夢と現実のはさまで シュルレアリスム美術展
夢と現実
夢と無意識
夢や無意識の世界を探求することを目的とした芸術運動、「シュルレアリスム」
1924年にフランスで誕生し、丁度100年。
「シュルレアリスムと日本」
の展示会を訪れる機会に恵まれました。
夢だけでなく現実だけでなく夢と現実の混ざった状態を描く。
「シュルレアリスム」は、日本語では「超現実主義」と訳され、夢と現実が混ざった状態こそが本当の現実との考えが、芸術へと広がったということのようです。
なので不思議な作品ばかり。
今なら、芸術とはこんなものなのかな
とも思いますが、この100年。背景に色濃くあるのが戦争。この思想も戦時中は危険思想として監視の対象とされたとあります。
戦死、弾圧、混迷する社会での、画家さんのリアルな日記や仲間にあてた手紙なども展示されており、戦争の中でのリアルな「命」を感じさせられます。
芸術家に限らず、きっと誰もが夢と現実を見ていた。そこを画家さんが命懸けの表現を残してくれたのは芸術の価値を感じます。
不思議な表現の中には、不気味さがたくさんありますし、夢や希望も隠されているのだと思います。
芸術家としての見る目にもよるのでしょうが、一般人の私には感想は「不思議」「怖い」と単調になってしまいます。
そんな中、一番興味深く思ったのが、北脇昇さん作品「周易理解図」です。キャンパス上に図式的、直線、図形で描かれ、人間が見ることができる赤から紫を易の卦と共に色を乗せてあります。
図式が絵画というのも面白く、この作品だけが、虹色のようで明るさを感じます。夢と現実、混ぜてしまったら感情も入り混じり複雑化されますが、きっちり二つの相反するものから見つめれば、とてもシンプルなのかもしれません。この作品は、夢と現実の表現の怖さのトリックを見せてくれたように私は感じました。
表現は「自由」のようでいて「不自由」を感じる現代。とはいえ、自由であり、誰もが表現できる時代。そして夢と現実を表現すれば、誰にジャッジされることもない作品を楽しめるのだと思います。
そしてそれによって、誰かの何かのきっかけになるのです。
この美術展の多くの作品の中で岡本太郎さんの作品を見れたのも、私には価値を感じました。
全く意図もなかったのですが、私自身この美術展を見にいく前後、久々描き出したくなり一枚の絵を楽しみ描いてました。偶然にも不思議な絵。夢と現実なんでしょうね。100年の時代を駆け抜けた画家さんたちの深い思い、命懸けと違って、軽ーい作品ですが、これも今の時代の一つの作品なのかなと思います。が、今の時代こそ、無意識を今一度見つめて表現し合う必要も感じます。
4月14日まで板橋区立美術館で開催されています。
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