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語りづらいことや闘いこそ、本当に語られるべき物語だ

「生の中で、一番語りづらいことや闘いこそ、本当に語られるべき物語、闘いだ。」

この場所で、思いついたものから心をオープンにして書いていきたい。



まずは病気の物語。
30歳になってから随分長い間、いろんな種類の病気をしてきた。
コツコツ継続してきたものと言えば、バセドウ病。


29歳~30歳のころ、動悸がしたり手足の震えが出たり、よく汗をかくようになった。年齢的に更年期ではないが、その症状が絶えず私を襲っていた。
当時の私は、自分のその状態を「30歳になれば手足も震えだすのか。」と捉え、今思えばあきれるほど呑気で、自分のおバカ加減に驚くばかりだ。

徐々に日常生活に支障が出始め病院の戸を叩いた。一度目のこの病気は完治までに5年を費やした。いや、これには完治がないようだから、寛解と言えばいいのだろう。

それから、2年ぐらい経過した37歳頃にまた再発した。この再発が長期化、2020年の1月に数値が安定、長年通った病院から地域医療へ転院が決まり、小さな病院での定期健診に移行した。


その矢先に今回のコロナ騒動。
紹介状を持って病院へ行きたいと思いつつも、暫く様子を見ていた。
転院前に処方された薬も底をつき、服薬無しの時間が過ぎていった。


そんなある日、事務所で動悸が雨のように降りかかり、帰宅途中人が沢山いるのを見ていると、漠然とした不安が風船のように膨らみ、落ち着きを失った。


服薬を中止してたため、また、再発したか‥と病院へ向かった。
そこでいつもの血液検査、検査に必要な量3本分の血を取られた。
1週間後の検査結果は、私の予想を裏切る結果だった。
なんと、数値が綺麗に安定していたのだ。

うん?なぜだ?じゃ、あの症状は一体なんだったのか?新しい疑問が湧き、医師へ例の一件を話したところ、かけられた言葉に耳を疑った。
「身体ではなく心のほうで、パニック症か不安神経症の症状かもしれない、心療内科のいい先生を紹介できるよ。バセドウの動悸はそれらの病気の症状と似てるから。」と言われた。そのまま、先生に今感じている事を聞いてもらった。

話が終わった後先生は「まだ心療内科行くまでではないと思う。でも、日常生活に支障が出たら紹介してあげる。」と言ってくれた。

初めての事に驚いたが、そのとき一つの言葉が脳裏に浮かんだ。
「人は乗り越えられるほうになんらかの不調が現れる。」

確かに私はバセドウ病を乗り越えた。今もし心に不安が芽吹いてるなら、私は強くなることができたんだ。
そう思った。


あれから、例の症状は出ていない。今のところ一度限り。会いたい自分に会うための日常を過ごし、毎日自分に丁寧に接し、幸福は感じても不安を感じることはない。きっと不安のための体力など残されていないぐらい、自分が存在していることを全力で満喫している。
次の健診は8月。きっとその頃にも数値は安定、心の不安の芽も刈られているに違いない。

ただ、37歳からずっと薬が手放せない原因不明の「慢性蕁麻疹」、いくつも病院を変えてもこれだけは治ることがない。これは私が生を継続している限りの親友だ。もし発症に何かしらの原因があるとするなら、それは「生きてること」かもしれない。

ということは、この生を生き切るまで、私の大切な相棒となるのだろう。


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