見出し画像

わたしの2019。【前編】

歳を取るに連れて、一年が過ぎていくスピードがどんどん早くなってゆく。

「大人になってからの1年間がとても早く感じるのは、『刺激』が少ないからなんだよ。子供の頃は初めて体験することばかりだから、世界は常に新鮮さで溢れてる。けれども色々と経験を重ねて大人になっていくうちに自然と乗りこなし方を覚えちゃって、刺激を受ける出来事が少なくなってしまって、その結果、時間が過ぎるのが早く感じるんだよ。」


何年か前にどこかで聞いた言葉。確かにそうだなぁと当時は思ったし、今年も例の如く流れるように過ぎていった。

ただ今年ははちゃめちゃに濃かったし、体感としてはあっという間に終わってしまったけれども、なんとも刺激にまみれた一年だった。良い出会いも別れもたくさん経験したし、いつもよりも自分と向き合い、いつもよりも一人じゃなかった。

そんな訳で、自分の中の整理も兼ねて写真と共に一ヶ月ごとの振り返りを。


1月。

1月29日。小倉のtanga tableで開催された藤本遼さんのまちづくりのお話会へ。なんとなく同じような毎日を過ごしていたわたしに衝撃が走る。

当時の日記より。

すっごい面白かった!!何が面白かったのって聞かれると上手く答えられないんだけど、久しぶりに心臓をドキューンと撃ち抜かれたような、大好きなバンドが照明に照らされて1音目を鳴らした時のあの感覚。こんな考え方、生き方、働き方があるんだって発見もだけど、何より地域の人を巻き込んでまちづくりをしていく構想に興味をもってる人、片足突っ込んでる人の多さよ。平日の小倉の夜に60人くらい集まってたのよ、8割型北九州の人だと。みんなアンテナ高いな〜って、そこに1番驚いた。各々が住む街に関心を持ってる人がこんなにいるなんてすげーなと。イヤイヤ中津帰ってきて、少しずつ好きになりかけてる私からしてみたら衝撃だった。自分の住む街は自分でたち変えられる、創っていくって発想がなかったから、それに気づけたのが今回の一番のお土産です。自分の暮らす街を自分で変化させていく、面白くないなら面白くさせるなんてめちゃくちゃかっこいいじゃん。とても有意義な夜だった。

文章さえ軽いが、この日を境に自分の中の価値観が変わったのは間違いない。何もなくてつまんないと思ってた地元での暮らしも、楽しみ方は自分次第で、退屈なら私が面白くすればいいじゃん!って誓ったあの日のことはよく覚えてる。自分のやりたいこと、生きていく方向性がなんとなく分かってきた月でした。

わたしの唯一の特技、料理をコミュニケーションツールに人と人を繋ぐ場作りをするをテーマに38cafeを続けたい。美味しいご飯は人を幸せにするから、美味しいものが集まる場所には温度と笑顔と会話が生まれる。美味しいご飯たべれるよ〜ってだけで、イベントや集まりの敷居がグっと低くなるので、中津や近辺で燻ってる人が外に出てこれるきっかけを作れたらいいなぁ。
どうせやるなら私にしかできないことをやる。うまく仕事と折り合いをつけて、私らしく、無理せず無茶してやっていきましょう。
正社員で働いている同級生たちにずっと劣等感とかコンプレックスを持ったまま、やりたいこととやりたくないことをだらだらやり続けた3年間。もうお店も始めて春には2年も経つし、週6.5でずっと働き続けたんだから私はちゃんとしてるよって自分のこと認めてあげたい。もう少し頑張ったら認めてあげられる気がするんだ。上手くいくか分かんないけど、最悪住むとこ無くなったら得意の自虐と笑い話に変えちゃおうね。

去年の豊富はこんな感じだったらしい。すっかり忘れていたけれど、今と思ってること一緒だなぁ。自分のことを認めるのは相変わらず苦手で出来ていないので来年の努力目標。


Instagramのストーリーに思ったことをつらつらと書く癖があるのだが、この日の夜に書いていた文がやっぱりわたしらしかったので載せちゃうぜ。


2月。


フードクリエイターの仕事のひとつとして「サンドイッチワークショップ」というものを不定期で開催しているのだが、この度初めての県外。しかも陸を飛び越えて広島へ。第三の故郷(ちなみに第二は北九州)と呼んでいるくらい好きな人たちが沢山住んでいる、何度も通った広島でやることが出来てとても嬉しかったな。


広島在住の同い年友人、フードコーディネーターみなごんとの共同主催でやったんだけど、彼女もめちゃくちゃアクティブな人なので最近は料理人と飛び越えてタレント事務所に入ってテレビに出たりと相変わらずのびのびと楽しそうな人生を送ってるみたいで最高だ。また近いうちに会いに行かないと。


3月。

久しぶりのライブハウスでのフード出店。

もともと38cafeは、昔よく通っていたライブハウス界隈の友人にフードの出店を頼まれたことから始まったので、わたしにとっては原点でもある。

大学時代は足しげく通っていたライブハウスにも地元に帰ってからは数える程にしか行かなくなってしまって、それでも何年か越しに会った友人たちは昨日ぶりかのように接してくれるし、やっぱり美味しいねぇってわたしのご飯を食べてくれる。いつでも帰る場所があるのってすごく嬉しいし、あったかい。

来年もまた顔出しに行けたらいいなぁ。皆様ぜひフード、呼んでください。


4月。


とある日に高校時代の同級生が訪ねて来た。

「中津の同年代で自営業やってる奴ら集めて何か面白いこと出来たらと思ってるんだけど、来ない?」

そんなこんなで始まった中津92−93年事業主の会。(と当時は呼んでいた)記念すべく第一回はわたしの料理で開催させてもらいました。嬉しい。

地元に帰ってきてもほとんど同級生たちは県外に出たままで友達少なかったし、自営やフリーで動いてる同年代なんて知ってる範囲では周りに全くいなくて孤独と不安ばっか感じていたので、戦友たちに沢山出会えたことはとても心強かった。来年やろうとしていることにみんなの力も借りれたらいいなと思っているので、これからもよろしくお願いします。

5月。

新たな挑戦のスタートの月。
2年間続けたシェアキッチンの間借り営業を経て、同拠点のオーナーとしてお店を運営することに。

オープン3日前までもともと働いていたインテリアショップで勤務していたため、2日前にメニュー考案、試作、買い周りとバタバタオープンとなってしまったが、わたしのセンスを最大限にお披露目できるかわいいドリンク屋さんを始めることができた。

ついでに夜の時間に、長年の夢だった定食屋さんも始めることに。

自分のお店を持つことは、もともと人生設計の中にはなかったが、慣れ親しんだキッチンで好きなことやれる環境が手に入ったのでやりたいことはやっておこうとこちらも勢いでオープン。

朝11時にドリンク屋さんオープン、夜11時まで定食屋さんの営業と、今冷静に思えば勤務時間めちゃくちゃ長くてはちゃめちゃな労働状況だったけれども、大好きな料理が好きなだけ出来るこの環境に腕が鳴った。

週4の営業日に加えて、週2で前の職場にアルバイトととしてお手伝い行ってて、とても働いた月だったなぁ。よくがんばりました。
ひとりで運営していたので、体力的にもメンタル的にも大変なことが多かったけど、いろんな人が来てくれて、会いに来てもらえる場所があるってなんて幸せなことなんだ!と改めて思った。

あとは忘れもしないこの日。

今年の4月に東京から耶馬渓に移住してきた2人組、松木くんと石原くん。(以下まっきーとそーちゃん。)
その2人が暮らすシェアハウスに遊びに行ったことが、わたしの人生の道標となる。

2人が引っ越してくる前から、「面白い若者たちが春から耶馬渓にやってくるよ!」という噂は聞きつけていたので、移住してくるのをとても楽しみに待っていた。同月5月に知人を介して私が彼らに会いたがっていることを伝えてもらって、まっきーがお店に遊びに来てくれたことをきっかけに、2人が暮らす耶馬渓の山移のシェアハウスに泊まらせてもらうことに。

夕飯に出てきた手作りのオムライスを食べた時、なぜだか涙が出そうだった。
昔から料理が好きだったため、人に作ることばかりで作ってもらう機会がほとんどない人生を送ってきた。作るのは好きだし自分がやりたくてやっているので別に不満さえなかったが、数年ぶりに食べる他の人が作ってくれる料理の優しさに感動したし、本当に心に染みた。

お腹も心も満たされた後は、そーちゃんの「今日は素数の日だから宇宙と交信するぞー!」の言葉を合図に、お庭に畳を引いて、3人川の字に並んで毛布を被り、突然の天体観測が始まる。
街頭のない真っ暗な耶馬渓の夜では、それはそれは星が綺麗に見えた。いつもよりも空が高かった。わたしの実家も耶馬渓の隣の町村なので、学生の頃はよく軽トラの荷台にブルーシートを広げて音楽を聴きながら一人天体観測をしていたことを思い出す。

寝る時は重たい布団に包まれて眠り、朝は太陽の光で目が覚めて、まるで夏休みにばあちゃんの家に泊まりに来たような、とにかく居心地が良すぎて、流れていく穏やかな時間にそのまま吸い込まれてしまいたかった。
こんな生活を送っている2人がとても羨ましく思えたし、住んでた頃は当たり前の日常だった田舎暮らしがとても愛おしく思えて、わたしもこの暮らしに戻りたいなぁと強く思った。

何より、2人の話がとても魅力的で面白い。今までに経験してきた出来事の話は、何も知らないわたしにとっては宝物のように輝いて見えて、好奇心をくすぐられた。知識の多さ、アンテナの高さ、自分の思いを真っ直ぐ伝えられる素直さ、それらスペックの高さを匂わせないような自由で朗らかな、川のような性格もあいまって、一瞬で大好きに、そしてファンになった。

この2人と出会えたことがわたしの2019年の最大のハッピーでラッキーな出来事であり、これからの暮らしにも影響してくるんだけれども、めちゃくちゃ長くなるのでそれはまたのお話に。
自分の好きなものや大切にしたいものに気づくきっかけをくれた2人には本当に感謝しています。

6月。

お店がオープンして約1ヶ月。多分日々の営業をこなすことに追われていたのだろう、取り立てて書くことが何もない。忙しいが刺激のない日々を重ねていく。

リフレッシュしたかったわたしを大切な後輩が水族館に連れて行ってくれた。大きな水槽を眺めるのが好きで、中でも別府のうみたまごの大水槽をぼーっとしながら見るのが大好きだ。飽きることなく左に向かって泳ぎ続ける魚たちを見ていると、日々のしょうもない悩みを始め、色々なことがどうでもよくなる。

ちなみに一番好きなのはくらげの水槽です。


というわけで半年の振り返りが終了!
取り立てて書いてないけど、ドライなわたしとウェットな恋人との温度差にノイローゼになりかけてお店がオープンする前に早急にお別れてしてしまったり、きつい時も楽しい時もずっとお互い支え合ってた大好きな職場の同僚が退職していったりと、別れも色々と経験した前半だったな。何もなかったようで振り返ってみれば全然真っ直ぐじゃなかった。けどどれもこれも今のわたしを創った大切な出来事です。


後半もまた書こう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?