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みちのく潮風トレイル 公共交通情報 山田町~釜石市(HikingMapBook-4)

こんにちは。岩手県宮古市を中心に、みちのく潮風トレイルや三陸ジオパークのガイドをしている人です。

みちのく潮風トレイルを歩く際に利用できる公共交通機関の情報をまとめています。
この記事では、「山田町~釜石市(ハイキングマップブック4)」の範囲を紹介します。

みちのく潮風トレイルの攻略にとって現実的に活用ができるもの以外は紹介していません。
(自治体の地域バス・住民バスは、ケース・バイ・ケース)

いわゆる「ダイヤがあって」「乗合」の性格があるものを選んでいます。
「観光タクシー」や自治体の地域バス「オンデマンド運行」についても、一定のダイヤにより定期的に運行されていて、自分以外も同じものに乗車する可能性がある「乗合」の性質があるものは、選択肢に入れています。
(よって、一般的な「タクシー」は除外)

情報ですので、文字しかありません。写真も画像も1枚もない記事です。あしからず。
おおむねハイキングマップブックでの地域ごとに、利用できる公共交通を紹介しています。
同じ言葉がたくさん出るので、以下の略称を使っています。

・MCT→みちのく潮風トレイル
・SOBO→南向きルート
・NOBO→北向きルート

(2023年8月時点での情報で書いています。あくまで記載の情報は目安として、各自の自己責任にて充分な調査や計画のうえで行動に臨んでください。記載内容の正確性や、記載内容を参考にしたことにより生じたトラブルや事故等について、当方は一切責任を負いかねますのでご了承ください)


■鉄道

・三陸鉄道(岩手船越~釜石)

岩手県の久慈市久慈駅から大船渡市の盛(さかり)駅までを結ぶ第三セクター鉄道。昔は北リアス線、南リアス線に分かれていて、間はJR山田線だったが、震災後に全線が「リアス線」として一本化された。通称は三鉄(さんてつ)。

多くの部分でMCTと並走しており、岩手県内を歩くときには活用することが多い。非電化路線なので「電車」ではなく「汽車」である。おおむね1時間~2時間に1本ぐらいの運行。宮古と釜石どまりの本数が多いが、全線を通す列車もある。
基本的に全線ワンマン運転。一部の駅以外は無人駅。(売店などに改札を委託している駅もある)1両編成か2両編成のことが多い。通常、始発駅を除いて先頭車両の先頭ドアしか開かないが、自動で開く。乗るのも下りるのも先頭車両の1番前ということ。

乗車時に「整理券」をとり、降車の際に運転士の運賃箱に運賃を支払いする。運賃は、整理券番号と車内の運賃表を突き合わせて確認する。切符を買ってある場合は、降車時に切符を運賃箱へ入れるか運転士に見せる。
高額紙幣でも両替できるが、運転士にお願いすることになり時間や手間をかけてしまうので、なるべく1000円札以下を用意しよう。
もちろん交通系ICカードは使えない。

ラッピング車両やレトロ車両も多いが、特別列車以外は、追加料金はない。
全車両にトイレがある。

https://www.sanrikutetsudou.com/?page_id=16481

岩手船越駅~釜石駅間の三陸鉄道は、旧JR山田線の区間で、森の中や住宅地を抜けていく。船越半島と箱崎半島を除いては、ほぼMCT本線に沿って走っていて、ひと駅分など数時間ごとで歩くセクションを区切ることが容易。
そういう意味では、入門的に歩き始めるにも選びやすい区間。大槌から釜石の間は岩手県交通の路線バスも走っていて、時刻表次第で使い分けも出来る。

https://www.sanrikutetsudou.com/

■バス

-岩手県北バス(宮古~山田)

山田町エリアに走っている。中乗り前降り。ICカードに対応している。1000円札以外は両替できないので注意。
山田町の船越半島の付け根、田の浜まで、北の宮古駅と路線がつながっている。
鯨山の北に歩く船越半島は長大なので、鯨山を歩く際には、田の浜または岩手船越駅をセクションの区切りにするのが現実的。
田の浜から南には県北バスの路線はない。

http://www.iwate-kenpokubus.co.jp/regular/map/miyako/

-大槌町民バス

大槌町内のコミュニティバス。循環線などMCTルートを通る線もあるが、大槌町のMCTルートは距離も短く、おおむね三鉄と県交通のバスでたどれるので、MCTで町民バスを使用することはおそらくないだろう。

https://www.town.otsuchi.iwate.jp/gyosei/docs/435881.html

-岩手県交通

釜石市エリアの路線バス。釜石から南、陸前高田まで路線エリアになっている。
浪板海岸~釜石方面の浪板線と赤浜線は、MCTと並走する感じになり、三鉄の時刻の合間に走っているので、把握しておくとなかなか便利。
一般的な、中乗り前降り。乗車時に整理券をとり、下車時に支払い。1000円札以外の紙幣は両替できない。
2023年現在、釜石などの沿岸エリアはICカードに対応していない。(盛岡方面の県交通バスは使えるのだが)

http://www.iwatekenkotsu.co.jp/engan.html

http://www.iwatekenkotsu.co.jp/iccard.html

-釜石コミュニティバス

タクシー会社が運行するマイクロバスやワンボックスカータイプの地域バス。複数の路線がある。
釜石周辺はおおむね三陸鉄道と岩手県交通バスがMCTをカバーしているので、コミュニティバスはおそらく使う必要がないが、箱崎白浜方面の「にこにこバス」は、箱崎半島を細かくセクションで区切るためなら使えなくもないかもしれない…かなり苦しいが。
また、一部のバス停は、前日までに事前予約が必要なので、よくよく調査のうえ利用を検討のこと。

https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2019051600037/

■駅やバス停

-岩手船越駅


三陸鉄道の駅。かつては「JRで本州最東端にある駅」だったが、三鉄に移管されてJRではなくなったので、「鉄道駅として本州最東端の駅」に変わった。現在、JRの本州最東端は宮古駅。
MCT本線上ではないのだが、船越半島の付け根にある最寄り駅となるので、北に行くにも南に行くにも利用する可能性は高い。
駅前には小さな商店があるぐらいだが、そう遠くないところにふれあいパークやまだやコンビニがあるので、そちらと併せて一つの拠点になる。
船越駅から南下すれば船越半島の田の浜や鯨山方面のMCT本線。北上するとふれあいパークやまだを経由して織笠方面と鯨と海の科学館方面へのMCT本線に合流する。

-浪板海岸駅


三陸鉄道の駅。以前は「浪板駅」だったので、たまに「浪板駅」と書いてある看板等も見かける。MCT本線上にある。NOBOで鯨山に挑むときには最寄。SOBOも鯨山を下りてきて一区切りとしたいならこの駅になる。駅の施設としては特に何もない。
駅からMCT本線をたどって道路を回りこんで下りていくと浪板海岸。

-吉里吉里(きりきり)駅


三陸鉄道の駅。MCT本線からはだいぶ外れるのだが、かといってそこまで遠いわけでもないので、前後の浪板海岸駅や大槌駅で中途半端な時間になってしまうようなら、この駅でセクションを区切るのもあり。まあ、本線上にある浪板海岸か大槌を使うほうが、効率としてはいいが、駅周辺からMCTルートまでの間にはコンビニもあるのでそういう意味では浪板海岸駅より使い勝手はいい。
難読・珍しい駅名の一つ。余談だが井上ひさし「吉里吉里人」は、語感が面白いのでということで言葉として採用されただけで、ここが舞台というわけではない。

-大槌駅


三陸鉄道の駅。大槌町の中心地にある。周辺を含めて震災の被災で復興された街並みになっていて、少し歩けば商業地もある。大槌町のシンボルである蓬莱島ことひょっこりひょうたん島を模した駅舎になっており、駅舎内や周辺にもひょっこりひょうたん島のキャラクターがあちこちにいる。
駅舎外にWCがあり、駅前には駐車スペースもある。バス停もあり、釜石方面に県交通のバスがあるので、時刻によっては三鉄とバスのどちらを使うか選べる。

-鵜住居駅


三陸鉄道の駅。ラグビーの駅といってもいい。駅前は、うのすまい・トモスとなっていて、休憩施設、震災伝承施設などが集まっている。もちろんWC、駐車スペースもある。駅周辺にはドラッグストアなどもある。MCTルート上の鵜住居復興スタジアムへの最寄でもある。
南の両石駅との間は、国道45号線をたどると30分足らずで着いてしまう。そのうち恋の峠までの半分ほどはMCT本線でもあるので、南の箱崎半島を攻略するときには、鵜住居駅と両石駅両方か、あるいはどちらかを拠点として使うとやりやすい。
岩手県交通の釜石方面へのバスも止まるので、汽車とバスのどちらを使うかは時刻表次第だろう。

-両石駅


三陸鉄道の駅。ほぼMCT本線上にある。MCT本線の国道からちょっとだけ脇へ。駅前には駐車スペースがある。
南の釜石駅までのMCTルートは短いのだが、北の鵜住居駅までは箱崎半島の一周が待っていて、6~10時間コースとなるため、箱崎半島に挑むならたいていの場合はこの両石駅と鵜住居駅が区切りになるだろう。
北の鵜住居駅との間は、箱崎半島ではなく国道45号線をたどると30分足らずで着く。そのうち恋の峠から鵜住居駅までの半分ほどはMCT本線でもあるので、箱崎半島を攻略するときには、鵜住居駅と両石駅両方か、あるいはどちらかを拠点として使うとやりやすい。
駅から国道45号線に出て、50メートルほど北の住宅地の前に、岩手県交通の釜石方面へのバス停もある。汽車とバスのどちらを使うかは時刻表次第で。

-釜石駅


三陸鉄道とJR釜石線の駅。釜石市の中心駅。MCT本線からは数百メートルほど離れるが、市街地のなかなので、ほぼ本線上といってもいい。
久慈駅同様に、三鉄とJRの駅舎は全く別々。駅前にはバスロータリーもあるが、中心街がイオンモールなどがあるほうなので、バスを使う場合もそちらのほうのバス停を使うことも多くなりそう。
駅前は一般的な観光案内所や飲食店が点在するぐらいだが、NOBOでの中心街のほうには宿泊施設、イオンなどが並ぶので、滞在拠点として活用しやすい街。SOBOの場合も、しばらくは市街地や住宅地を抜けていくので、コンビニなどもある。

-ふれあいパーク山田(旧:道の駅やまだ)バス停


県北バスのバス停。ふれあいパーク山田(旧:道の駅やまだ)の駐車場内にある。厳密に言えばMCTルート上ではないが、船越半島への分岐点から近いため、船越半島に挑む際に、補給拠点にしやすい。岩手船越駅からもそう遠くないので、何かと便利。
まだ以前の名称だった「道の駅やまだ」バス停として紹介されるケースもある。ただし現在の新しい「道の駅やまだ」バス停は、三陸道山田ICそばの道の駅やまだ「おいすた」側に設置されている。

-船越駅前バス停


岩手船越駅前にある県北バスのバス停。厳密に言えばMCT本線上ではないが、田の浜方面と鯨山を結ぶルートからはそう離れておらず、船越半島や鯨山に挑むときには、岩手船越駅か、ふれあいパーク山田が区切りにしやすい。県北バスでアクセスするか三鉄でアクセスするかは、時刻表次第で。

-船越漁協前バス停


MCTの公式を含め、各種のマップ類では掲載されているバス停だが、周辺の防潮堤工事で区画が変わったため、現在はこのバス停を経由するバスはない。地図を頼りにここにバス停があると信じてきても何もないので、田の浜バス停を使うこと。

-田の浜バス停


県北バスおよび山田町コミュニティバスのバス停。
宮古駅から陸中山田駅と岩手船越駅を経由してここまで来る路線は、まずまずな本数が運行されている。
このバス停から海岸のほうに数百メートルでMCT本線に合流する。船越漁協か周辺の公園にWCありだが、使えないことも多いので、荒神海水浴場のWCを使うほうがよいかも。
岩手船越駅付近から田の浜(船越漁協)付近までのMCT本線も、歩いてなんだかんだと1時間近くかかるため、船越半島を何回かに区切る場合に、少しでも1回あたりの距離を短くしようと思うなら、この田の浜バス停の活用も視野に入れてよいだろう。

-浪板バス停


岩手県交通のバス停。
浪板海岸駅から海側に少しの場所にある。ほぼMCT沿いに近い。
浪板バス停が浪板海岸駅の最寄で、浪板海岸バス停は浪板海岸駅からは離れて、本当に海岸のホテルはまぎくのMCT沿いのほう。ややこしい。
大槌・釜石方面に県交通のバスが走っているので、三鉄と時刻表次第で使い分けができる。

-浪板海岸バス停


岩手県交通のバス停。
MCT沿い、国道45号線のホテルはまぎくそばにある。
浪板海岸バス停は浪板海岸駅からは遠い。浪板海岸駅の最寄は浪板バス停。ややこしい。
大槌・釜石方面に県交通のバスが走っているので、三鉄と時刻表次第で使い分けができる。

-吉里吉里バス停


岩手県交通のバス停。
吉里吉里バス停は吉里吉里駅からは離れていて、吉里吉里の浜から国道45号線に上がったところにある。MCT沿いではないが、すぐ。吉里吉里駅そばのバス停は吉里吉里一丁目。ややこしい。
大槌・釜石方面に県交通のバスが走っているので、三鉄と時刻表次第で使い分けができる。

-漁協前バス停


岩手県交通の赤浜線のバス停。
浪板海岸駅から大槌駅へのMCT本線、大槌漁港前にある。

-大槌駅バス停


岩手県交通のバス停。
「大槌駅前」ではなく「大槌駅」バス停。
釜石駅、浪板海岸駅方面に通じているので、三鉄と時刻表次第で使い分けができる。

-鵜住居駅バス停


岩手県交通のバス停。
「鵜住居駅バス停」は鵜住居駅前のロータリーにある。「駅」がつかない「鵜住居バス停」は、駅前ではなく国道45号線に出たところにある。紛らわしい。
釜石駅、浪板海岸駅方面に通じているので、三鉄と時刻表次第で使い分けができる。

-両石バス停


岩手県交通のバス停。
両石駅沿いの国道45号線、住宅地の前にある。
実質的に両石駅前にあるのだが、「両石駅」や「両石駅前」バス停は存在しない。細かい違いだが、乗り換えアプリなどではその違いに悩むこともある。
釜石駅、浪板海岸駅方面に通じているので、三鉄と時刻表次第で使い分けができる。

-釜石中央バス停


岩手県交通のバス停。
釜石中心地の市民ホールTETTO沿いにある。MCT本線よりも通り一本向こうだが、いわゆる釜石のメインストリートにあたる。
ビジネスホテル街やイオンタウン釜石にアクセスするにはこのバス停が便利。すぐ隣の「市民ホール前バス停」を使ってもほぼ同じ。
大槌駅や浪板海岸駅方面に通じているので、三鉄と時刻表次第で使い分けができる。

-市民ホール前バス停


岩手県交通のバス停。
釜石中心地の市民ホールTETTO沿いにある。MCT本線よりも通り一本向こうだが、いわゆる釜石のメインストリートにあたる。
ビジネスホテル街やイオンタウン釜石にアクセスするにはこのバス停が便利。すぐ隣の「釜石中央バス停」を使ってもほぼ同じ。
大槌駅や浪板海岸駅方面に通じているので、三鉄と時刻表次第で使い分けができる。

-釜石駅前バス停


岩手県交通のバス停。
釜石駅前ロータリーにある。
MCT本線から釜石駅は100メートルほど外れるが、ほぼMCT本線上といってよい。
釜石の中心市街地やビジネスホテル街はイオン方面にある。
県交通の浪板線と赤浜線が、大槌駅や浪板海岸駅方面に通じているので、三鉄と時刻表次第で使い分けができる。
釜石大観音や平田駅方面にも路線はあるのだが、そちらは歩いても大した距離ではないし国道45号線上のルートなので、釜石駅より南のほうで県交通や住民バスの活用をすることはまずないだろう。

他の区間の公共交通情報は以下に。

みちのく潮風トレイル公共交通情報まとめ↓

より具体的なコースガイドが必要な方は、私の経験を元にしたコースガイドも、有料記事となりますがご活用ください。みちのく潮風トレイルを実際に歩いた経験と写真などに基づく、全線のコースガイドです。全線を50セクションに区切って紹介。八戸から南下(SOBO)での紹介ですが、逆向きの説明も交ぜて解説。

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みちのく潮風トレイル全線コースガイド(有料記事)↓


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