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ぶら下がり道具

我が家の台所スペースには、調理器具やペーパーナプキンがぶら下がっている。

100均で突っ張り棒を買ってきて、換気扇の下に棒を突っ張らせる。
その棒に挟めるフックをひっかけ、そこに菜箸、お玉、トング、水切り網、そして鍋までもお行儀よくぶら下がっているのだ。
このアイデアは友達のお片付けのプロに教えてもらった。
とても便利で使い勝手がよく、それ以来ずっとぶら下げている。

調理中、お片付け中、台所で舞い踊る私の動きに合わせ、彼らはいつも手を差し出してくれている。動きのついでに彼らの手を掴むだけで、次の動線が産まれてくる。無駄な動きが減り軽やかに動ける毎日だ。

そのためか、ここ最近なんでもぶら下げたくなる。

よく考えてみると、空間は広がりどこもかしこもモノの場所になりえるのではないか?空間の彩りを考えるのもまた楽しい時間だ。

そういえばひと昔、ぶら下がり健康器具が流行ったのを思い出した。人間が棒を掴み頭から足のつま先までダラリと伸ばすことで健康が手に入る、そんな魔法の器具を今はあまりおみかけしない。

が、健康に良い噂を思い出すと、道具にとってもよいのではないか?
一度ぶら下がる彼らに聞いてみてくなってくる。


本来は、モノも人間も地に足をつけず、揺らいでいるのが心地よいのかもしれない。試しに一度、地上から足を浮かせてみるのはどうだろう?確か、「物は試し」、そんな言葉もあることだし。


さて、次は何をぶら下げていこうか?

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