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【作家】森見登美彦氏

私が森見登美彦作品に出会ったのは、大学1年生のとき。
その作品は『夜は短し歩けよ乙女』である。
実は大学1年生になる前に親友の本棚でお目にかかり、図書館にて1ページ開いてはいた。しかし、その古風な文体から「私にはまだ早い」とゆっくり本を閉じてしまう。
それから数年、ようやく森見作品に触れるチャンスがきた。

まず、中村佑介氏による心躍る表紙をじっくり眺める。
小説のモチーフがあちらこちらに散りばめられた装丁は時間をかけてとことん眺め、小説を読み終わった余韻に浸りながらまた装丁を眺めることをおすすめする。森見作品と中村氏の装丁のコラボは本当に最高である。

そして、物語を読み始める。
はじめはその古風な青年、「私」の語りに違和感を覚え、なかなか思うようにページをめくれないかもしれない。しかし、それは時間が解決してくれる。徐々に慣れ始めればその独特な「私」の雰囲気と舞台となる京都の風情がマッチし、どんどん物語に引き込まれていくであろう。

そんな感じで、私にとっての森見作品はひたすら読み漁り、全ての作品を読破できるほどの威力溢れるハマり方ではない。例えるとするならば、風に揺らめく蝋燭の灯りのように細々とゆらゆらと忍耐力に満ちたハマり方なのである。(果たしてどれくらいの方にご理解いただけるだろうか。)
現に誰も結末を知らないという幻の著作『熱帯』について描かれた『熱帯』に3度挑戦しているものの、私自身今だに結末までたどり着けない。『夜行』はなにがなんだか理解できずに読書感想文を書けといわれても一行も書けない自信がある。そして、森見登美彦不朽の名作『四畳半神話大系』は未読(今、必死に読んでいる状態である)。ファンからしたら許されない行為の数々ではあるが、それでも森見作品を読みたいと思う熱意はあると胸を張って宣言しよう。
そして、いつか森見作品を網羅した暁にはnoteに読書感想文を書き、論文をしたため、京都へ聖地巡礼を目的として馳せ参じる。

そんな壮大な妄想を繰り広げているあたりで今夜の執筆は終わりとしよう。


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