16歳"年上"の中国人女性とデートした話
これはある38歳の中国人女性とデートしたときの話である。
16歳も年上の人と二人でデートするのは初めてのことだった。
「普通、逆だろ!」って思いますが、若いのは男性の僕です。
決してママ活でも、国籍目当ての詐欺でもない。
マッチングアプリ上でシャオインという女性と知り合った。
当時は中国人留学生と遊ぶことが多く、酒が入ると恋愛や結婚に関する話をたびたびするような感じだった。
中国では結婚に際して、男性側は「マイホーム、マイカー、結納金(最も高額な浙江省では300万円ほど)」を結婚の条件として求められるそうだ。
それに、一人っ子政策の失敗もあり、結婚適齢期の男女比がいびつであり、女性の側の発言力が以前にも増して強くなっている。
その中でも「80後(バーリンホウ)」と呼ばれる、中国の高度経済成長期に甘やかされてきて育った世代は、自尊心が高く、わがままであることは有名である。
前置きは長くなったが、そんな80後の女性は恋愛や結婚に対してどのような考えを持っているのか、そんな好奇心から38歳のシャオインをデートに誘ってみた。
待ち合わせは上野駅、パン屋の前に比較的背の高い女性が立っていた。名前はシャオインといい、日本在住経験も長い。
さっそく、近くのピザ屋で昼食を食べることにしたのだが、彼女は年齢差以上に、僕の学歴、収入、財産状況について気にかけているようだった。
色々と質問されて、80後の女性がどんな反応するか気になったから、かなり盛った回答をした。もちろん中国人女性の求める条件を加味しての回答だ。
、、、、だんだんとシャオインの顔から緊張が解けていくのが分かる。
いざ、お会計!
なんと、食事代は全て僕が支払うことになった(笑)
シャオインはまるで当然かのごとく財布を出す素振りすら見せなかった。
22歳に飯をおごられる38歳もどうかと思ったけど、僕にも男のプライドがあった。
次に立ち寄った、スターバックスでも僕が支払った。
お互いに緊張がすでに解けていたので、日本語と中国語を混ぜながら仲良く会話をし、気が付けば手をつないでいた。
手をつないだときに感じたのだが、やはり肌のシワやたるみは隠せない。
38歳相応の手をしていた。逆に、その後付き合うことになった21歳の彼女の手は暖かく、弾力もあった。これが年の差だ。
その次に行ったのが六本木ヒルズにある「森美術館」だ。
以前から気になっていたので、シャオインを誘ってみたら快諾してくれた。
ここでも同じく、入館料は全額自分が支払った。
二人で仲良く手をつなぎながら、多くの富裕層が行き交う六本木の街を歩いた。
明らかに人々の服装にブランド品が増え、車もベンツやポルシェ、BMWといった高級外車が増えた。
庶民の下町で生まれ育った自分にとっては、「住む世界が違う!」って地下鉄の駅から地上に出た瞬間に感じた。
これが港区、六本木、、、、。
中国人女性が理想としている結婚相手はこんな人たちなのかなぁと考えながら、僕はシャオインの手を握っていた。
入館した「森美術館」で僕たちが鑑賞したのは、「Another Energy展」。
全世界で活躍する女性アーティストの作品を中心に展示し、女性が活躍する社会の必要性を訴えていた。
通路の床にはいろいろなメッセージが書かれており、その中の一つに
「(女性が社会進出することによる)男性のメリットは?」
とかかれた箇所が気になった。
まだうまく自分の中で言語化はできない。誤解を招かないように、誰かの気を悪くさせないで表現する言葉が見つかっていない。
今後、noteの記事でまとめようと思う。
しかし、中国の結婚事情や僕がシャオインと知り合ったマッチングアプリを見るに、明らかに市場の原理が人間の愛情にまで働き始めているように感じる。
女性のむき出しの欲望に戸惑い、理不尽な扱いを受けながらも努力を続ける男性には尊敬の念しかない。
シャオインの男性に求める条件といい、自分の意見を主張してくる点といい、80後といえど中国人女性の強かさを感じた一日デートだった。
最後にシャオインから「今日はありがとう」とハグされた。
本心かどうか分からなかったけど、満足してもらえたようで良かった。
帰りの電車の中で僕は一人考えた。
自分は元々好きな中国人留学生がいたから2年にも渡って中国語の勉強を頑張ってくることができた。
中国語のおかげで、たくさんの優秀な人たちに出会い、就職活動でも評価してもらえた。
しかし、非常に競争が激しく、ルールや仕組みが頻繁に変わり、愛情までもお金で買えてしまうような環境の中に、自分にとっての「幸せ」はあるのだろうか。
自分はまだ中国に一度も行ったことはない。
その答えは中国に降り立った時に分かるだろう。