風の力

徒歩の途中、毎日通る公園がある。そこには、私の友達がいる。
空と実直に向かい合うその姿から、私は毎日パワーを受け取る。
そこに触れるだけで、私の内側で「コトリ」と何かが動くのだ。

先日いつものようにその木に触れ目を閉じ、友達との会話にチャレンジしてみると、次の瞬間「カサカサカサカサ」と大きな音がした。
目を開けてみると、目の前で枯れ葉が舞い上がり、桜の花が舞い落ちてきた。

「綺麗…」思わず一人呟いた。

そこには明らかにに何かが存在していた。その何かを私の視覚は捉えないが、枯れ葉と花びらたちを通しその姿が私の目に届いた。

土に散った葉、木の上で人々を喜ばす桜、どちらも自分の足で動くことはできないが、「何か」が彼らの命を運んでいた。

私も普段その「何か」を感じる事は当たり前にある。窓を開けるとその通り道を感じることも出来る。走るとそれは私の纏う不安や恐れを吹き飛ばしもしてくれる。

動き続ける、変わり続ける、自由で在ること、そこに勇気が必要なのであれば、私は彼を紹介したい。彼は人間よりも遥かに大きな力を持っており、誰にも優しく寄り添ってくれているからだ。

毎日毎日自由と命を運び続けいつも優しい彼の名を「風」と呼ぶ。