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たとえば、目に視えて、ふれられるだけがあなたじゃない


あなたがいれば何もいらない
それは、本当はわたし自身に向けて言いたかったことば

にんげんはうつし鏡、これがあなたの口癖の一つだった
波長が合うから逢える、逆を言えば、合致しなければ会えない
意識しなければ、ないのと同じ
月は、意識しなければ、そこに在るけれどないのと同じ

アイラヴユーを、月がきれいですね、と訳して、それで十分ですと言ったのは、きっと、彼も直観していたのだろう
月も鏡、あるいはゲート、わたしたちの世界とあちらのせかいの存在、つまり、わたしたちが彼らのうつしだし(あるいは逆も然り)であることを、言外に伝えたいからだ

あちらのせかいにはなんでも揃って在る
たとえばバターを塗ったトーストも、2010年頃のあなたの面影も、昨日爆発して散った星の、その未来も、あるいはあなたの来世とか(厳密にいえば、あなたのインクルージョン、吐息、あるいはえいり、月の裏側

そう、だから、はいってこないで、わたし以外のもの
外野はうるさい、いつだってうるさい、それをいえば、あなたは「それすら鏡」というのでしょう、でもあなたなんか知らないし、鏡面を引っ掻いて傷つけるだけのエコーなんて、エゴそのもので、いちいち、やってらんねぇよと返したくなる
だけれど、一度、ほんきでわらってしまえばこっちのものだってこともわかっている
なぜなら、鏡はわらわないから、わたしがわらわない以上、そして、わらいはかみさまの舞いそのものだから、どんな怨嗟もちってってしまう
だから、わたしは無敵なの、なぜならわたしは陽で、この銀河系でいちばん最強の楕円の星だから、そして月の鏡だから

あのね、月は太陽の光を受けて、その反射によってはじめて光を見せるというでしょう
それだってほんとうは…

たとえば、目に視えて、ふれられるだけがあなたじゃない


(5/27の明け方のメモ)

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