると、7000円～12000円位はかかります。

普段使いをする仲間と飲むときは、特別に食べたいものがなければ、
いつもの料理中心で注文しますから客単価は上がりません。

やはり、コロナ禍の中での外食では、以前のようなのびのびとした大判振る舞いの外食のあり方は、当面は戻ってこないと思っています。

これは、同じ来店客数があっても、客単価の目減りで売上減になります。

👉お店が、「売りたい料理」であっても、
「買ってもらえる価格」を準備していないとスルーされます
鮪のほほ肉ステーキ　2000円
追加メニューとして、鮪のほほ肉ステーキ（ハーフ）1100円
こうすれば、注文しやすくなります

🔷食材が回転しない

　飲食店で売っている料理も飲料も、基本は全部劣化する食材でメニューはできています。
だから、飲食店のロス対策の基本と言われる、
「1つの食材を3つの料理に使う」という鉄則をもっと徹底する必要があります。

客席でそのお店のメニューの多さを見て、客数を見て、他のお客様のオーダーの内容が聞こえてきて判断しました。

「これじゃ、食材が回らない」「いずれ解凍した食材のお店になる」と
危惧しました。

👉客数減、高額商品オーダー減の傾向が今後もあります
　食材劣化の限界以内で使用できる食材以外は使えない状況に
　なってきていると思うのです

🔷店主の悩みをお聞きしました

　店主の方：
「こんな状況が長く続くなら、お店のあり方を考え直さなければならない」こう言われていました。客層もよく、客単価も5000円～6000円いただいている感じのお店でした。
でも、7波の変化でダメージを受けました。

私は、
「このお店は少人数の経営ですから人件費の心配はいりませんが、
1日に1オーダーも出ない商品は、お客が必要としない料理であり、
高くて注文しずらい料理ですよ。」と伝えました。

以前は大箱のお店にいて、料理も100品目位あるお店でしたから、
今の40～50品目は当たり前と思っているかもしれませんが、
「必要最小限度で最大効率の品目数」ではないと見ています。

雑談の中で、
👉「少人数、高客単価、同一客層」を狙える専門店への業態変更を
　　その方におすすめしました

じっくり検討されたらいいですよと思いました。

昨晩は、こんな飲食業応援のひと時を過ごしました。

考えようによっては、遣り甲斐があり手ごたえのある時代、
無防備だったら、負け続けるかもしれない時代
そういう時代の幕開けと思います

ご相談・お問合せは➡　オードリー７（流石種）
　　　　　　　　　　　utsumiya.masahiro@gmail.com

（了）