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映画感想文『アナと雪の女王2』〜次の“Let It Go”はどの曲だ!?〜

『アナと雪の女王2』を観てきました。


“ありの〜ままの〜”のフレーズが大ヒットしたことは記憶に新しかったのですが、実は前作からもう6年も経っていたのですね。

小学生が1人卒業するくらいの年数が経ってるという…。

時の流れは早いものです(しみじみ)。


さて、この『アナと雪の女王』という作品について、「続編が作られる」というのは個人的には結構意外でした。

そりゃあれだけ大ヒットしましたから、ビジネス的には当然続編の話が出るというのは分かるのですが。

ストーリー的にはあれで過不足なく完全完結した印象を受けたので、続編でコケて変な感じになるより、1作目で終わらせてレジェンド作品として君臨させる方が良いかなぁなんて思ったりもしたわけです。


ところが、そこは天下のディズニーさん(笑)。

2作品目もめちゃくちゃ良い作品に仕上げられておはせられました。

というか、個人的にはむしろ2作品目の方が全体的にグッと来ましたね。

先ほどの「続編でコケて変な感じになる」なんて愚かな想定をしてしまった自分を心から恥じました。


ところで、この『アナと雪の女王2』を制作するにあたって、「次の”Let It Go”を生み出すことができるか問題」は大きな課題だったんじゃないかと思います。

“Let It Go”の大ヒットでみんなの中に「アナ雪といえば名曲」という印象が定着し、続編を出すとなれば当然次なる名曲が期待される流れになりますから。


そして、本作でそれに応えたのが”Into the Unknown”です。

冒頭の”AH-AH-AH-AH”という不思議な旋律でグッと心を掴まれ、語りかけるような歌い出しから徐々に盛り上がり、サビのロングトーンで絶頂に達する。

ディズニーさんはこれまた素晴らしい名曲をぶち込んでおはせられました。

”Let It Go”がサビの入り(”ありの〜 ままの〜”)で少し抑えるのに対し、”Into the Unknown”はサビの入りからグワッと盛り上げるという、ちょっと対照的な構成になっているところも面白いです。

上に載せたのは英語版ですが、日本語版の松たか子さんもまた素晴らしい歌唱を披露されていました。



しかしですね、私が熱く紹介したいのはこちらではないのですよ(笑)。

“Into the Unknown”も素晴らしいのですが、私が個人的に「次の”Let It Go”はこれだ!」と思ったのが、クリストフのソロ曲”Lost in the Woods(邦題:恋の迷い子)”です。

劇中では、アナへのプロポーズのタイミングが掴めないクリストフが、スヴェンに励まされながら自分を奮い立たせるシーンで歌われます。

いやぁ、イントロから嫌な予感(良い意味)がしたんですよ。

70年代バラードの香りがプンプンしてね。

そしたら、ついに飛び出してしまいましたよ。


『ボヘミアンラプソディ』のパロディ(笑)。

暗闇の中、主旋律を歌うクリストフの顔が浮かび上がり、その周りにコーラスパートを歌うスヴェンたちトナカイの顔が浮かび上がる。

画像がお見せできないのが非常に残念なのですが、あれは完全にPVのやつでしたね(代わりに本家を載せておきます)。


アナとエルサによる「女性同士の絆」がストーリーの中心として見るものの心を揺らす中、クリストフとスヴェンによる「男性同士の絆」はこうして見るものの心に安らぎを与えてくれます。

ディズニー映画における「プリンス」の立ち位置は「助けてくれる存在」から「サポートしてくれる存在」にシフトしている気がしますが、クリストフはそれに加えて3枚目的な役割まで担ってしまうわけです。

そんなクリストフにリスペクトを捧げて、この”Lost in the Woods(邦題:恋の迷い子)”こそ「次の”Let It Go”だ」と主張したいのです。