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『憲友』と古書店のこと

今日、戦後憲友会が発行した雑誌『季刊 憲友』1~39号(4,5,6,18欠)を購入。


どうにも、古書店の前店主が現筑波大学出身で、学徒動員により憲兵になった人物であった関係らしい。

内容は元憲兵の寄稿が中心である。現代の国防に関すること、戦没者に対する顕彰、慰霊についてや、憲兵に対する考察…
まだ読めていないのでまた、内容は別に紹介しよう。

古書店(多く訪れていないが)や、ネット上の古書市場にもあまり出ておらず、希少といえそうだ。それを格安で売って頂いたのだからありがたい。

この古書店は一、二年前から時々通っている。70か80歳くらいの店主からは、自分の調べている分野について、「こうゆう本があるから」とアドバイスも何度も頂いた。

『二・二六事件の謎』を出してきてくれたこともある。『昭和ナショナリズムの諸相』を買ったのも、函なしの『宇垣一成』を買ったのもここだ。

地方住のため、古書店が少なく、貴重な場所であった。元々割烹だったという、広くはない店内には、ところ狭しと本が積まれ、本が悲鳴を上げている。

分野別に整理されているわけではないので、様々な棚を見、探していく。その間、本の雪崩に幾度となく見舞われるが、そこから面白そうな本が見つかる。よく、足が埋もれていた。4,5時間いたこともあろうか。

古書店が好きな人であれば、誰しも経験したであろうこの謂わば「探検」の楽しさを教えてもらったのもこの店である。

『憲友』は大分前、店主が奥から出してきてくれた。その時は手持ちがなく、「また来ます」と言って帰った。

その後なかなか店に行けず、申し訳なさだけが募っていた。そのため、上京する前には訪れようと思っていた。
少し前から、その店の近くで古書市が開催されていた。

その店も毎回出品していたので、店主に会えるだろうと思い、昨日出向いたのである。
店主はレジにいたので、他の本を購入する際に声をかけた。

「あの、以前お店で『憲友』を見せて頂いたのですが…まだありますか」

すると、マスクで分かりにくいが、確かに笑みを浮かべ

「あるよ」

と、、、

そこで、明日取りに行く旨伝え、本日伺った訳である。
覚えておられないと思っていたから嬉しく思った。店に来る若者を、自分は見たことがないから、珍しかったこともあるだろう。それに何時間も居座って、本の雪崩を起こし、荒らしていく若い変人は、覚えやすかったのだろうか。

今日訪れると、先に若い眼鏡をかけたお客が、珍しくいた。どうも少し前に店主は僕とその客とを間違えたらしい。まぁ眼鏡以外特徴はないから仕方ないだろう。

そのお客が精算し終わった後、なかなか訪れることが出来なかったことを謝り、『憲友』をようやく購入した。

院進のため上京することは、昨日伝えていた。
どの大学にいくのか、どの辺りに住むのか、何を研究するのか、などの話題から前店主の話、本の話、古書店経営の話など色々なことを話した。
店主からは「今やれることをやることだ」と、、、

自分の当面の目標は、二年後の修士論文の完成と提出である。
そのためにも、今やれることをやらなければならない。

店主は二年後には、店が無いかもしれないと言っていた。あの空間がなくなることは惜しい。続けてもらいたいが、古書店は食えない。

また、夏にでも帰省できたならば、訪れようと思う。

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