見出し画像

映画感想文『怪盗グルーの月泥棒』〜グルーのドヤ顔にグッとくる〜

Amazon Prime Videoで、『怪盗グルーの月泥棒』を観ました。

これまでミニオンの映画は1作も観たことがなかったのですが、先日USJでミニオンの可愛さに目覚めてしまいまして(笑)、1作目から全部観ようと思い立った次第です。


さて、本作の全体的な感想ですが、ミニオンがいっぱい見られて眼福だったのはもちろんのこと、意外と(と言ったら失礼ですが)ストーリー的にも心に響くものがありました。

本日はこの映画の中から、個人的にグッと来たシーンベスト3を紹介したいと思います。


第3位:“反重力ドリンク”を飲んで空に飛んでいったミニオンの無事が確認できたシーン

先ほども書いた通り、私はミニオンの可愛さにやられたことをきっかけに映画を見始めています。

そのため、作品中たくさん出てくるミニオンには、「1人残らず無事であって欲しい」という気持ちが湧いてしまうわけです(ミニオンはもはや“人”という扱い)。

そんな私の心がヒヤヒヤさせられたのが、このシーン。


ミニオンたちが“反重力ドリンク”の実験をしていると、飲んだうちの1人が反重力で宙に浮き、たまたま開いていた窓からそのまま空に飛んでいってしまうのです。

もうね、それ以降はそのミニオンがどうなったかが心配で心配で、しばらくストーリーに集中できませんでした(笑)。

心にモヤモヤを抱えたまま過ごすこと約5分(短っ)、怪盗グルー(主人公)の家の少し上空をプカプカ浮かぶミニオンが映されます。

「よかった!あいつ無事だったんだ!!!」

安心した私は改めてストーリーに集中できるのでありました。


さらに付け加えると、このミニオンはその後、グルーが月を盗むために宇宙へ飛び立つシーン(未視聴の方は何のこっちゃわかりませんよね 笑)では大気圏あたりをプカプカ浮いており、グルーのロケットにぶつかりそうになります。

さらにさらに付け加えると、このミニオンはその後、エンディングでは月に到達し、純粋な無重力でプカプカ浮いております。

なにが言いたいかというと、“反重力ドリンク”で飛んでったアイツに注目してこの映画を観ていると、この映画の制作陣はミニオン1人1人を大切に描いていることが分かり、私の心は「イルミネーションさん大好き!」となってしまったというわけなのです(笑)。


第2位:さらわれた子供たちを助けるために覚醒した怪盗グルーが、襲いかかるサメを裏拳1発で倒すシーン

前提を少し書いておくと、この映画でグルーは「月を盗む」という計画を立て(未視聴の方には何のこっちゃでしょうが、一旦飲み込んでください 笑)、その計画の一部に利用するため児童養護施設から3人の女の子を引き取ります。

最初は3人を計画の駒としか思っていなかったグルーでしたが、一緒に過ごしているうちに3人に対して親心のような感情を抱きます。

その後、3人はグルーの宿敵である若手の怪盗ベクターにさらわれてしまいます。

そこでこのシーンです。

ベクターはペットのホオジロザメにグルーを襲わせようとしますが、覚醒したグルーはものともせず、裏拳1発でサメを撃退してしまいます。


私は特撮が大好きなのですが、怒り爆発で覚醒した主人公に対して敵の攻撃がまったく効かなくなる、みたいなのは鉄板シーンです。

とにかくこのシーンのグルーはめちゃめちゃカッコいい。

しかも、グルーのママはカンフーの師範(?)だったり、裏拳で突いた箇所はサメの弱点と言われる鼻柱だったりと、単に「なんかわからないけど怒りのパワーで強くなった」だけではなく、撃退できたことにある程度筋が通っているのも良いです。


第1位:グルーのママが、グルーを「立派な親になったね」と褒めるシーン

この映画の主題の1つに、「コンプレックスの克服」というのがあると思います。

先ほども書いた通り、この映画では怪盗グルーが「月を盗む」という計画を実行しますが、グルーの月への執着心には歴史があるのです。


子供の頃にアポロの月面着陸をみて感動したグルーは、自分も月に行くことを夢みます。

ママにもその夢を語り、一生懸命(ついには子供ながらにしてロケットを作ってしまうほど)努力するグルーですが、ママには「フン」と一蹴されて相手にしてもらえません。

「月を盗む」計画を実行する過程で、グルーは何度かそのことを思い出します。

そんなシーンから、グルーの月への執着心には「ママに認めてもらえなかった」というコンプレックスも絡んでいるように思えるのです。


結局、「月を盗む」という計画は失敗に終わるのですが(笑)、そのかわりにグルーは3人の女の子というかけがえのない家族を手に入れます。

そんなグルーに対し、ママは「お前を誇りに思うよ。立派な親になったね。私に似て……いや、それ以上かも。」と褒め言葉を送ります。

この時のグルーのドヤ顔が、たまらなくグッとくるのです。

自分のためではなく人のために頑張ることの喜びを知ったことで、長年のコンプレックスを乗り越えられた。

そんな1人の男の成長物語を観られたような気がします。



以上、『怪盗グルーの月泥棒』より、個人的にグッと来たシーンベスト3をご紹介しました。

「これはただミニオンが可愛いだけの映画ではない!」というのが、少しでも伝わったら嬉しいです(それにつけてもミニオンはめちゃめちゃ可愛いのですが)。

未視聴の方のほとんどは「そもそも月を盗むとか無理なんじゃね?」というのが引っかかっていると思いますが(笑)、これを可能にするあるアイテムがあり、そのアイテムに関して気になるポイントとかもあるのですが(これどこが開発したの?という……)、その辺りも含めてぜひ一度ご覧いただけたらと思います。


私は長編ミニオン映画をあと3作品観ますが、楽しみで仕方ありません!