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麻婆豆腐と婚活

 麻婆豆腐のレシピって多すぎませんか。

 料理研究家のレシピ本買うと必ず麻婆豆腐が載ってる気がする。
 自分の名前で出す料理本なんだから、皆さん渾身の麻婆豆腐を繰り出してると思うんですが、振り幅広すぎて結局どないやねん。
 ひき肉? コマ肉をみじん切り? 塊肉を自分でミンチ?
 そもそも豚? あいびき? 牛? いっそ鶏? まさかのラム。鯖缶説。
 にんにく入れる? 入れない? 入れるならチューブ? 生にんにく?
 豆板醤、豆鼓醤、甜面醤、XO醤、牡蠣油、醤油、味噌。どれ使う?
 そもそも、木綿か絹か問題。

 「麻婆豆腐」って「ラーメン」ぐらい意味広いと思う。

 そんな中試行錯誤してたどり着いた私の麻婆豆腐ですが、めっちゃうまいです。多分麻婆豆腐レシピ開発した人全員うちのが一番言ってるだろうけど。私のレシピは息子と夫が大絶賛してて、特に息子が「世界一ウマい」と言い、私自身も「(作るのだるいが)私の作った麻婆豆腐食べたいわぁ」と言う程。めんどくさくても作っちゃうくらいウマい。

 で、ふと思ったんですが、この「理想の麻婆豆腐」探しの過程ってなんか婚活の過程みたいだな、と。
 いろいろ目移りしちゃうけど、結局自分がどういうのが好きかがわかってないとうまくないというか。一人ひとり求めるものが違って当然というか。みんながいいって言うのが合わないことだってあるというか。結局食べてみないと美味しいかわからないというか。

The proof of pudding is in the eating.(本日の教科書1ページ目)


 私はいろいろ婚活やってみて今の夫と結婚していて、その過程もけっこういろいろあって今のなので、ついつい当時の体験と並べて考えてしまいます。「相手の好みの麻婆豆腐を模索した」ではなく、「自分好みの麻婆豆腐を相手も気に入ってくれた」というのは嬉しいのですが、気に入りすぎて全部食べるので、昨日の麻婆豆腐の残りをチキンラーメン(またはサッポロ一番塩ラーメン)にぶっこんで食べる喜びを失ったのはまあまあのダメージ。


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