見出し画像

現場で社会へ出る前の若者に伝えてきたこと


かれこれ10年某大学で、これから社会へ向かう若い彼らの話を聞いてきた。
その数延べ何百人?数えたことないから正確には分からないけど。

現場で、多くの若者から『悲しい声』を聴いてきた。


その声って、
『今のあなたそのままでいいんだよ。』
そんなことを言ってくれる大人が周りにいないってこと。

これを聴いたときは衝撃だった、いや、悲しかったかな。一大人として反省もした。同時に、『なんで大人はそんなことを言うのだろう?』そんな問いかけも自分にしてみた。


大人が若い彼らに言ってることって、きっと自分たちの『反省』なんじゃないかな?今の大人たちが彼らと同じ年齢のとき、同じこと思ってたと思うんだよね。現に私もそうだった。
なんていうかな?若さって根拠のない自信と共に在るんだよ。

その根拠の無い自信の中で自分で選び取っていった先に、今の大人があるとして、その大人にとっての『今』が納得いかないものだったりしたら、きっと彼らにお節介を焼きたくなるんだと思う。
「余計なお節介」ほど怖いものはないんだよね。

でもね、裏を返せば、『羨ましさ』が根底にあるんじゃないかな?
大人たちがそれに気付いてるかはどうかは分からないよ。

若さって二度と手に入らないもの。その渦中にいる若者を見ていて、羨ましいって思う気持ちは痛いほどわかる。
でも、羨ましいからって彼らの無限の可能性の芽を摘むことは、大人であっても決してしたらダメ。


これから社会へ向かう学生や、20代でまだまだやりたいことが分からない若者がいたら、まずは、『できること』『得意なこと』をしてみたら?って伝えてきた。

『できること』っていうのは、苦労なくできちゃうこと。
『得意なこと』って、自分が分かっていればそれ。
それらが嫌いじゃなかったら、やってみる価値はあると思う。

私の話をするね。
私の社労士の仕事の場合、黙々と集中しながら細かい仕事とか数字を見たりするのは案外好きで、なんとなくできちゃうことだった。

産業カウンセラーの仕事は、人の話を聴くことで、昔からよく『相談がある』とか『話を聞いてほしい』って言われてきた。
元々お喋りではないし、若い頃からどちらかと言うと寡黙な方だったからね。
人から相談をされると、その相談内容からいろんなことを感じたり、勉強になったりすることも多々あった。時にはそこに巻き込まれてしまって、思いつめることもあったけど、決して嫌いではなくて、それも『できること』だったんだと思う。


今まで、私にとって【できること】や【得意なこと】が仕事になってたし、それで生きることができてきた。


でもね、それらも嫌いじゃないんだけど、本当にやりたいことなのか?って聞かれたら、『できることではあるけれど、やりたいことじゃないんだ』って気づいたから、それらを手放して、やりたいことをしていこうって決めた。
結局、【できること→好きなこと】へ繋がっていくと思う。


『できること』の線と『好きなこと』の線って、いつか交差する時が来て、その交わった点が『好きなことを仕事にしていく』そのスタート地点なんだと思う。交わった時にはきっと、『好きなことを仕事にする』それができる時だと思う。

だから、好きなこと、やりたいこと、は趣味でもなんでもいいからどんどんやってほしいし、やり続けて欲しい。
で、同時に、生きていくために仕事をするなら、「できる事」をしっかり考えて選択してほしい。

その2本の線を歩き続けたらきっと、自分にとっての『これだ!』ってものに出逢えるんじゃないかな?

絶対無理はしたらダメだし、嫌なこともしたらダメ。
ゆる~く、『これなら、できるかなぁ?』って直感で考えて出たことを選択していけばいいと思う。
その直感のでどころは、『今のあなたのそのまんま』が出発点となることを忘れないで欲しい。

周りの声を聴くことも大切だけど、まずは自分の声をしっかり聴くことが何よりも大切。周りの声に惑わされず、自分の内側をしっかり見て感じて考えて、行動して行って欲しい。

根拠のない自信、大いに結構!そこを頼りに選び取ってほしい。
あなたたちの手のひらには、「どんな事にも果敢に立ち向かえる勇気」を握りしめてるから。それと、すべての答えは自分の内側にある。それを信じて欲しい。




10年間こんなことをずっと、学生に伝えてきた。
でも、その仕事も、そろそろ手放す時なのかもしれない。
これからは違う形で発信していきたいなって今は考えてる。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?