見出し画像

食べ塾:計算式ではわからない既存飲食店の「売上予測力」で、人員と食材の無駄をなくそう!

ネットで売上高予測を検索すると、ほぼ「公式ばかり」でした。
理論コンサルタントさんやその他の専門家の方たちが、
数多く表現されています。
(*でも、新規開業時の事業計画書では役に立つ内容でしたよ)

  今から、私がご説明したいのは、日本の4大都市以外のローカルエリア(70%を占める)で経営される
1店舗~数店舗を経営されている既存飲食店の方々のために、
ご説明をしたいと思います。


■予測要素1:前年同月同曜日の売上データから

  もし前年が特別の要因で、通年より良すぎたり(開業・リニューアル・客数増要因の発生)、悪すぎたり(競合店の出店、疫病、不景気など)
した場合は、前々年のデータを見てください。

1,同じ月で見る・・・基本的に同じ流れをします。月間日数も同じです。
   (月で変わる特性)
    1月(成人式を過ぎると悪い) 
    2月(良いのは建国記念日まで)
    3月(月末に向けて尻上がりになる、25日~31日がピーク)
    4月(最初の日曜日までが良く、中だるみする)
    5月(連休直後の2日間が特に悪い、月半ばが良くない)
    6月(梅雨入りから一週間が悪い、生ビールが売れ出す)
    7月(18日頃の梅雨明け迄はそこそこ、夏休み入りでダッシュ)
    8月(お盆明けの日曜日までは好調、月末の土日は良い)
    9月(週末土日ごとに良い、3つこぶラクダ風な売上月)
    10月(10月10日遅くとも15日で、残暑と秋の切替がある)
       *効果的なキャンペーンの期間設定をする
    11月(15日又は20日の頃から例年は忘年会がスタートする)
    12月(月間の大きい山はなくなり、週末金土曜ごとの山が続く)
       *年末の3日間は、毎日が平日でも週末売上レベルになる

2,同じ曜日で見る・・・立地、飲食業態、客層により
   「曜日別のあり方」はお店ごとに違います。
    大きくはエリアごとに人の出方が共通します。
 
    ★(飲食店の売上が弱い日)
     月曜日(たまに良い日があります、非繁忙月の月曜は弱い)
     木曜日(平日と週末のどちらでもない境目の曜日です)
     金曜日(街中立地はお客が多く、郊外立地はお客が少ない

    ★週末土日平均値は平日の2倍~2.5倍が目安です)
     土曜日(一般的には平日の1.6倍~1.8倍)
     日曜日(   〃    2倍~2.8倍くらい)

3,同じ週(又は次の週)の流れで見る・・・月内で流れが違うので
    近い方がより一層確実性があります。
    (月の前半と後半で違うことがい多い

4,月内の同じ天候で見る・・・天候により来店客数は大きく変わります
   記録がない場合は、気象庁のデータ記録から年間、月間の天候や
   温度の記録がプリントできます。

  ★(天気が良いと来店する客層)
     女性層(中高齢主婦層)
     ファミリー層(特に小学生以下がいるヤングファミリー層)
     高齢者層

  ★(天気が悪くても来店する層)
     常連客
     若者層
     カップル
     予約客

  <天気の悪さはどれくらい影響するか?>(経験値です)
     暴風雨    80%減
     大雨     40%~50%減
     強風     30%減
     雨天     20%~30%減

もっと細かく見るなら、気象庁のデータで、店舗のある地域の
 最高気温を参考にすると、もっと正確です。


  『人間は動物であり、唯一天候だけがお金で買えません』
   *悪天候が苦手ということです



■予測要素2:自店にとって繁忙月か非繁忙月か?
   で当月の流れと売上力が違います!

  年商1200万円のお店で説明します。
毎月の売上は、その月によって違います。
      年商÷12か月=平均月商 を出して、
      各月実績値÷平均月商×100% で1年間の流れがわかります

1月  100万円  ÷100万円×100% 100% 繁忙月   
2月   85万円       〃       85% 非繁忙月
3月  105万円       〃      105%  繁忙月
4月   98万円       〃       98% ±0準繁忙月 
5月   98万円       〃                       98% 〃 準繁忙月
6月   95万円       〃                        95% 非繁忙月
7月  105万円       〃       105% 繁忙月 
8月  115万円       〃      115%  〃
9月   95万円       〃       95% 非繁忙月
10月   92万円       〃       92%  〃
11月   92万円       〃       92%  〃
12月  120万円       〃      120% 繁忙月 

計  1200万円  繁忙月は7ヶ月・非繁忙月は5か月 計12か月


■予測要素3:その他の要素も考慮する

1,前月・前週の来店客の傾向も考慮する
    
来店客の来かたは波があります。
  横ばいというよりも、「上がり気味」「下がり気味」どちらかです。
  これも考慮してください。
  (*売上予測は実務で大切なことですが、90%以上の精度になるまで
    根気よく毎日予測してみてください!

2,担当店長の「働きぶり」で10%~20%の売上差が出ます
  一番強いのは、新規メニュー切り替えと新規のやる気店長の就任です。
  メニュー切り替えも最大20%の売上アップ、店長の入れ替わりも
  最大20%アップが見込めます。
  (*但し、PAに信頼される店長であることが必要です)

3,セール・キャンペーンの有無や実施中の時
  実施中の時は、
 「前か、中か、後の時期か?」で効果を加味するかどうか判断する。

4,近隣のイベントの有無をチェックする
  お祭りや複合施設の開業イベントなどがあると、大きく来店人数が
  減少します。
  早く終わるイベントでしたら、終わる頃からの帰り客の取り込みが
  可能になります。

5,3km圏内にライバル店の出店があるかないか?
  ライバル店は、「同業種」「異業種」「類似業種」すべてが
  ライバル店です。

  <自店と同じ客層が利用するお店が、すべてライバル店です> 


■売上要素4:売上高予測から来店人数予測を立てると、必要なスタッフ数と仕込量が見えてくる!!

1,ランチ売上高予測
  今日の売上目標が8万円の場合、そのお店のランチの平均客単価が
930円だったとすると、

80,000円÷930円=86人(来店予測人数)
★確定仕込み量 → 86人×85%=73人分(仕込み目安70人分~75人分)
 (*多少来店人数が上下しても、85%両目安ではロスが出にくい)

 (*仕込みの種類は、ランチメニューの数量ABC分析の
   Aランクメニューの数量に従って仕込み量を決めます)

  ・・・・前もって、来店人数10人単位での仕込み予定リストを
  事前に作っておくとよいと思います。


★スタッフスタンバイ人数 → 上記の70人~75人の来店対応に支障のない
              人数をシフトで事前に動員の計画をする。

2,ディナー売上高予測

 今日の売上目標が20万円の場合、そのお店のディナーの平均客単価が
1350円だったとすると、

200,000円÷1,350円=148人(来店予測人数)

確定仕込み量 148人分×85%=126人分(仕込み目安125人~130人分)
スタッフ人数 125人~130人のご来店に対応する必要人数


     売上予測を立てることにより、

◎スタッフのシフトコントロールが正確にできて
 無駄に人件費を使わなくて済む!

◎来店人数予測から食材仕込の種類と数量を
 事前に把握できるので、鮮度落ちや廃棄ロスを
 減らすことができる!

FLコストの低減が行えます!

(了)


飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします