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余熱の孤独

出逢わなければ
これほど寂しくなることなかった
蒸し風呂のような夏の夜に感じる肌寒さ
それは、この恋の戦慄、悪寒、血流に成り代わった電流
私の頭はわかっている、あなたを愛しすぎてはいけないと
けれど、今夜も、あなたの奏でる旋律に酔いしれる、あたしの脳
 ー no, sweetheart.
あと3cmのところで躱された唇に、心がもだれる
 ー 少し昔、一度本当に好きになった男のことを話したら、
  「よかったじゃない、それは愛じゃなくて、恋だよ」
  って、言われたの。
 ー 本当なら、恋も、愛も、一緒だよ。
と、その男たちを一緒に嗤ってくれる、あなたがやっぱり好きだ
じゃあ、どうしようもなくあなたが好きだ、と告げてみたら、
あなたは、笑ってくれるだろうか。やっぱり嗤うだろうか
あたしの脳は、わかっている、あなたは、笑ってくれると
背中越しに抱きしめられて、その笑顔は見えなかった、ある夏の夜、
あなたに出逢えてよかった、という言葉を飲み込んで、手の甲にキスをした


 







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