見出し画像

タイ一人旅小話 #4 誕生日とウィルと洗濯

2/18、タイで22歳の誕生日を迎えた。ちょうど誕生日に旅行をするということで、誕生日の前日から当日にかけて泊まるホテルは少しだけいいところを予約していた。

やはりいいホテルはおもてなしが素晴らしい。部屋に入ると、風船やメッセージカードやケーキで誕生日の歓迎がされていた。とは言ってもこれは予約をする際、備考欄に『birthday』とわざわざ書いておいたからだ、自分で。
「こういうのは普通、家族や友達、恋人がするものじゃないのか。フッ、おもしれぇやつ」とホテルのスタッフは思ったに違いない。

話は変わるが、このホテルには24時間利用出来る最上階のランドリールームがある。もともと洗濯することを考えて荷物を少なくしていたので、1日しっかり観光をした2/17の夜、ホテルに帰ってきて洗濯を始めた。

セットした後に一度部屋に帰り、終了しそうな頃を見計らってランドリールームに再び戻ると、ちょうど洗濯をしに来た1人の外国人(後から聞いたらアメリカ人だった)と遭遇した。
ウィルっぽい顔をしていたので、ここではウィル(仮名)と呼ぼう。ウィルはさっそく洗濯をしようとしたのだが、洗濯機を使うのに必要な小銭も洗剤ももっていなかったらしい。しかも深夜のためロビーに行っても誰も居なかったようで、彼は途方に暮れていた。この時、The外国人みたいなリアクション(頭を抱えながらのOMG!!的な)をしていたのは正直ちょっと面白かった。でも、そんなリアクションを見ていたらさすがに可哀想だと思い、どうにか協力してあげたいという気持ちが芽生えてくるものだ。もしかしたらそういう策略だったのかもしれない。親身になってどうにか出来ないか考えていたら、ランドリールームのすみっコに電話があるのを発見したので、電話してみたら?的なアドバイスをしたらウィルは「おー、その手があったか!(ニュアンス)」という反応をしていた。ちょっと辺りを見渡して考えたら分かる気もするけど、まあ人助けしたっぽくて気持ちよかったから良いか。
こうしてウィルは小銭を両替し洗剤を手に入れ無事に洗濯機を回すことに成功し、そんなゴタゴタをしているうちに私の洗濯は終了した。

部屋に戻る途中、ウィルと少し会話をしていたら年齢の話になった。ちょうど今日が私の誕生日だという話をしたところ、本場の「Happybirthday!!!」を頂いた。この時ちょうど24時を回ったところだったので、22歳になって初めて私の誕生日を祝ってくれたのは家族でも友達でもなく、ホテルでたまたま出会った見ず知らずのアメリカ人のウィルだった事になる。ありがとうウィル(仮名)、今も世界のどこかで元気にしてることを祈っております。


ホテルからの誕生日サービス


続く。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?