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コストオン方式「発注者が直接サブコンを選定して、ゼネコンに工事を管理を任せる」

Written by 病院建築note@医療機器出身のゼネコン社員

先日の部内会議で「コストオン方式」という言葉が出たのですが、意味がわからなかったので調べてみました。会社の先輩にも色々教えて頂いたので、ゼネコン目線でまとめておきます。


一括発注・分離発注・コストオン方式


左 コストオン品質保証契約 右 ゼネコンの商流


■コストオン発注方式とは

コストオン方式とは、建設プロジェクトの発注方式の1つで、発注者がサブコンと直接交渉・価格決定を行ったうえで元請会社(ゼネコン)と契約することです。

発注者の要望を適切に反映したり、コスト削減にも効果が見込まれる方式です。

実際にコストオン方式を採用するためには、建設プロジェクトにおける発注者・建設会社・専門工事会社の関係性や実現するための契約方法(コストオン協定書の締結)、統括管理業務とそれに対するフィー(コストオンフィー)などが必要です。

■コストオン方式のメリット

・施主がサブコンを決定できるので、施主の要望を反映しやすい。
・サブコン選定にゼネコンが介在しないのでコミュニケーションが深まり、要求性能の実現が確実になることがある。
・相見積を取ることでサブコンが価格競争すれば、コストダウンにつながる。
・施主が直接見積を取るのでコストが細かくわかる。
・ゼネコン経費が掛からないので、安価になることもある
・特に機器更新のように建築工事がほとんど発生しない場合コストメリットが出る。

但し、実際は取引規模の影響を受けて、ゼネコンに一括した方が安価になる場合もある。
※全体予算が厳しければ、サブコンとネゴをせずに、安価発注もできる。

■コストオン方式のデメリット


・サブコンを選定するためには施主側で技術者を準備する必要がある。
・人件費的にはゼネコンに任せた方が安い場合もある。
・見積が多岐わたり管理と選定が煩雑
ゼネコンがサブコンに価格ネゴできないので、価格は下がらない可能性がある。

■何だかんだ特命で一括にした方が安くなる?!

特命だとコストが下がらないと一般的に言われています。

しかし、お互いの信頼関係が構築されていれば、全体の予算を指値する&ゼネコンからの原価低減提案等を取り入れることにより、予算目標をクリアすること意外とよくある話です。

確かに競争の場合は一般的に安価になりそうですが、施工が進むと条件闘争になり、見積に含まれるか?含まれないか?で揉めることはよくあります。

いずれの場合でも信頼関係があれば良いのですが、お互いの事前確認や事前準備の不十分さが出ると問題が発生しているようです。

特命でも競争でも上手くいっている例も上手くいかない例も結局のところ、施主側、請負側でお互いにやることを全うしていれば、問題なく収まることかと思います。

安価であることの美徳が日本にはありましたが、最近の風潮では良いものには対価が掛かるという認識も出てきています。結局のところ、品質とコストは比例関係にあると考えられます。

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hospital architecture note
mail:07jp1080@gmail.com
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