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食べ塾:繁盛店を目指すなら<平均客単価>を知り<売上予測力>を身につけると、未来へのやり方が見えてきます!

  飲食業は、好景気の時代も不景気の時代も困難なことが多い時代も
形を変え、やり方を変えて、しぶとく、根強く生き延びてきています。

しかし、いつのエリアの中を見ると、
高齢になって店を閉めたり、多角経営で失敗したり、従業員の集団退職で
運営に支障をきたしたりしながら、
常に「生残り組」と「滅びる組」が生まれては消滅して、業界としての
進化を遂げています!

そういう意味では、
飲食業界は「弱肉強食」の世界です。
他店に勝つ武器を持つことが明日生き延びる保証につながります。


■「平均客単価」って知ってますか?
 お店の生きてる数字を知ると、
 その中から、売上を上げる方法が発見できます!

  平均客単価は、おおむね種類が5つくらいあります。
よく仕事の打ち合わせで出てくる数値です。

<平均客単価の種類>

●ランチタイムの平均客単価(ランチ客)
●ディナータイムの平均客単価(ディナー客)
●昼夜の売上を人数で割った1日の平均客単価(1日)
●月商を月間の総利用人数で割った月間平均客単価(1月)
●年商を年間の総利用人数で割った年間平均客単価(1年)

平均客単価は、
飲食業態の違い・店舗規模の違い・立地の違い・提供料理の違いなどにより
大きく異なります。

平均客単価がなぜ飲食店の経営に大切なのか?
それは、
アンケート調査よりも正確な「数字のお客様の答え」だからです。

<平均客単価の数値が教えてくれること>

■ランチタイムの平均客単価 

 お客様が「このお店で使ってもいいと思う金額」(お客様の答え)
こういうお店の特徴として、経験に基づき気の付いたことを記載します。

1,ランチ平均客単価700円未満のお店の場合
  ●
日常的に利用できる財布にやさしいランチのお店
  ●多人数の利用
  ●サラリーマンや常連客が多い
  ●食べたらすぐ出るので、客席回転率が良い

2,ランチの平均客単価990円以下のお店の場合
  ●
同じく日常的に利用できるお店ですが、1のお店よりワンランク
   上の飲食店ランク
  ●ハンバーグやチキン、ポークなど庶民的な肉類メニューのお店
  ●ローカルレストランに多い
  ●ディナーで出すグランドメニューより10%~20%安いランチ
  メニューで昼売上作りをしている
  ●ランチの目安「1000円以内」を意識したお客様が多い 
 

3,ランチ平均客価格1000円超えのお店の場合
  
●市街地立地なら、中級サラリーマン、主婦の方が主体のランチのお店
   (*たまに行きたいちょっとおしゃれなランチ店)
  ●郊外地立地なら中心市街地から車で30分圏内の駐車場の広い店
  ●お気に入り名物ランチがある店
  ●1100円~1280円の価格帯の商品が一番受けている
  ●アイドルタイム14:00~17:00のクローズがなく、
   通し営業のお店が多い(*その代わり夜間は早く閉める)

4,ランチ平均客単価1500円~3500円のお店の場合
  
●提供料理や素材が限られた専門店が多い
  ●小規模店が多い
  ●オーナーシェフのお店が多い
  ●夜の利用価格が2倍~3倍のお店が多い
  ●客層が一定で、客層のバッティング(競合)はない


■ディナータイムの平均客単価

  同じく経験に基づいてどんなお店が多いか記載します。

1,ディナータイムの平均客単価=ランチタイム平均客単価+200円以内
  のお店の場合

 ●基本的には「昼夜で同じメニュー」で営業しているお店
  (*ランチタイムメニューがないお店)
 ●グランドメニュー自体が日常的に親しみやすい食材のお店で、
  売価もなじみやすい価格設定になっている場合が多い
 ●比較的680円~850円位の売価の食事メニューが中心となっている

2,ディナー平均客単価2990円以下のお店の場合
 ●バイキングコースの1番下のコースがこの価格帯に入ります
 ●輸入物のビーフステーキ専門店とか、黒毛和牛のハンバーグ店とか
  のお店
 ●少し低価格系の立ちの寿司店(寿司職人が手で握る)
 ●居酒屋系ならヤングサラリーマン系が多いお店
 ●飲み放題の需要が高く、料理性はその次でだべり場確保目的の店

3,ディナー平均客単価3500円~4500円のお店の場合
 
●飲みニケーション需要で一番中心になる価格
 ●公務員さん系の利用基準になる価格
 ●料理そこそこ、アルコールそこそこの使い勝手の良い
 「最低価格」ゾーンのお店
 ●ディナー客全体の中心になる平均客単価(*年末は+500円~1000円)

4,ディナー平均客単価5000円~7500円のお店の場合
 ●平均客単価がこれくらい高くなると、平均客単価3500円以下の
  お客様の来店がなく、落ち着いた客層で店内はまとまります
 ●料理の品質、品格重視
 ●接客サービスも「中レベル」(*一般店以上、シティホテル以下)が
  求められます
 ●顧客満足度のある程度高いお店

5,ディナー平均客単価10000円超えのお店の場合
 
業態でいうと、
 ●高級寿司専門店
 ●料亭・割烹
 ●高級魚専門店
 ●高級天ぷら専門店
 ●黒毛和牛ステーキ店
 ●黒毛和牛焼き肉専門店  
 などがあります。

 客層は経営者の方が半数を占め、お医者、弁護士、
 上級公務員、税理士さんなどです。


高いリピート力を維持したまま高価格で売るお店の場合は、
「自店の持つQSCAを高める」努力をする

ことが必要になります。 

*Q=商品力、S=サービス力、C=店舗のきれいさ
 A=店舗の雰囲気など居心地の良さ

■「売上高予測力」をつけると、お金、食材、労力
  のロスがなくなりお金が残ります!


なぜ売上高予測が必要なのでしょうか?

前もって明日の売上高がわかれば、

①勤務する必要人数が無駄なく揃えられます。
②料理データを参考に、無駄のない食材の仕込み準備ができます。
③在庫のチェックで過不足のない適正な仕入れ量が決まります。

「予測する」こと自体は、
明日からやってみよう!でいいのです。
最初の1月間、2月間はハズレてもいいのです。
まずやってみて「誤差を少なくできる」ようになればいいのです。
1年ごとに精度は高まります。

売上高予測は強力な武器です

①予測値に従って、その売上高をつくるために必要なシフトを組みます
 
売上高5万円と10万円では、人数の差が大きく出ます。
 大きく外れるほど、「人件費ロス」が発生します。

②予測値に従って、その週の食材仕入れ数量を調整します
 
同じく売上高5万円分の食材仕入れと10万円の食材仕入れでは、
 不使用の食材が大きく変わります。
 長引くと廃棄ロスやデッドストックになることも出てきます。

 厳しく店舗管理をしているお店は、
 食品と飲料の適正ストック量は→「2営業日分~3営業日分」です。
 (*この場合は主に都市部の店舗で2/3が当日配達可能区域です)

 今どきの食材ストックで、1週間分以上のストックを行って
 いるお店は、かなりノーテンキなお店になると思います。
 (*現金が命綱の飲食店にとって、棚の使わない食材は、
   見方を変えれば「1万円札の束」と同じなのです。

 食材は売れなくても翌月は仕入金額を支払う必要があります!
 

 <売上高予測に必要な要素>

1,前年同月同曜日の「売上高平均値」が参考になります
  
同じ月の同じ曜日の「平均売上高」を調べます。
  次に、詳しく見たいなら、
  売上が比較的高い「晴れの日」の売上高をチェックします。
  次に売上高の低い「雨の日」の売上高をチェックします。

  月曜日~日曜日まで各曜日の平均値・晴天日の数値・雨天日の数値
  の3つを調べておけば、完璧です。

  来年の今月の為に<曜日別売上分析表>を作成しておきませんか?
  
1月度   月    火     水   木   金   土   日
  第1週  売上数値  ・・  ・・  ・・  ・・  ・・  ・・
  第2週   〃
  第3週   〃
  第4週   〃
  第5週   〃
  合計値
  曜日別平均値→この値が次年度の武器になります。
  月~木平均値で各曜日を割った%を出す
     (*100以上は繁忙日、100未満は非繁忙日とわかります)
  晴天時売上実績値→曜日ごとに天候を記載して記録を取る
    (*ネットで昨年の天候などは気象庁で公開されている)
  雨天時  〃  →    同上

2,前年同月の天候は大事です
 「晴れ100%・曇り?%・雨80%・強い雨60~70%」など
  人間は「天候」で行動が変わるのです!
  
売上記録の一部の天候を加えてください。
  天候の読み方で当日や週末の売上高予測が精度を増します。
  
3,前月(又は直近3か月)の売上実績推移で最近の売上傾向を見る
  
前年同月の売上高チェックは基本中の基本ですが、近くにバイパスが
  できた、新たな複合施設ができた、同業態のライバル店ができたなどの
  ”最新情報の加味”は前月や直近3か月の売上チェックが有効です。

4,曜日別来店人数平均値
  より厳密に予測を行うならば、月曜日でしたら月曜日の実績値を
  1日の平均客単価で割ると、「平均人数」が計算できます。
  (*曜日別売上高÷1日の平均客単価=概算のこの曜日の来店人数)

5,曜日別平均客単価
  
あまりに細かくすると頭が崩壊するかもしれません(笑)
  まあ、大雑把に、

  平日よりも土日の方が「子供連れ」が増える分、計算上は
  「平均客単価が落ちる」傾向になっています。

<お店で違う来店人数計算>
あなたのお店では、年齢がいくつの子供から「客数換算」をしていますか?
業態により、店舗の考え方により様々違います。

 〇幼児(3歳未満)はカウントしない
 〇小学生未満はカウントしない
 〇子供は全員カウントする
 〇3歳以上はすべてカウントする

 など様々です。
 お子さまランチを持っているお店は、3歳以上をカウントしている
 例は多くあります。


お客様から頂く「平均客単価」を調べることで、
お客様から自店がどう見られて、どう利用したいと考えているか
読み取れることが多くあります。

またこれからの飲食店は、

売上予測を先頭に「店舗としての予測力」を位につけたお店が
繁盛店になると断言できます!
(*世の中が複雑になるほど、予測を立てた人だけあらゆる変化に
  対処する脳六が生まれます!)

是非お役立て下さい。


(了)







飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします