ハニワ制作の記録

ポプラ社の「学校の怪談」シリーズに掲載されていたギャグ漫画「ハニ太郎」を知っているだろうか。

ハニ太郎は、その名の通り生きている(?)埴輪だ。ゴトゴトと音を立てながら動く。目から建物をも吹き飛ばす怪光線を放つ(人間に照射するとなぜか下痢になるようだ)。ハニワのくせに、なぜかいつも汗をかいている。

ハニ太郎自体はゴーマンな性格で、強引な解決を好むタイプなのだが、常に笑っているような、困っているような表情。踊っているような、考えごとをしているような独特のポーズ...といったハニワそのものの持つ素朴で柔らかな雰囲気が、すっかり気に入ってしまった。
中学に上がって最初の社会の授業で、ノートにこっそりとハニワを落書きしたのを今でも覚えている(次の授業の冒頭で先生に見られ、笑われたが…)。

月日は流れ、10数年後のとある休日の昼下がり。ふと、どうしようもなく発作的に、自分の手でハニワを作ってみたくなった。

あまり細かいことにはこだわらず、ふらりと百円ショップに立ち寄り、紙粘土を手にとる。顔を描いたりするのに必要だろうと、爪楊枝セットもあわせて購入。

帰宅し、早速挑戦する。見本もなく、自己流で紙粘土をこね続ける。はて、表情、どんなだっけ…。wikipediaとgoogle画像検索に頼る。

そして数時間後…

!?

少し思い描いていたものとは違うが、なんとかそれらしい表情をしたハニワができた。仮面ライダー的な、あるいは魔法のランプ的なポーズ。我ながら謎だ。頭の部分は若干手を加えてみた。なんというか、マイタケみたい。

首の鈴のようなものは何のつもりなのだろう…。無心で作っていたので、見返してみるとよくわからない装飾が多い。

以下、さまざな角度からこのハニワを撮影してみる。

高笑いしているような表情。下から見上げると、征服者といった感じだ。ややケバが目立つ…。

この写真では伝わりづらいが、陰影によって表情が微妙に変わるのが、ハニワの魅力ではないだろうか。

ちなみに背中はこんな感じ。ロックスターの引退ライブといった趣のあるポーズ(?)。茨城県の虎塚古墳の壁画にこんな文様があったような気がする。

影のある表情のハニワ氏。

いささか敗北感のある出来だが、湧き上がるハニワ制作の欲求は大いに満たされた。

苦労した点として、紙粘土のケバ立ちを抑えながら表情をつけることが挙げられる。これが結構難しい。
爪楊枝を使って表情をつけようとすると、「掘る」というより「押しつける」感覚に近い。また、押しつけることで盛り上がった粘土を綺麗になで付けるのも細かい技を要する。いくつか浮かび上がった反省点は、今後の課題としたい。

そもそも自分の手で何かをこね上げる体験なんて、10数年ぶりかもしれない。PCと読書とゲーム以外で目がシバシバする感覚があるのが珍しい。心地よい疲労感と達成感が得られた。

読者諸氏も、ぜひハニワを作ってみよう。机の上に置いておくと、それだけで生産性が向上するぞ(多分)。

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