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[創作1000ピース]6,「シニタイ」のじゅもん(詩)

「シニタイ」
なんてさ。
心で思ってみたただけ。
ほんとうに「死にたい」なんて思ってないよ。
そうだったら言う前にきっと死んでいるさ。

「シニタイ」って心の中で唱えたら、
少し軽くなる気がするんだ。
背負った荷物を下ろすように、苦しい憑き物が取れるんだ。

「大丈夫?」って、声をかけられると良いな。
そうやって「シニタイ」って顔をする。
誰か助けてもらいたいんだ。

でもさ、「死にたい」なんて口先だけでも言えなくて。
言う勇気がないからほんとうに死ぬ勇気なんてもっとない。
自分で自分の人生を終わらせる勇気があったら、「死にたい」なんて思うのかな。
だから、ほんとうに死にたいわけではないんだ。

「ああ、シニタイんだな」って客観的に観れたら、すべてが馬鹿みたいで、どうでも良くなって。
「シニタイ」って思ってみたことさえもどうでも良くて。
きっと悲劇の主人公になって物語に浸りたいだけなんだ。

「しんどいからシニタイ」

気にしないでよ。じゅもんを唱えてみただけさ。


*** 創作1000ピース ***

 たくさん書いて書く練習をするためにまずは1000の物語を書く目標を立てました。形式は問わず、質も問わず、とにかく書いて書いて、自信と力をつけるための取り組みです。

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