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【雑談】究極の三択

11月23日(水)
今日は祝日、今日は水曜日。そうだ、映画を観に行こう。
というわけで、TOHOシネマズ日比谷にて映画鑑賞をしてきた。祝日なうえに誰でも鑑賞料金1200円の「TOHOウェンズデイ」である今日はまさに映画を観るための1日といっても過言ではあるまい。

私はそれほど映画マニアでもないので、よほど観たい映画がない限り映画館には足を運ばない。今月の映画のランナップでは特段観に行きたいと思うほどの映画はなかったのだが、先述した通り今日は個人的映画鑑賞必須ディ(という思い込みが発動していただけだが・・・)である。さぁ、どの映画を観ようか。

当初、私は『ザリガニの鳴くところ』を観る予定でいた。原作の小説は世界的ベストセラー、2021年本屋大賞、翻訳小説部門第1位に選ばれている。まだ原作は読めていないが、映画の評価もそれなりに高い。また、私は映画館で洋画を字幕で(いつも吹き替え版)観たこともなかったため、挑戦という意味でもいいかもしれないと思っていた。

当日券でこの映画を観るとなれば、8:20上映に間に合うように支度をしなければならない。
昨夜は冷凍庫の霜を撤去するのに奮闘するもあえなく玉砕し、気づけば就寝時刻は24:30。翌朝は少なくとも7:00には自宅を出なくてはならないが、起床時刻は6:30。多少なりともおめかしをして映画を観に行きたいので30分だけでは身支度を終えられず、しかも電車は東京駅にて緊急停止ボタンが押下されてしまう。

よって、『ザリガニの鳴くところ』はあきらめざるをえない。となれば、残った選択肢は2択。『母性』か『すずめの戸締り』である。

映画『母性』は著・湊かなえ『母性』が原作であり、読んだことがあった。けっこう前に読んでいた作品だったためストーリーはうろ覚えだが、さすがはイヤミスの女王。一気に物語に引き込まれた作品だったような気がする。しかも、11月23日からの新作映画だったため、特別感も心なしかあるような・・・。小説を思い出すためにも『母性』にしようかな。

優柔不断発動中の私はTOHOシネマズ日比谷のエントランスにて考えあぐねていた。目の前の大きな窓には曇り空から降り注ぐ雨。声を大にして気持ちの良い一日とはいいがたい今日。やはり「今日」観るにふさわしい作品は、圧倒的映像美を誇る新海誠監督の最新作、『すずめの戸締り』ではなかろうか。

11月の雨は暗くて、寒い。灰色の景色ひろがる外界から抜け出して、館内の青空、吹き渡るさわやかな風に心が洗われた。

直感で選ぶ映画もいいけど、たまには迷える贅沢を味わうもよし。
TOHOシネマズ日比谷をあとにした私は、灰色の世界に戻って金色の銀杏の葉が張りつく赤レンガ通りを歩く。コンタクトには新海フィルターをかけたまま。

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